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表題作ドロップアウト 甘い爪痕

劉華勝(アンディ・リウ),香港マフィア
能瀬修哉,無資格医師,28歳

あらすじ

白衣の堕天使―無資格医師、能瀬修哉。
彼の診療所には、理由ありの患者たちが集ってくる。
ある日、劉華勝がやってきた。
相変わらず、野獣のような危険な匂いを放って。
五年ぶりの突然の訪いだ。
華勝はかつて、修哉を追いつめたのだ。
逃げなければならないほどの、激しさで。
再び見つめ合うふたりは、ただ堕ちてゆくだけなのか…。
禁断のアウトローラブ、ここに妖しく開花。

作品情報

作品名
ドロップアウト 甘い爪痕
著者
佐々木禎子 
イラスト
実相寺紫子 
媒体
小説
出版社
講談社
レーベル
X文庫ホワイトハート
シリーズ
ドロップアウト 甘い爪痕
発売日
ISBN
9784062559003
3.2

(10)

(2)

萌々

(1)

(4)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
29
評価数
10
平均
3.2 / 5
神率
20%

レビュー投稿数4

受の修哉は新宿で無資格ながら診療所を営んでいます
医学部には通ったものの、父との諍いのため修哉は大学を中退してしまい、家を飛び出してしまいました。
流れ着いたところが現在の場所で、縁あってそこで診療所を開くことになったのです。
そこへ、修哉のドロップアウトの要因となった男、香港マフィアの劉華勝がやってきます。

二人は、修哉が大学に通っていたとき、旅行中に知り合いました。
強引ながら紳士的な『アンディ・リウ』と名乗るその男の案内で、修哉は香港の滞在を楽しみますが、姉から彼は『香港マフィアの幹部・劉華勝』だと聞かされ、親しくしていることを咎められます。
裏切られたと感じた修哉は華勝にもう会わないと告げますが、とたんに豹変した華勝に、二日間監禁され薬を使われたあげくに無理矢理抱かれてしまいます。
その後「帰りたいなら帰れ」と言われ傷ついた修哉は日本へ帰国しますが、修哉を手に入れようとする華勝が友人や家族を脅し、そのせいで、男とつきあっていることが父にバれ…修哉の人生が大きく変わることになったのです。


お坊ちゃん育ちで若くてウブで、華勝が好きだったのに闇の世界や華勝の激しさに怯え逃げてしまった修哉ですが、五年の月日を経て、自分も無資格医師としてアウトローな世界で生き、大人になった…という、修哉のその成長ぶりが良かったです。
そして華勝も、五年経って、大人の余裕、力の抜き加減を覚えたというのかな。
華勝が好きで、華勝の腕の中にいても、簡単に本当には堕ちないぞ、という風情の修哉と、以前より余裕ができたような華勝の大人っぽいやりとりが素敵でした。
実際は二人とも相手にベタ惚れなのは丸分かりなんだけど、すぐにくっつきそうでくっつかない、微妙な距離がなんだかいいんですよ。。
修哉を迎えにきたけれど、修哉は成長して無理矢理連れ去れるような男ではなくなっていた。だから待つ。この引いた感じの華勝がいいです。
裏の顔はもちろん怖いわけだけど、紳士と野獣が見え隠れするような、そのバランスが大人っぽくてかっこいいと思うし、また実相寺さんのイラストの華勝がとても合っていて、素敵でした。

攻がマフィアですが、派手なアクション多用されているわけではなく、表面的には何も起きていない、けれど裏では・・・という静かな展開が続きます。
しかし、突然修哉が拉致されることによって、一気に話が動きラストへと繋がる展開。
あまり派手な出来事が前面に出ず、動いてもごく短く済んでしまいますが、変にドンパチに走るんではなく、華勝と修哉の関係をじっくり堪能できて、それが個人的には良かったですね。

この話は続いており、もうすぐ続編三巻目が出る予定です。

3

今後の展開に期待

えー、平川大輔くん受けのCDが出て購入したので(未聴ですが)、原作も読まなくちゃと思い、読んでみました。3巻完結シリーズの1冊目です。

香港マフィア・劉華勝と日本人の無資格医師・能瀬修哉の再会ラブのお話です。
以前にはっきりと愛を確認しあっていた二人ではないので、相思相愛と言うには語弊がありますが、それぞれがそれぞれに片思いをしているような状態のまま5年も経ってしまい、それでもお互いを求めてやまないんですという、ある意味あまあまなストーリーです。

24と23という若い頃に出会い、別れていた5年の間に華勝はマフィアでの地位を固め、修哉はモグリではあるものの自分の診療所をかまえるまでの大人に成長しています。

主人公の二人を始め、華勝の弟・華炎、手配師のメッシュ、情報屋のクロ、漢方の専門家・宗老人、などなど登場人物の背景がまだまだ謎な部分が多く、お話の舞台そのものに壮大さを感じます。
ただし今回は、修哉のところへ突然華勝が現れて、ちょっとしたドタバタはあったものの、二人の愛を確認しあってめでたしめでたし程度で終わってしまいました。

それなのに、それなりに面白かったのは、修哉の無資格医師という設定と、登場するキャラの面々が皆謎めいて魅力的だったからではないでしょうか。

華勝においては修哉にベタ惚れ状態で、読者として“怖い一面”をまだうかがうことができませんでした。
多少の暴力シーンはありましたが、マフィアの幹部なので、本来ならばとんでもなく怖い存在なはずだと思うと、あの程度では物足りない気がします。何しろ修哉には紳士的なので。
で、やっぱり、修哉の弱そうで強い性格が一番の魅力なのかなと思いました。

これからの展開が壮大になっていくのを期待します。

1

何かと惜しい要素が…。

ドラマCDのほうが先でしたが…。
やはり、ドラマCDが不出来なわけでもないんだな、というのが初見。
ただし、脇役のメッシュやクロが妙に魅力的なキャラだし、文章もこなれているんですよ…。
って思ったら、JUNE小説道場の出身だったんですね、佐々木先生。

えーっ、だとしたらコレ、すんごい手抜きなのか?と思いたくなった。
いや、小説道場出身者の方々がぜんぶ筆力高いとは限らないけれど、
でも、昨日今日の短いセンテンスを重ねた、差別化しにくい文章とは明らかに違う風格があります。メッシュの店が面白そうだし、こういう人々の性格描写は惹きつけるものがあります。
しかし、いかんせん主役の攻めがいろいろな意味で盛大に失敗していると思いました。
モグリの医師というキャラは面白いが、なんで香港マフィアの大物?
普通にヤクザBLにしたほうが入り込みやすいし、わかりやすい。
ドラマCDでもさんざん愚痴りましたが、ディテールにツッコミどころ満載の香港マフィアを出したことで、いろいろとわかりにくい結果になっているのが残念。
1970年代、80年代じゃあるまいし、香港っていうだけであやしさ醸せる時代じゃない。
まだ、香港を舞台にくりひろげられるのならまだしも、舞台は新宿。
実在の香港マフィア(新義安)や、ジャッキー・チェンを看板とする映画会社(ゴールデン・ハーベスト)をもじったような名前もちょっとヒドいし、漢方薬とかいいながら、なんかハーブティーの材料みたいなのしか出てこないのも…w
しかし、もっとも致命的なのはなぜ劉華勝に修哉が魅かれるのか、まったくもってワカラナイことです。オレ様キャラはいいとしても、マフィアのボスでお金持ちって以外、惹きつけるものがアリマセンでした。

1

微妙

気の強い美形受けは好きなんですが、なんだか妙に派手な設定や舞台のわりには貧乏くさい雰囲気があって、なんちゃってBL的なバカバカしさが足りなかったし、どうも物足りなかった。

いろいろおもしろくなりそうなのにな、と残念感がいっぱい。
イラストは派手でよかったんだけど、攻めがちょっとにやけすぎ。
あと、この文章と合わせると、妙に古くささ倍増でイマイチ。

楽しみそこねて残念。

0

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