悼 SORROW―9・11その夜 硝子の街にて 20

悼 SORROW―9・11その夜 硝子の街にて 20
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神0
  • 萌×21
  • 萌0
  • 中立0
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レビュー数
1
得点
4
評価数
1件
平均
4 / 5
神率
0%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
講談社
シリーズ
X文庫ホワイトハート(小説・講談社)
発売日
価格
¥600(税抜)  ¥648(税込)
ISBN
9784062558136

あらすじ

あなたは私のヒーローなのよ…
瓦礫(がれき)の山となったグラウンド・ゼロ。懸命の救助活動が、粛々と続けられた――。

9.11の夜。宵闇のなかで、崩落したツイン・タワーはどす黒い煙を吐き続けている。ロウァ・マンハッタン一帯が停電する中、スティーブは同僚とともに懸命の救助活動を続けた。災害発生から72時間、いわゆる“黄金の72時間”にどれだけの人間を救えるのか? ノブもシドニーも、互いの安否を気遣いながら、それぞれの仕事に立ち向かう。どこまでもピュアなNYラブストーリー。
出版社より

表題作悼 SORROW―9・11その夜 硝子の街にて 20

シドニー・ホプキンズ/刑事/33歳
広瀬伸行/ツアーガイド/30歳

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レビュー投稿数1

それぞれに出来る精一杯

2001年9月11日のNY同時多発テロ事件からその後の2週間を描いた硝子の街シリーズの19冊目。
停電で街が真っ暗になり、パニックも落ち着いて、灰と塵の舞う人のいない街はほんとに大都市NYなのかとゴーストタウン感の漂うほの暗い回です。

シドニーと伸行は一時帰宅しますがすれ違ったまま、再び慌ただしく出ていきます。
一夜明けて電話は通じやすくなったけど、声を聞くと気が緩みそうだとシドニーに連絡することを自制する伸行。

マンハッタンの地理があんまりわからないので想像できないのですが、
(地図は載ってるのですが)伸行は地下鉄に乗って帰ってるので、立ち入り禁止ってどのくらい広いのだろうな…と思ったり。

前回があまりに怖くて怖くて心臓に悪かったので、少しずつ冷静さを取り戻し知人の安否確認なども進んで前よりは読んでいて恐怖感は感じませんでした。
飛行機が飛ばず帰れない旅行客をホテルに閉じ込めないで、行ける所でツアーをしよう!と急遽オプションツアーを考える伸行たちにも救われます。皆、少し前向きさを取り戻しています。

伸行とシドニーは中盤でやっと再会するのですが、お互い無続き事だと分かっていても、なんだかもう言葉にならない再会シーンです。

少しずつライフラインが戻りつつあり、市民主催の追悼式典に伸行らが出席するところで今回は終わりです。
事件が起こった瞬間や直後でなく、あまり報道されなかったその後2週間の救助活動が書きたくて資料をたくさん集めたということですが、本当にBLを読んでるんじゃないな・・・というリアルで苦しくてでも力強い文章が素晴らしいと思いました。
今回も甘いシーンとは一切無縁ですが、読んでよかったと思います。

でも何よりせつなかったのが前回からやはりスティーブの存在。
伸行とシドニーが主役なのに、今回も一番の主役は消防士のスティーブだと思う。もう見ていて苦しくてやりきれない。

消防士が沢山亡くなり、自分も怪我を負い、親友を亡くしながらも「ただ自分の仕事をしただけだ、ヒーローなんて・・・」という最後の追悼式のシーンは忘れられないシーンです。

伸行もシドニーもそうですが、それぞれ自分の仕事に向き合って、今自分にできることをします。
伸行はツアー客の無事を確かめ全員を無事日本に帰すことに尽力し、シドニーは私服警官は制服警官ほど役に立たないとわかっていて、強奪や詐欺の抑圧や避難誘導の補助や安否確認など何でも屋として走り回ります。
そして消防士は瓦礫を全て取り除くまでは何週間かかろうと「救助活動」という名目でで瓦礫の撤去に臨みます。
この、「今できることをする」という積み重ねでやっと日常に戻れる入り口まで戻ってきたのかなぁと思います。

お客さんも日本に無事に帰り、この先の旅行客が激減してしまうという新たな問題はあるのですが、やっと長い非日常から抜けつつあるというラスト。
でも元通りにはならないんですよね。シドニーも伸行も好きだったNYは。そう思うとせつないのですが、苦しい展開が続いたので、明るい兆しの見えるラストであってよかったと思いました。

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