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『甘い生活』で見事な下剋上を堪能したあと、この小説で見事なツンデレを堪能してしまいました。
萌えの総合デパートや~♪
ツンデレでこんなに悶えるほど萌えたのは、かわい有美子さんの『透過性恋愛装置』以来でした。
ただ、『透過性~』がツン70%デレ30%なら、この『片思い』はツン99%デレ1%かな。でも大丈夫、その1%でハァハァできますw
ツンデレに大切なのは、「ツン」の部分だと思うんですよ。
中途半端な「ツン」じゃダメ。そのキャラに本気でムカつかせて欲しい。いい加減にしろ!と思わせてほしい。
その状態で引っ張るだけ引っ張って、焦らして焦らして、そしてやっとこさくる「デレ」。
もうね、天地の二、三個ぐらい簡単に創造できそうなぐらいのカタルシスを味わえます。
この小説の主人公の「ツン」具合は、そういう意味で徹底してます。
高校時代からの友人だった男(ゲイをカミングアウトずみ)に惚れてしまった主人公。しかもその友人は、昔からずっとバカにしてた相手なのだ。
そんな相手に惚れてしまった自分に苛立ち、苛立ちを友人にぶつけ、それでも好きで好きで。プライドが高いから自分からは口説けなくて。それ以前に、自分もゲイだということすら打ち明けられてなくて。
しかも友人は女と婚約しちゃってて――。
思い余った主人公は一計を案じます。
酔ったふりで誘惑して、一夜を共にするのだ。
そこまでの計画は成功するものの、一夜明け、その友人の反応を目にして、主人公はさらに傷つくことになります。
主人公の片思いに過ぎなかったこと。友人にとって、そのセックスはただの一夜のあやまちに過ぎなかったことを理解するのだ。
もうね、狂うほど切ないんですよ。
同時収録作の『花の宴』は、痛い木原イズムがたっぷり詰まった作品です。
ラストちょっと泣きました。
この二人の続編が読みたいな。
「片思い」受けのツンデレが微笑ましくって、(この作品の前に読んだのがWELLだったから余計に?)木原さんってこういう可愛い感じのも書くんだなぁ(*^_^*)・・・と
思ってたら・・やっぱりきました。
痛いのが!!同時収録「花の宴」。
痛い。激痛です。でもこの激痛が癖になるから困りものです(笑)
絶版ものなのでオークションで高値で購入したのですが、買った甲斐がありました。
雅人のその後がかなり気になる・・実父の残した言葉、義兄の心情も。
「花の宴」の続編って書かれてないんでしょうか?
う~ん!・・とにかく面白かったです(*^_^*)
驚異のツンデレ受登場です。
ツンが9割9分9厘で残りがデレ、みたいな半端ないツンツンでした。
そこら辺のなんちゃってツンデレなんてお呼びじゃないくらい、受の吉本のツンツンぶりは激しく、攻の三笠を見てるともう可哀想な犬みたく思えてきますが、実は好きになったのは吉本が先。
なにこれなにこれ、ツンが行きすぎて拗らせてて堪らない!
プライドが高い故に、絶対に下手に出たくない吉本の不器用さに悶える。
紆余曲折あって最終的にはハッピーエンドなんですが、吉本がたまらなく可愛いかったです。
デレの部分がほんの僅かも、最後の最後の【デレ】が破壊級でした。
どんなに三笠が望んでも、せっついても、懇願しても脅しても『好き』と言わなかった吉本が、三笠が眠った後で囁くように「好き……」と言うんですが、そこがもう悶えるくらい可愛くて、もんどり打ちます。
主な登場人物は、三笠(攻め)、吉本(受け)、門脇(別作品の受け)という高校時代の同級生トリオ。高校卒業後は吉本と門脇は進学、三笠は就職と異なる道を歩み始めたものの、今でもよく三人で会っている。
ストーリーは吉本目線で進みます。ゲイの吉本は自他ともに認める美形で、スタイルも良く、頭も悪くない。自分に自信がある=プライドが高い男です。そんな吉本は実は、「迷惑なバカ」と高校時代からキツく当たってきた、三笠のことが好き …… 当然、そんな屈辱的な事実は受け入れられないんだけどねっ。「告白してきたら、受け入れてやらんでもない」くらいの気構えでいる吉本に、ある日、三笠が「女と結婚する」と報告してきて ー プライドの塊はさてどうする?というお話。
個人的にはいい塩梅の木原節です。吉本はイヤミな男だけど、プライドが高いだけで人間的にゲスというわけではない。プライドを守るために、ときには貧乏くじでも引かざるを得ないタイプ。「こいつ、実は哀れなヤツだな」と、けっこう周囲にバレてるんじゃないかな。だから自然と可愛く見えてきて、三笠が吉本に落ちちゃったのにも説得力を感じました(笑)
続編では吉本も社会人に。関連事業に携わっている三笠ともども、社員旅行に出かけていきます。イヤミに磨きがかかった吉本と、そんな吉本を持ち前のおおらかさと単純な愛情で包み込む三笠。本編よりだいぶ甘いバカップルに成長していて、一安心(?)です。
余談:
『片思い』は不思議なくらい、どのシーンも好きです。流れるように話が進む、というよりは、小説が「シーンの繋ぎ合わせ」で成り立っていることを実感させられる一冊。例え一場面だけ抜かれていたとしても、そこの文章が面白いから読んでしまうと思う。そういう意味でお気に入りの作品です。
かなり古い作品なので、表題作は、木原さんにしては拍子抜けする程、痛くない、普通の意地っ張り物です。
それでも、攻めの三笠の鈍感さ故の傲慢さやつきあい始めてからの溺愛ぶりとか、受けの吉本のツン暴走とわかりにくいデレっぷりとかは、木原さんのキャラだなあって思います。
この本には表題作の他に、表題作カップルの数年後を、吉本の部下視点から描いた作品と、この2編とは全く無関係な独立した短編が収録されています。
独立した作品「花の宴」はちょっと痛めかな
痛いと言うよりは寧ろ、古典的な耽美小説の趣。
その昔の、少年愛物ってこんな風だったなあって、なんだか懐かしくてよかったです。