黄色いダイアモンド

kiiroi diamond

黄色いダイアモンド
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神3
  • 萌×24
  • 萌3
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
5
得点
40
評価数
11件
平均
3.7 / 5
神率
27.3%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
ビブロス
シリーズ
ビーボーイノベルズ(小説・ビブロス)
発売日
価格
¥900(税抜)  
ISBN
9784835210803

あらすじ

走るのも泳ぐのも誰より早い勇は、幼い邦彦の憧れだった。成長するにつれ世間からはみ出していく勇を、邦彦はなんとか真っ当な道に戻そうとする。しかしいつしか、その想い、執着は「恋」なのだと気づいてしまい…。誰にも見えないけれど幸せになれる宝物。そんな恋を描いた木原音瀬の大人気作、待望のBBN化!続編を大量書き下ろし。

表題作黄色いダイアモンド

邦彦(幼馴染み)
勇(幼馴染み)

その他の収録作品

  • 「歯が痛い」

評価・レビューする

レビュー投稿数5

続編は「神」、続編の続編が読みたい。

表題作は幼馴染みものです。貧困家庭に生まれ、親に養育を放棄された勇と、遊び友達で幼いながら彼に憧れていた同い年の邦彦。勇と自由に遊び回っていた子供時代は、邦彦にとって最も幸せな時間だった。

勇は邦彦には従順なキャラなので、普通にきゅんとするラブかとは思うのですが、邦彦の勇への執着っぷりはやはり木原作品でした(苦)。邦彦が身を引こうとすると、勇が「怒んないで?」って、擦り寄っていくところがなかなか可愛いかったりします。自分の息子が邦彦にお世話されているのを見て嫉妬する勇は、本来なら親に寄せるような思いを邦彦に抱いていたのかもしれません。物語の最後に勇が邦彦へ放った一言にヤラレました。

続編の「歯が痛い」は勇の息子、俊一が主人公。これはほぼ非BLで、いじめが描かれた作品でもあります。父親の職業や片親家庭を理由にいじめを受ける俊一。邦彦やクラスメイトが何かと助けてくれるのですが、やはり俊一にとって最も支えとなっていたのは勇なのです。父親を庇おうとしていじめを隠していた俊一ですが…。

幼少の頃、面倒を見てくれて自分が懐いていた男に、たった一人の家族を奪われるだなんて、思春期ど続き真ん中の少年の心中はいかなるものでしょう。誰かを悪者にして責めずにはいられないほど激しく傷付いても、結局自分の心しか責めることはできないと悟った俊一は、親も子も最終的にはそれぞれの人生を歩むことしかできないのだと実感します。

登場人物を極限まで追い詰め、読者に正解を求めさせるような描き方が木原作品らしさともいえますが、それは同時にBLとして非常に評価しにくい部分でもあります。読者が傍観者でいられるのがBLの美点ですから。けれど、どんな形であれ男同士が惹かれ合う様を描いている点において、わたしは木原作品はやおいなのだろうと思っています。この作品でいえば邦彦が勇と、また続編で俊一が水沢と、出会ってすぐに抱いてしまった好意が、そう簡単には打ち消し難かったものとしてキッチリと描かれているので。(秋森くんは可哀想だけどね。)

BL萌えはさほど期待できないかもしれませんが、木原作品の最たる魅力はその文章を追っている時間そのものなので、あらすじや結末に振り回されることなく、木原音瀬の文章に触れて得られる愉悦を未体験の方に是非知って欲しいです。できれば小説で、ね。

門地先生の挿絵が可愛らしくて、読んでいて救われました。

1

後味最悪だけど……

幼馴染ものです。
受はいい加減でだらしなくって、頭が悪くて意志薄弱。
対する攻は受の事が好きで好きでしょうがない真面目男という設定。
この受、一度は結婚して子供までいます。大好きだった奥さんにも先立たれ、ひとりで子供を育ててるんですが、構いたがりの攻とのコンビが絶妙。

表題作よりも何よりもこの話の良さがにじみ出てるのは、書き下ろしの『歯が痛い』です。タイトルに??となりますが……。
受である勇の息子の俊一が主人公の話なんですが、もう兎に角秀逸。
この俊一のジレンマがもの凄く上手に書かれていて、そこに登場する友達と思ってた同級生からの凄絶なイジメや、それを助けようとする純粋であるがゆえにお節介で人を傷つける存在のクライスメイト。
思春期特有のドロドロが盛りだくさんで、もの凄く覚えのある感情が山盛りです。
脇を固めるキャラがもう絶妙で、読ませてくれました。

後味は凄まじく悪いんですが、続編をぜひとも読みたくなる話です。

1

体調も機構も運気も良いときに読むべし!

木原さんの古い作品。読んでいて「ワタシBL小説読んでるはずだったけど」と、何度も思いました。
「こんな嫌な気分になるつもりなかったけど」てのも。

子育てを放棄している親(木原作品毎度お馴染み)の元で、知能も低く中学もまともに出られず、当然定職にもなかなかつけないし、自己管理さえもまともにできない勇。
見た目も不細工なようでして、なんだか救いようがない。魅力がどこにもないんです。
元々まっすぐで責任感の強い邦彦は、そんな勇を放っとけず、幼馴染という範疇を超えるほど面倒を見てきて、途中でその勇への想いが恋だということに気づいちゃうという、ね。
邦彦は真っ当でクールでカッコイイ。それなのに、邦彦の恋はいつまでたっても報われず、勇は18歳の若さで結婚し、息子までできてしまう。酷いです。なにが悲惨かって、邦彦が勇に尽くす姿が。
邦彦ぐらいな人だったら、いくらでもなんとかなるのでは?と思うけども、勇じゃなきゃダメなんでしょうねえ。恋ってそういうものなんだな。

で、続く『歯が痛い』は、『黄色い~』を上回る悲惨なお話で、途中で何度もやめようと思ったほど。
『黄色い~』から7年後続き、勇の息子の俊一の中学校生活が舞台です。
完全に非BL。イジメの話なんだけど、イジメられる側の心理描写がすごく巧いんですよね。
イジメられてても、加害者と仲良くなりたい。横から手助けしようとしてくる人間の方が鬱陶しい。すべてが明るみになる恐怖にこそ脅えている。
だからなんでこんな話・・・読まなあかんの?と、幾度となく我に返るんですが、最後にすごく泣かされてしまいました。読んでよかったと思わせるんだよな~結局。
勇のことも全然好きになれなかったけど、子供のままの感覚で、それをそのままストレートに話す勇の無垢な言葉には胸を突かれ、涙そうそうですよもう。

でもほんとしんどかった。
こういうときには、すぐにアホエロな漫画などを読んで中和すべし!

4

胸がヒリヒリしました。泣きました。

木原作品でもナンバースリーに入るぐらい、好きな作品かもしれない。
そのぐらい印象深い、心に残る作品になりました。

『黄色いダイアモンド』
王道BLに近いです。
幼馴染み同士の恋。
キャラ設定は、榎田尤利さんの『君がいなけりゃ息もできない』の東海林とルコちゃんの関係に似てます。
世話焼きオバサン化してるデキのいい攻めと、何もできないアホアホパープリン受け。
とにかく攻めが、受けのことを好きで好きで仕方ないのだ。
受けは一度結婚しますが、妻に先立たれます。
ひとりきりで子供を育てる受けを、攻めは必死でサポートしている。長い長い恋心を秘めたままで。
よくある設定ですが、木原テイストが加わって、ひりつくような恋の話になってました。

『歯が痛い』
この作品が神!
タイトルはへんですがw、中身はシリアスで深いです。
続編がめちゃくちゃ読みたい…高校生編を書いてください、木原音瀬さん!
主人公は、『黄色いダイアモンド』の受けの、思春期になった息子です。
『黄色いダイアモンド』でまだ幼児だった主人公は、中学生となり、様々な問題に直面することになります。
父親が底辺の仕事をしてることに対する劣等感と続き、それでも父親が大好きだという気持ち、その両方の感情の狭間で悩んでいる。
仲が良かったはずのクラスメートには、父親のことでからかわれ、イジメられる。
壮絶なイジメのシーンで、山田ユギさんの『小さなガラスの空』を思い出しました。
かばってくれる同級生がいても、その無神経さに苛立つ。
この同級生、絶妙なキャラ設定でした。めちゃくちゃイイヤツなんですが、そこにわずかに『いい人特有のウザさ』を組み込んでるんです。ほんのわずかなスパイスですが、こういうのがキャラに厚みを与えるんだと思う。
そしてある日主人公は、父親とその幼馴染みがキスしてるところを目撃してしまう。父親が男と付き合ってることへの生理的嫌悪感に耐えられない主人公。
思春期特有の悩みや心の揺れや残酷さなどを、木原音瀬さんの筆はあますところなく描いていく。ひりひり胸に染みました。

ラストがさー…、めっちゃ良かったんだけど、爽快さはゼロなのです。
めっちゃ続きが読みたいです。

6

痛くて、後味が悪くても……

木原さんらしい作品ですね。

相変わらず、ほのぼの、ラブラブが読みたい方にはぜんぜん向かない本なのですが(笑)
私のようにこういう作品を読んで心温まる人間もいるのです。
きついお話だと思う人も多いかも知れませんが、現実はもっときついのではないでしょうか?

「純粋」過ぎるキャラは「痛い」事は確かです。
でも痛いのは自分の心なんですよね。
私なんかは自分の心にはない、失ったその純粋さに自分の心が痛くなり、それを「痛い」と感じるわけで……
自分がどこまでも汚い大人にならないために、こういう話を読んでいるような気さえします。

「純粋」な人は逆に周りの人を傷つけるのかも知れません。
悪意のない様々なものってかえって凶器ですよね。

子供の無垢な視線や言葉もそうだと思うし、大人にはそういう人はほとんど存在しないからこそ、話の中にそういう人を求めてしまうのかも?


前半の何とも言えない恋の行方と、続編のそのときに登場した子供の未来の姿。
時間が経つと人間は変わっていくのだなぁと。
気持ちはもちろんですが(悪いことばかりでなく)周りの人間や環境も変わって(当続きたり前だけど)見方や、立場、考え方が変われば、同じ人間の関わりも姿を変えていく。
前半と後半の時間の流れの中で、そういう「現実」を感じました。

読み終わって確かに残るもの。
そういう作品がやっぱり好きです。
たとえ後味が悪かったとしても……



5

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