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00年代初期の作品なので、絵柄にもちょっと時代を感じます。安野モヨコさんとか、小川彌生さんとか、唇分厚い系で結構がたいはしっかりと描かれているかんじの絵柄です。BLでいうと語シスコさんとか?(紺野さんのほうが画力はあると思いますが…)
とにかく、何かエロい。別にエッチな場面がとかではなく、たたずまいがエロい。唇分厚い効果なのか、体型とか肉感のせいなのか分かりませんが、キャラクターがみんなすごくセクシーなのです。受けも攻めもエロカッコいい。
あと、キャラの私服なんかにも時代を感じますね。こういうの流行ったよねー、と懐かしみながら読めるのが楽しいです。
シチュエーション的には、年下イケメン攻めの年上健気受け。初めは篠田が池内を好きすぎて始まる関係なのですが、序盤から池内が篠田に好意を持っちゃっているので、男同士の葛藤とか後ろめたさみたいなものは薄いです。が、ラブコメとしては最高に楽しめます。学園ものなので、周りの男子や女子もたまーに物語に絡んできて、そのなかで二人がばれないようにイチャイチャしてるのが萌える!
あと、最近気づいたのですが、受けのことを好きな女の子が登場するシチュエーションがすごく私好みなようで…(笑)この作品にも、篠田のことを好きな女の子が出てきて、池内が焦る、という神展開が…!受けがちゃんと男として見られてるってのが物語の良いスパイスになっている気が。
受けも攻めも、これだけかっこよくかける紺野先生、素晴らしいです。
高校生らしく青臭くってイイ!!
池内が好きすぎる篠田先輩、そしてそんな篠田先輩にメロメロな池内(一見クール)。
お互い好きすぎてバカップルで、周りを巻き込んでの痴話喧嘩。
この二人に巻き込まれてしまうのが、篠田の友人であり池内の先輩であるシン。
彼がまたいいキャラしてます。
シンの幼馴染であり親友の皆川は篠田に片想い中。そして池内に篠田を掻っ攫われます。
そんな傷心皆川のことがずっと好きだったシン。
二人は昔から体の関係はあるんだけど、シンは絶賛片想い中。
主人公カップルはラブラブで、もーごちそうさま!ってかんじだけど、この二人はかなりじれったい。
うまくいきそうでうまくいかない。
シンは一見クールなかんじだけど、ほんとはすっごい世話焼きで、池内×篠田のことや皆川の世話を焼いては報われないわ飛ばっちりうけるわ可哀相な役回り。笑
そんな彼がとても愛しく見えるのである。
皆川もシン相手だけにはネコになってくれたりと、シンは特別な存在ではあるよう。
この二人、なんとかうまくいってほしいなー
池内×篠田のラブラブあまあま話とシン×皆川のちょっとじれった切ない話、両方楽しめる素敵な一冊です。
上下巻二冊分を一冊にまとめたのでボリュームがあります。
大半を占めているのが表題作【可愛いひと】シリーズで、おまけを含めると14のもの短編が収録されています。ここで描かれているのは同じ高校にいる2カプ。
メインカプはバスケ部の後輩・彼女持ちの池内(高1)×バスケ部の先輩でゲイの篠田(高2)。
この「可愛いひと」というのは篠田のことで、この「可愛さ」が狙ったあざといものでは一切なく、池内の事が好きすぎるあまり、一生懸命すぎてついつい…という類。
そして可愛い=いわゆる女っぽい受けではなく、実は大食漢だったりとちゃんと男の子なのがいいところです。
池内はもともと彼女がいたノンケだったので、篠田は固い男の身体を持つ自分に対する引け目をなかなか捨て去る事ができません。そして、そこがいじらしいくもあり、可愛くもあり。
ときどき喧嘩したりすれ違いしつつも、基本ラブラブの二人です。
私がいいなぁと思うのはもう一つのカプ。
「可愛いひと」シリーズの中の切ないスパイス風味担当って感じのシン×皆川カプ。幼馴染同士なんだけど皆川は篠田に片思いしていて、シンはそれを知りつつも長らく皆川に片思いしている状態。
二人はセフレ状態なんだけど、池内から「ヤリ友ですか?皆川さんて」と聞かれたシンが「そーゆう言い方すんなよ オレが傷つくだろ」と答えていて、切ない。
一番好きなのが【陽炎】
玉砕するたびにシンの元へと戻ってきて、シンに抱かれるゲイの皆川。
篠田が池内のことを一生懸命に、みっともないほど好きな様子を側から見ていて、あーゆー子に好きになってもらえたら…とこぼす皆川。シンは「オレがいるじゃん」と言うのだけど、「おまえとはただのくされ縁」と返すニベもない皆川。
この一連の会話だけでも切なさ満載なんですが、さらにシンのモノローグが物凄く切ないのです。わずか10ページの短編ですが物凄くスパイス効いていて、この一連のシリーズに陰影を与えています。
その他【おもいで晩夏】もやはり片思いをしているシンの気持ちが切ない短編。将来に想いを馳せ、将来一緒にいる事がかなわなかったとしても、自分が贈った品々を変わらずに使ってくれているといいなというシン。健気で泣けます。
シン×皆川カプがいなかったら、基本甘々のシリーズで少しぼんやりしてしまったかもしれないけど、シン×皆川カプがいる事によってお話が引き締まるというか、ググッとくるような切ない短編を盛り込んでくるところがさすがだなぁと思います。
【ジプシー on the プラネット】
紺野さんにしては珍しいファンタジー、吸血鬼ものでしてこれはもう切なさ爆発としかいいようがないです。どうするのがベストなんだろうか…と読むたびにあれこれ悶々と考えてしまいます。
【ぼくの好きなひと嫌いなひと】
双子の兄の彼氏のことが好きな弟のお話でして、たった4ページという超短編ですが、お見事です。
お花と男。これにちょっと弱いなと昔から思っていた。
女性に花ではなんとも思わない。
遊んでくれるだけでも良い。
試してもらえるだけでも良い。
真剣じゃなく軽い気持ちでだと思われた方が良い。
大好きな思いを隠しながら
それを演じる健気さは
応援したくなる。
好きな相手には彼女がいる。
彼女がライバル・・・
気持ちを伝えてしまってからも
疎遠なることなく
話ができている状態が
緊張感あって好きです。
勃ってくれただけで十分って
いうセリフ大好きだな。
そこが重要だもんなやはり。
彼女よりもすきになってもらいたい。どうすれば良いのだろう。
当然だけれどストライクな悩みが心地よい。
未経験のクセに遊び人ぶって後輩の池内を誘った篠田。
身体の関係だけで良いと思っていた篠田。
健気な篠田に惹かれた池内は彼女とわかれて篠田と付き合うことに。
ネガティブ思考な篠田が、ことあるごとに思い詰めて、変な方向に暴走するのが健気で可愛い。ちょっとウザいけど(笑)
くっついてからの二人はといえば、なんだかんだいいつつ池内も篠田にどっぷりはまっていくのが微笑ましいですvv
紺野作品には女の子もフツーに出てきて、それが嫌味なくかわいいところも好きです。