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表題作セラヴィ・ベイビー

室生史記/27歳
中谷玲二/17歳

あらすじ

社長の欅から炭素を栄養源とする青い箱を預かって室生が自宅兼仕事場に持ち帰ると、箱は音声認識する知生体であることが判明。助手の玲二がセラヴィと名づけ意思疎通も完璧となったが、取り戻しに来た欅に破壊されてもカケラからチビセラが再生して・・・。やんちゃなオチビさんの育児に悪戦苦闘する2人は!

作品情報

作品名
セラヴィ・ベイビー
著者
たけうちりうと 
イラスト
ハルノ宵子 
媒体
小説
出版社
成美堂出版
レーベル
クリスタル文庫
発売日
ISBN
9784415088297
4.6

(3)

(2)

萌々

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(0)

中立

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趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
14
評価数
3
平均
4.6 / 5
神率
66.7%

レビュー投稿数1

明るく複雑な子育てBL

セラヴィベイビーとセラヴィキッドが出てますが、どっちが先かな?て思ったら、これは謎の生物(?)セラヴィの成長記録というちょっと変わったお話なんですね。
ベイビーが赤ちゃんでキッドが子供の時の話。

これほんとにBL?みたいな印象の作品ですが、ちゃんとBLでした。
すごく萌えれたしきゅんとした。
設定もなかなか奇抜で楽しめました。これもある意味、子育てBLといえるかも。

山奥のオフィスでとあるIT会社の囲われ社員として暮らしている元ハッカーの室生と、その助手であり天才少年の玲二は、ある日会社の社長である欅から謎の箱を預かります。
これまで何人も殺してきた(?)という謎の箱。
炭素を食べ、人の考えを読み取り、電流を放つその箱はセラヴィと名付けられて2人に育てられます。

この箱が何なのか、は説き明かされないのですが、シリアスというよりドタバタコメディー調で、箱なのに人を好きになったり嫌いになったり、作文を書いたり…。
次第に家族みたいになってくるのが、とても可愛いです。

室生と玲二は歳が離れた愛人の関係にありますが、2人とも割り切った性格で意地っ張りで素直じゃない。
自分が普段好んで読む歳の差カップルは、世話好きなしっかりした大人×健気な少年という感じなのですが、このカップルはあんまり見ない組みあわせでした。このカップルが面白くて萌えれます。

室生はベッドでは主導権を取り、変態おやじぽいところがありますが、そうかと思えば健気なところもあり、考える事が面倒でいつも何もかも玲二まかせ。どこかツメの甘いところがあり、結局は玲二に弱い。
玲二はしっかりしていて何でもそつなくこなしてしまって、自分の弱さは絶対見せない強気(というより頑固)なキャラです。そして恥じらいはあんまりなくて寝るのも大好きという感じ。

室生は昔、社長である欅に飼われ調教されていた過去があります。
受け役も攻め役もどっちも出来る攻めキャラて珍しいですね。
欅と室生の関係がとても複雑で倒錯的。
攻めキャラなのに、欅の前ではとても受けキャラぽいというか、可愛い感じです。
それを玲二はやきもきし、嫉妬して室生を守ろうとするのも可愛いです。
健気とは程遠い少年キャラだと思います。作者さん曰く受けに向いてないキャラだそうですが、でも2人はきちんとお互いを守りあって生きています。

セラヴィのお父さんが玲二でお母さんが室生だと欅は言いますが、たしかにそんな感じです。

今は室生は玲二と幸せですが、切っても切れない室生と欅の間にあるものは不謹慎ながら、玲二と室生のカップルよりも萌えてしまいました^^;
酷いことしかされなかったのに、ドロドロのまま終わった関係なのに、今更「今も好きだ」って言われる展開にものすごく弱いです。じゃあなんであの頃優しくしてくれなかったんだ!て思いますが・・。
欅のひねくれすぎる性格がとても楽しかった。

内容は事件を解決していくドタバタものでした。次作も読みたいな~と思える面白さでした。
だんだん知恵をつけて言ってるセラヴィに振り回される2人が次も楽しみです。

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