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表題作ソウル・トライアングル

紀ノ本篤彦/25歳/整形外科医
神代出/17歳/高校生霊媒師

あらすじ

誰よりも愛した義理の弟・眞斗の自殺の真相を知りたい一心で霊媒師の元を訪れた篤彦。眞斗があの日しめした愛情はどういう意味だったのか、死に至る動機にそれは関係していたのか。深い喪失感と罪悪感に苛まれる篤彦を癒してくれたのは無邪気な高校生霊媒師・出(いづる)だった。

作品情報

作品名
ソウル・トライアングル
著者
有田万里 
イラスト
栗山アニー 
媒体
小説
出版社
成美堂出版
レーベル
クリスタル文庫
発売日
ISBN
9784415088310
2.5

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萌々

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
1
得点
4
評価数
2
平均
2.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

弟と兄と霊媒師と

奇妙な三角関係を描いた作品。
プロのテニスプレイヤーである弟、眞斗が自殺し、どうしても納得できない主人公の篤彦は霊媒師である出に眞斗を呼び出してもらいます。

篤彦は25歳、眞斗は18歳、出は17歳。
眞斗は兄弟なのに篤彦が好きだったと告白し、篤彦も実は言えない思いを眞斗に抱えていたと告白します。
そこから死者を挟んだ奇妙な三角関係が始まるのですが…。
暗いお話ではなく、眞斗が明るいからか、けっこうサクっと軽く読めました。
けれど出も篤彦に想いを寄せ、篤彦も出を愛するようになるのでお話はこんがらがります。

素直にせつない三角関係だとか、純愛を描いた作品だとか私は捕らえる事が出来ず、篤彦の考えていることも眞斗の考えていることもよくわからないままでした。
ネタバレになりますが、出の体を乗っ取って暮らしていくという眞斗に、篤彦は頼むから成仏してくれと頭を下げます。出を愛してしまったからだと。
でも、眞斗にお前だけを愛してる、ずっと、愛してたって言ったのに・・・。
兄として眞斗を愛しているのは十分伝わるのですが、セックスまでしたのにそんな…^^;

生きてる人の気持ちは変わるものだというのは正論ですが、ここでそれを言うとなんとも軽い男!て感じでした。
兄を愛してると言っていた眞斗も、実は海外に彼氏がいて、しかも本来の目的であった自殺の真相がこれまた何とも複雑な真相でした。
そういう理由で死を選んでしまった人が世の中には本当にいるんでしょうが、このお話のオチとしてはどうなんでしょうか。

兄を好きだと言った事もどこまで本当だったのか、それすらも覆すような結末だったので、よくわからない人間関係、コロコロかわる気持ちに一体これは何だったんだ??と混乱してしまう作品でした。

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