• 紙書籍【PR】

表題作不条理の関係―平八郎シリーズ

村上浩司・会社役員
山沖翔太・中学生

同時収録作品不条理の関係

白次朋哉 高校教師(32歳)
進藤平八郎 翔太の叔父・塾講師(33歳)

その他の収録作品

  • 不条理なキスの行方
  • あとがき

あらすじ

父親が叔父・平八郎の写真を隠し持っているのを知り、二人の関係を疑い始めた15歳の山沖翔太。
言い知れぬ嫌悪に苛まれ、真相を確かめるべく父の友人・村上に近づいた翔太は、彼に心奪われ、周囲の不安をよそに、危うい恋にのめり込んでゆく・・・。
ファン待望の村上×翔太、書下ろしを加えた大増ページで、BBNに登場!!(裏表紙より)

作品情報

作品名
不条理の関係―平八郎シリーズ
著者
鹿住槇 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
ビブロス
レーベル
ビーボーイノベルズ
発売日
ISBN
9784882714880
3

(2)

(1)

萌々

(0)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
1
得点
5
評価数
2
平均
3 / 5
神率
50%

レビュー投稿数1

救済する必要あんのか!?

村上を!と思ってしまった時点でもう無理でした。

こちらは、朋哉×平八郎をメインCPにした『平八郎シリーズ』のスピンオフです。向こうで悪役(私にとっては悪役でしかない)だった村上(攻)と、同じく(私にとっては以下同文)山沖の息子であり平八郎の甥である翔太(受)がメインです。
本編CPも山沖も出て来ます。

もともと私は、いわば敵役・悪役ポジションのキャラクターをメインにしたスピンオフが好きではないんですよ。それでも大抵は読んでしまうんですが、その結果いいと思うことはまずないですね。

なんというか、これに限ったことではないんですが、メインに成り上がっていい男に描かれていればいるほど(イヤ、私はこちらの村上がいい男だとはカケラも感じなかったが)、本編を思い出して胡散臭くなるだけなんですよね。なに綺麗事言ってんだよ!とシラケてしまうんです。

ストーリーは、スピンオフとしての背景を(強引に)無視すれば、超年の差・ショタ受という設定自体は好みとは言えませんが、40代の父親の友人が15の子どもにという意味では別に嫌悪も感じません。

ただ、この2人のキャラクターも関係性もどうしても受け付けられなかっただけです(←Hがどうのではまったくなく)。会話のひとつひとつまでがいちいち気持ち悪くて堪りませんでした。こんな嘘くさいラブストーリー(ラブストーリーなんでしょう、きっと)読まされて辟易しましたよ。

何よりも、村上が過去のアレコレを完全に終わった他人事みたいな顔してるのも、翔太が(というより作家さんが翔太の口を借りて?)村上を擁護しようとするのももう我慢ならない。
いやそれ以前に、なぜ事情を知っても翔太が村上を?というのがいくらなんでもご都合主義の極みだろう、と到底ついて行けませんでした。

もしこれが、単なる『村上救済』で相手を他から持ってくるんなら、なんとか本編と切り離して考えられたかもしれません。たとえCPの年齢設定は同じだったとしても。←好きになれるかは別問題。
でも、村上×翔太では本編との繋がりが深すぎて、必然的に(私の大キライな)本編のドロドロも引き摺ることになってしまっているんです。

イヤもううんざりです。村上が(結果的に)持ち上げられてるのも不快ですが、私はそれ以上に脇だけど山沖がダメ。コイツ心底気分悪い。この2人が生理的に何をどうしてもダメなんです。

とりあえず、朋哉×平八郎のラブ面だけのために読んだんだ、と自分に言い聞かせています。

う~ん、あえて言うなら(『禊は終わった』とでもいうが如く)まるで何事もなかったかのように村上の過去の所業が肯定されてたら・・・それこそ平八郎が『過去のことだから』で済ませて村上を許していたら即投げてた、確実に。そうはなってなかったことだけが救いでした。

それでも、トータルの評価としては『しゅみじゃない』しかあり得ません。
これは、鹿住さんで個人的に最低クラスのシリーズだと思っています。もちろん私の好みにおいてであって、作品としての出来不出来の問題ではありませんので。

個人的には、本編のメインキャラクター以外何ひとついいところがない・感じられないシリーズですね。というより、私には今作がホントにラブストーリーと言えるのか(そしてハッピーエンドなのか)からして疑問です。端々に強引・無理矢理感が漂うんだけど。

一応フォローしておくと、このシリーズはともかく鹿住さんは結構好きな作家さんなんですよ。

1

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP