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一般少女漫画家が、ここまでBLを描いてしまったら、
BLだけ描いてる漫画家は、これから何を描けば良いのだろう!?
思わず…こう呟きたくなるほど、鮮烈な男色ドラマなのである。
そう…この漫画が掲載されたのは、BL誌ではなく少女漫画雑誌「凛花」創刊号からだった。
この雑誌「凛花」が創刊された頃の少女漫画誌は(というか小学館の少女漫画誌は)、
はっきり言って(JUNE世代的腐女子には)かなりつまらなくなっていた時期なんです。
24年組の絢爛豪華な執筆で有名な、80年代の伝説的少女漫画誌「プチフラワー」が、
2002年あたりで「フラワーズ」にリニューアルされたあたりから、
急速に普通の少女漫画誌と化してゆき、読み応えが無くなってきた時期なんである。
そんな数年後に満を期して創刊された「凛花」の中でも、
ひときわ80年代的耽美の薫りが高かったのが、この「櫻狩り」。
実際…少女漫画誌で、ここまでやっていいの?的ショッキング展開なのですが…
作者的にはあくまでも「BLではなく人間ドラマ」であるとのこと。
お話としては、大正時代のとある華族の名家に秘められた倒錯した人間模様と、
その中に関わるひとりの書生さんの、愛憎劇…なのですが。
そのドロドロとした(くどいまでの)ドラマ展開は、昼ドラを通り越して、
菊池寛の「真珠夫人」ばりの重さアリ、どんでん返しアリなんです。
BL的「萌えドコロ」は、さらりと外しているにも関わらず…
JUNE的「耽美の欠片」だけを、後に残して去っていくような~
結果として、「少女漫画でもなくBLでもない」人間ドラマができちゃった…という感じ。
80年代的匂い系の薫りが、とてもとても濃厚なんである。
でもそれは「香りを連れてくる」的、取ってつけたようなワザとらしさじゃなくって、
「香りがついてくる」ような、計算されつくしたような完成度!
例えるならば「香水の使い方が極めて上手な女性」のような、
緻密で巧妙で、ひどく鮮烈な作品とでも言うのだろうか。
年末の大掃除をしている最中に、
本の整理をしている時、昔読んだ本をついつい読み出して止まらなくなることってよくありますよね!?
というわけでついつい読み返してしまった本の感想を書いてみましたwww
こちらの作品はノスタルジック+暗くじめっとした陰湿な雰囲気を持っています。
エロ・グロ・耽美が詰まった大正浪漫系BL!!
攻めの執着と受けの純粋さが絶妙な全体的に大変病んでる漫画でございます。
受けの田神の友達以外、ほとんどの登場人物が病んでます。
櫻子様もキャラが昼ドラ系ドロドロの中身でいい味を出しておられる。
これ現代だから発売出来る内容ですよねwww
私は病んでる系やエロ・グロ系は苦手なはずなんですが、
ちゃんと読めました!さすが渡瀬先生。
漫画的な美味しい展開の仕方に卒がございません!!
そういう意味では読んで安心の内容です。
本当に内容は大変病んでおります。
読んだことのない方で挑戦して見たい方がおられましたら是非ご一読なさってみてください。
こういうのに慣れている方は意外と大したことないと思われます。
この手のお話にはよくあるお約束の展開が満載なので。それでも是非読んで欲しいです。
なぜって、絵が綺麗で耽美ですし、割と雰囲気に浸れると思いますので。
一般作品を描かれる漫画家さんがBL作品を描くと超名作になる…という話をちるちるの掲示板のほうでしたことがあるんでますが、この作品もまさにそんな感じだと思いました。
背景をしっかりと作りこんでるのが伝わってきます。
萌え要素には一切こだわっておらず、作家さんの「描きたいものを描いてるんだ」っていうのが伝わってきて、それがゾクゾクするほど面白いのです。
BL漫画家さんなら必ず入れるであろう「萌えを演出する描写」みたいなものが無いぶん、BLを読み慣れた人ほど新鮮で、逆に萌えるんじゃないかなァなんてことも思いました。
時代背景も好きです。
小説ですが、秋月こおさんの『大正青夢譚』シリーズや、かわい有美子さんの『今、風が梢を渡る時』を思い出しました(どちらも名作です。この時代に萌えるという方には心からオススメします)。
お話じたいはまだまだです。
この巻は伏線を引くだけ引いてる巻です。
とにかく続きが気になります。
少しずつ心を通わせていく主役ふたり。
あたたかくて微笑ましいのに、痛いほどの切なさを感じるのは、今後起きる悲劇、そして明らかになっていく過去の悲劇を予感してしまうからでしょうか。
そして衝撃のラスト。
中巻を買いに走ってしまうこと間違いなしです。
はじめまして★
純情ロマンチカ好きのあさみんと申します。
もしよかったら私のレビューにコメントください!!!
時代背景を考慮したキャラの作り込みはもちろんですが、「語り方」が巧みです。
すなわち画面の作り方がすごい。明喩・暗喩を含む演出、構図、コマ割りがバシバシ決まってます。そしてその意図が読み手に良く伝わってくる判りやすさ。
アニメを観ていて「うわーコンテ上手いなあ」と思う時と似た感覚です。読んでいて心地良い。
長編のメジャー漫画をずっと書かれてきた先生はやっぱ違うんだな…と思いました。(とはいえ現在連載中の少年漫画しか読んだ事はないのですが。)
話の方に触れていないのですが、一人の妖婦ならぬ妖夫と彼に翻弄される少年の運命といったところでしょうか…というところで中巻へ。とはいえもう下巻まで読み終えてはいるのですが。
不謹慎にも萌えポイント。
袴の裾から…と、鉛筆銜え視姦と、寝顔観つつ腕を握り締める、の3点です。
さーて次巻は?
間もなく完結の下巻が出ると言うことでおさらいをば・・・
時代は大正デモクラシーの頃、関係は主従とBL的にも萌え要素で構成された作品ですが、何よりBLではない作家さんが、自らの思うままのストーリーで作られた作品ということで、結果そんな要素も入っているということになっただけのことですが、とにかく魅せる・読ませる!
その人間関係、主人公達の気持ちの行方、因果関係、まだまだ含みを持たせた展開にくぎ付けになること必至です。
後は帝大を、その為の一高受験へと上京してきた田上正崇が、あるきっかけで書生住込みすることになった華族の家での因縁まつわるその複雑極まるドロドロした関係にひきずりこまれていく話。
西洋人形とあだ名される蒼磨の持つ暗さと魅力に囚われた人々が次々と死んでいく不可解。
彼には誰もが口を閉ざす過去がまとまりついているのだが、それを知らない正崇の純粋さ、白さが、蒼磨の救いになっていたのだろう。
しかし、亡くなったとされる櫻子が出てきたことで、この少女の存在もまた不気味さを増して、キーパーソンとなっている。
正崇の潔癖さは正常なはずなのだが、読み進めるうちに、蒼磨の暗い部分に引きずり込まれて、自分でさえ、正崇のまっすぐさがまぶしく感じるほどだ。
一体この本のラストは一体どこへたどり着こうとしているのだろうか。
魅力にあふれた奥が深い作品です。