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表題作瞳をすまして

大学生モデル、本多滋人
聴覚障害のある大学生、牧野登和

同時収録作品さまよう涙

その他の収録作品

  • 心をつないで
  • あとがき

あらすじ

聴覚障害のため、音が聴こえない大学生の牧野登和。過保護な兄と優しい友人に守られる日々を送っていたある日、モデルをしている本多滋人と知り合う。明るく社交的な滋人と過ごす時間は楽しく、彼の存在が、登和の中で次第に大きくなっていった。一方で滋人が自分に構うのは同情ではないかという不安を抱くようになる。滋人への恋心を自覚した登和は、誰にでも優しい彼の「特別」にはなれない現実に心が痛み、距離を置こうと決意するが…。
(出版社より)

作品情報

作品名
瞳をすまして
著者
杏野朝水 
イラスト
やまがたさとみ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
瞳をすまして
発売日
ISBN
9784344813298
2.8

(16)

(1)

萌々

(2)

(8)

中立

(3)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
6
得点
40
評価数
16
平均
2.8 / 5
神率
6.3%

レビュー投稿数6

二人を応援したくなるような作品です

聴覚障害者の主人公の戸惑いや、耳が聞こえないことの不自由さや、コミュニケーケーションをとることのわずらわしさが、うまく表現されていました。
コミュニケーションに携帯電話をつかって文字入力しますが、そこはゴシック太字を使ってあって、携帯電話の画面ぽい雰囲気がでていたし、手話での会話は二重括弧、そして自分ではきこえないけど、口の形で覚えた言葉をはっするところは、かな文字をつかって、音が不明瞭であることをあらわしてあります。
障害をいかに表現するかの作者の工夫が盛り込まれていて、細やかな表現に感嘆しますよ。
うまくつたわらない思い、うまく出てこない言葉は、まるで遠距離恋愛のようないじいじ感がありました。
過去になにかあったらしい兄の強固な反対にあうし、恋人が遊んでいるといううわさを聞かされ、二人の間を壊そうとする友人が現れるしで、なかなか波乱に富んでいますが、それでもがんばろうとする主人公の姿に、読者も応援したくなります。

4

これからが大事

このお話は、題名買い。耳をすますんじゃなく“瞳をすまして”なんですもん。ちょっと気になってしまいました。つけた人の勝ちです。

あらすじでもおわかりのように、聴覚障害を持った大学生・登和とモデル・滋人のお話です。
家族や周りの人たちに大事に大事に育てられたため、世間知らずというか無防備というか。
そんなところが可愛いんだと思いますが、見かけだけじゃなく性格的にも無防備すぎました。
書き下ろし分では「遊ぼう、滋人のことを聞かせてあげる」と滋人のモデル仲間から誘われたら、簡単には断れなくて一緒に出かけちゃって。
そして、部屋に連れて行かれ乱暴されそうになって。

障害を持つ登和ですから、コミュニケーションがとりにくいのは仕方のないことで。
お互い努力しないと、気持ちのすれ違いは、当然のように起こるわけです。
回りからの雑音ばかり聞こえてきて、滋人の人となりを見ていなかったと気が付いた登和は、滋人とちゃんと話がしたいと、兄の苦言を振り切り滋人に逢いにいきます。
やっと思っていることを打ち明けるふたり。
何でもできるような滋人も、前向きで努力を惜しまない登和に魅了され、登和にふさわしい人間になりたいとモデルの仕事を頑張り始めたんです。
いつまででも『来るもの拒まず』では、登和にふさわしいとは言えないし、登和の兄が反対していることも知っていたし。
また、登和は登和で、もてる滋人を独り占めしていいものかどうか、とかまぁ、いろんなことをお互いがそれぞれ悩んでいて、自分の中に抱え込んでいたことがすれ違いの原因なんですよねぇ。
ふたりとも、お互いが特別で大切で大事で。一所懸命なところが大学生らしくて、可愛いお話でした。
とにかく、自分のことしか目に入っていなかったから、相手が何を思っているか、考えているかってことに思い至らなかったんでしょう。まぁ、まだ大学生ですから。
これからいろんな経験をしていけば、どう相手を思いやれるかと言うことも、自ずとわかると思います。

3

聴覚障害者の恋…迷ったんですが、中立で

こういう作品の評価を低くしてしまうのって、罪悪感めいた気持ちがわいてしまうんですが、そしてそんなふうに思う自分がイヤなんですが、中立で。
聴覚障害者とイケメンモデルの恋。
イケメンモデルが聴覚障害者な主人公に惚れて、プッシュプッシュ!みたいな。
表題作はそこそこ面白かったです。気持ちが繋がるまでの葛藤に、キュンメーターがピコーンピコーンと作動しました。
けど、出来上がったあとの続編たちが、苦手すぎる展開で…。
聴覚障害者を、純粋で無垢の象徴みたいな扱いにしてるのも苦手だったんですが、たかだか20歳前後の少年に永久の責任を追わせようとするような、そしてそれを誓うことこそが真実正しいことなのだというようなストーリー展開に、モニョモニョしてしまいました。

弟を溺愛する兄萌えもしなかったなァ…。
兄萌えする場合もあるから、このあたりビミョーなんですが、この作品では『小姑かよ』と思っちゃった。

5

これ評価が難しいなー

こういった設定の人物が出てくる作品を読む場合ってやはり無意識にハードルを上げてしまうんじゃないかなと思う訳です。

うーん、登和[受]が「聴覚障害者」でなければ平凡な大学生とイケメンモデルとの恋としてスッと素直に読めたかも。
そこに聴覚障害という設定が入ってきた為に読む方もこう構えてしまう部分があるんじゃないかな。
そうするとやはり都合良過ぎるんじゃないかとか、その設定が無ければ気にならなかった細かい点も気になってきちゃってというのがあると思います。
だからと言って「これは軽く書いていい設定じゃないのよ!」って訳じゃなくてむしろもっと気軽に普通に出てきてもいいと思うし、本来ならそこでハードル上げる必要無いし。
登和の設定をあまり重く考えず、一旦頭をフラットにしてからその上で、モデル兼学生で一見派手に見えるけど実は優しい滋人[攻]と登和とのラブストーリーを楽しむのがいいかも。
でもそれってなかなか難しそうな気はするんですよねー。
書いてる事が矛盾してますが、あえて難しい設定を主役にしたのは評価するんですが作品としての雰囲気がちぐはぐってる感は自分的には否めませんでした。
ただ、だからといってリアルにもっと重く描いて欲しいっていうんじゃないんですよ、良い例えがパッと出ないんであれですがそんな感じです。
ブラコン気味の登和の兄はなかなかツボでした。萌としてはちょっと色々足りないです、中立と萌の半分位の中立。

2

なんでかよくわかないうちに出会って恋して絆を深めていきます

本多の登場が唐突で、友人から聞いて登和がハンデイがありながらもが頑張る努力家だから会いたくなったと言う。
本多はモデルとしても有名な学生で華やかな外見と交友関係。
友人付き合いが始まってすぐ両思いになってラブラブなふたり。
急展開すぎ。
登和がとってもいい子で地味に見えて実は結構可愛いのはわかりましたが、それであっという間に恋に落ちて晩生の登和が迷いもなく関係を持というのも違和感があり展開についていけない感がありました。
お兄ちゃんの心配と怒りがよくわかって、ぼんやりしてる弟を叱ってやりたくなりました。

1

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