10年前よりも、昨日よりも、今が恋しい

帝都万華鏡―たゆたう光の涯に

帝都万華鏡―たゆたう光の涯に
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神1
  • 萌×25
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  • 中立0
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レビュー数
3
得点
28
評価数
7件
平均
4 / 5
神率
14.3%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
講談社
シリーズ
X文庫ホワイトハート(小説・講談社)
発売日
価格
¥580(税抜)  ¥626(税込)
ISBN
9784062865630

あらすじ

三十路(みそじ)に入り、編集者として多忙な日々を送る高市京介(たかいち・きょうすけ)と、詩人としての地位を得つつある石木琢馬(いしき・たくま)。しかし琢馬は、まだ誰にも告げられぬ事実を胸に秘めていた。変わらないはずの世界が、すこしずつ歪んでいく――不安を抱える琢馬の前に突然現れた京介の後輩、美作重三郎(みまさか・じゅうざぶろう)。美作の挑むような視線に琢馬は心惑わされる。そして、予想だにしない事件が彼らを襲う。 
 濃艶なる大正浪漫シリーズ、いよいよ最終章!
出版社より

表題作帝都万華鏡―たゆたう光の涯に

編集者:高市京介
詩人:石木啄馬

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レビュー投稿数3

堅実なシリーズ集大成

シリーズ四作目は、第一作目の京介×琢馬の続編。

スランプと亡き妻への罪悪感に苦しむ琢馬(受け)。
京介(攻め)に縁談が来たことも手伝って、何となく京介と疎遠になってしまう。
すれ違いつつも、互いのため覚悟を決める二人の姿が感動的です。

縁談関係ですれ違うというパターンは、すでに二作目と三作目で使われているため、ややマンネリ感があります。
しかし、大正時代を舞台に男同士の恋を描くとなると、これは避けて通れないテーマなのかもしれません。

このシリーズの中で最もいいなぁと思ったのは、京介と春洋の友人関係。
言いたいことを言い合って、ときに拳が出てもお互い水に流す。
気障な二人が、互いにだけ弱味を見せ、さりげなく支え合っているところも良かったです。
お前に惚れりゃあ良かったよ、なんて台詞が出てくるほど仲の良い二人は、色男同士で確かにお似合いですが、この雰囲気は友人だからこそ出せるんだろうなと思います。

そんな二人の間に割って入る紘彦を、春洋がスパッと諌める一連のシーンにも笑わせてもらいました。
最後にこんな微笑ましいやり取りが拝めるなんて、ここまで読んでき続きた甲斐があるというものです。

思えば一作目読了後は、各巻ごとに違うカップルが登場する群像劇風のシリーズ展開を期待していたため、三作目以降の展開にはいささか拍子抜けしました。
しかし、メインとなる登場人物が限定されたことで、ミクロな視点を通したきめ細やかな心理描写が可能となっており、これはこれで読み応えあるものとなっています。

シリーズとしては番外編でもう一冊、別カップルの話がありますが、ここまでの二組のカップルの話はここで終わりです。
大正の四人の男性の半生を描いたシリーズ集大成に相応しい、地味ながら味わい深い続編でした。

2

難しい2作目を地で行く

シリーズ4作目だが、京介×啄馬としては続編に当たります。
おぼこい青年であった啄馬が一途攻めの京介とようやく結ばれた前作。
今作ではつきあう恋人同士ならではの葛藤を描いています。特にストーリー全体に山があるわけではないので、連ドラのような平坦な印象。京介の見合い話が持ち上がったり、啄馬が書けなくなったり、当て馬が登場したりと色々な邪魔が入るもハッピーエンドな展開。

当て馬くんは啄馬を牽制しに来るのですが、割と早い段階で誰に気持ちがあるのかは分かってしまいます。

まあ、最後の締めくくりで一応のカタルシスは得られるものの、作品としての満足度はあまり高くなく、続編だから読んだ、という感じ。
啄馬のスランプは特に解決せず終わります。物書きなら現実問題かと想像しながら読みましたが、その辺の落ちのつかなさもありちょっと辛い評価になりました。

0

シリーズ最終巻

とうとうこのシリーズも、これで一応の区切りだそうです。
『桜の頃を過ぎても』で恋人同士となった啄馬と京介のその後が描かれます。

前作では妻の死で弱っていたところを京介に絆され流されて、
彼の思いを受け入れたかのようにも見えた啄馬でしたが。
ちゃんと啄馬も京介に対しては熱い思いを持っていることが、
この作品で判りました。

啄馬が初めてのスランプに陥り、それを京介に相談できずにいる時。
京介も仕事が忙しくなり、啄馬と会えない日が続く。
そして京介の見合いの噂に、京介の帝大時代の美作が、
二人の関係に割り込もうとします。

時代は大正です。携帯電話もありません。
なかなか会えない時間は、お互いを不安にさせ、擦れ違ってゆきます。
その不安の中で、啄馬が京介に対して驚くほどの熱情を持っていた事を自覚する
展開がツボで、萌えました。

あとメインカップルではないですが。
春洋に柿を食べさせる京介が好きです。
これは今さんの挿絵も良かった!

そして最終巻でも詳しく語られることがなかった京介の兄(大介)の話……
大介の過去、伊部とどういういきさつがあ続きったのか、とても気になります。
いつか番外編か何かで、書いて頂きたいと思いました。

2

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