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表題作ホタルノカタコイ

緒方継晴,33歳,訳ありの何でも屋
伊東夏樹,17歳,高校二年生

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

高校生の夏樹は高原でのバイト中に出会った緒方に恋をする。まっすぐ想いを伝える夏樹に、緒方も応えてくれたはず、だったのに―?
出版社より

作品情報

作品名
ホタルノカタコイ
著者
真崎ひかる 
イラスト
小椋ムク 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344814431
2.8

(11)

(0)

萌々

(2)

(5)

中立

(4)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
5
得点
27
評価数
11
平均
2.8 / 5
神率
0%

レビュー投稿数5

逃げるな、攻!

大変、真崎さんらしい作品だな~と思いました。かなり好きです。

過去の因縁ともいうべき事柄は、読み手にはまあ早くから想像はつくんですが、それが2人の関係には非常に大きな障壁となるんですね(実際、あっさり流せるようなことではないですしね)。

夏樹(受)は健気なんですが、それだけじゃなくて、結構自分から動くんですよ。ぐるぐるもするけど、ただ待ってるだけではないんです。一生懸命でいい子でした。

緒方(攻)がヘタレすぎだろ!というのはあります。ヘタレは大好きなんですが、緒方のはちょっと・・・ヘタレというか、逃げじゃないのか、と思えてしまったんですよ。気持ちは分からなくはないですが、やっぱりずっと年上なんだし、少なくともきちんと謝罪がないと、とスッキリしませんでした。

あとはラスト、ここで終わるのか~とちょっと残念でしたね。まあページが無理だったんでしょうが、思いが通じ合った後のラブラブが見たかったですね~。

イラストは雰囲気ぴったりでよかったです。

1

かわいいけどアッサリ

高2にしては華奢で小さい夏樹
友人に誘われ、軽井沢のカフェで住み込みバイトをすることに
バイト先のカフェで10日分のデリバリを頼んできた、芸能人みたいな長身で整った顔の男・森下
届けに行った先のコテージには、また雰囲気の違う、長身の男前・緒方と犬がいて、、

前半の軽井沢での出会いとか、挿絵と雰囲気ぴったりなカワイイお話
で、冒頭のネタ振りと絡んで、東京に帰ってから色々怒濤の展開があるのだが、、、
せっかく波瀾万丈な設定、こんなにアッサリ収まっちゃって良いの?
何か、もったいないような
でも、前半のカワイイ雰囲気をわざわざぶち壊しにしないで、この位の不幸の方が軽い読み物としてはいいのかもしれない。
真崎さんの作品って、他は多分、白雨シリーズ位しか読んでないような気がするけど、アレも登場キャラ達、かなり悲惨な背景をしょわされている割に平静な感じだったから、そうゆう持ち味の作者さんなのかもしれない。
ま、ドロドロがよければ、他を当たればいいんだし。

挿絵の小椋さんの描く、華奢い17歳がリアルに細くてカワイイ
ちっさいお尻で、腰履きってよりただ細すぎてずり落ちちゃってる風なジーンズの後ろ姿とか

これ、CDで聞くとしたら
森下は鳥さん!で断言しちゃうとして
緒方=堀江一馬、夏樹=岡本信彦 的な、新鮮な感じの組み合わせで聞きたいなぁ

2

ヘタレな攻めに蹴りを入れろ!

夏休みの2週間、友人・市川と一緒に避暑地でバイトをすることになった高校2年生の夏樹は、デリバリーの届け先にいた緒方という男と出会います。
見た目は芸能人かと思うほどかっこいいけれど、ぶっきらぼうで不機嫌そうな表情でちょっと近寄りがたい雰囲気を持っている緒方ですが、転びそうになった夏樹を庇ってくれたり、ケガをした夏樹を手当してくれたり、優しさに惹かれ始めます。

緒方への気持ちを自覚し、黙って恋に身を焦がす(これが題名になる“ホタル”ですね)よりも、ちゃんと言葉にして伝えるんです。
こういうところは潔いなぁ~って思いました。ウジウジ考えて、何にも言わず後悔する受けちゃんよりも、当たって砕けろっていうのは、好感が持てました。
緒方も、言葉にしては言わないけれど、抱きしめたりキスしたり。すごくすごくいい雰囲気になります。

そしてバイトが終わり、家に戻っても緒方との付き合いは続くと信じていた夏樹ですが、彰からに避けられているのを感じ、直接緒方の職場へ出かけたり、引き取られている伯父からとあるものを見せられたことで、緒方と夏樹との因縁を知ることになるのです。

実は、このお話の冒頭、二人の卒業間近の大学生が交通事故を起こしたシーンが書かれているんです。この二人は誰なんだろ~? 何のために書いてあるんだろう? と思っていたんですが、まぁ、途中で気が付くわけですよ。
ですが、なかなか出てこなくて、ようやく出てくると悲恋へと行くわけです。

「好きになって、ごめんなさい」
という、夏樹のセリフは、健気受け好きの私にはずどーんと来ましたよ。
責任を感じている緒方に「好きになってくれ」とは、もう言えませんよねぇ。
自ら身を引く夏樹が、健気で。伯父の家だって、もう居場所がないのにねぇ。これから、どうやって生きていくんだよ! って思っちゃいましたよ。
そして、1つ上の従兄から暴力を振るわれそうになり逃げ出したけれど、やっぱり自然と足が向いたのは緒方のところです。
本当に逃げ場所がないんですよ、夏樹には。
こんな夏樹を見て、やっとですよ、緒方が決心したのは。

遅い! 遅すぎる。
好きなら、被害者だの加害者だの拘らず、前向きになったらいいのに。二人が幸せになれるよう、頑張ろうって気にならなかったのかなぁ。逃げるだけじゃダメだと思います。
あまりにヘタレな緒方を蹴飛ばしたくなりましたよ。
15歳くらい年の差がある二人だから、自分の気持ちで突っ走れる男前な夏樹と、現実的で大人でちょっとへたれな緒方とで、バランスが取れているんでしょうけど。

やっと幸せになれるかなぁ? ってところで終わってたのもちょっと残念。
ほのぼのとした後日談も読んでみたかったなぁ。

1

夏休みを利用して、避暑地のカフェで住み込みのアルバイトをしていた夏樹は、デリバリー先で年上の緒方と出会います。
始めは無愛想だった緒方ですが、毎日同じ時間にブランチを届ける間に、ぶっきら棒ながらも少しずつ会話が増え、打ち解けていく。
やがて、夏樹は緒方に恋心を抱き、持ち前の素直さで正面からぶつかり、緒方もそれを受け入れてくれます。
そして抱き合おうとしたとき、緒方の友人の乱入で未遂に終わるのですが、一足先に東京に帰る緒方と連絡先を交換したものの緒方からの連絡はなく、夏樹が電話をしてもすぐに切られてしまい、夏樹は避けられていることに気づくのですが・・・。


冒頭に象徴的なシーンがあって、なんとなく「そうかな」というのは見えていますが、なかなかその隠された事実にたどり着かないんですねー。
過去にあった悲しい出来事が、偶然再び出会った二人の間に影を落すわけですが、その後の盛り上がりがちょっと欠けてましたかね。
何も知らない二人が惹かれあう部分がわりと長々書かれているんだけど、事実を知ったあとにもっと焦点をあてて突っ込んだ方が切なさも盛り上がったような気がします。

だって、これじゃ緒方がダメですよねー。
起きた出来事の大きさはその後の緒方の人生を変えたほどに重く、罪悪感も生半可ではないと思いますが、逃げるだけじゃいけません。罪悪感に苛まれながらも夏樹に惹かれる緒方の葛藤・・・なんかもあったら良かったのにな。
しかし、それにはページが足りませんね(笑)
「ホタル」も生かしきれてなかったような気がするし・・・。

しかしまあ、重くなりすぎず、ちょっと切ない感じを味わったということで、読むのは楽だったからいいかな(笑)。

3

その態度はどうなの緒方さん

ちょっと謎なお客・緒方×避暑地で短期バイト中の高校生・夏樹の、せつない年の差の恋。

いや~微笑ましい。
ムクさんのイラストが効果絶大でした。
まっすぐ背筋が伸びたような夏樹の健気な性格が、とにかくムクさんのほわんほわんしたキャラとぴったり。
心で思ってるだけのうじうじタイプの健気じゃなくて、気持ちを正直にさらけ出して攻めに向かっていける健気ちゃんはめんこいです。
素直さって一番凶器だ。笑 
というわけで二人が順調に両想いになるまではとっても微笑ましく読んでいたんですが、残念なことに後半で気が削がれてしまいました。

最初にあるシーンが挿入されているので、二人を繋ぐ過去については途中からなんとなく予測がつきます。
だから、きっと読者もいつか来る「その場面」に期待してるハズなんですよね。
でも鋭い玉が来るだろうと気合いを入れて構えていたのに、コロコロコロと玉が転がってきて拍子抜けしたというか。(わりにくい)
夏樹の事情には同情しますが、できることなら周囲から固めるのではなく、もっと二人のやり取りにフォーカスを絞った方が盛り上がった気も…。
駆け足気味な収束展開に、非常にもったいないように感じました。

あと、どうしても気になったのが事実を知った後の緒方の行動。
緒方の性格や年齢(33歳)と話の雰囲気を考えると、緒方のきっちりとした夏樹への謝罪のシーンがなかったのがひっかかりました。
個人的には土下座してもいいくらいでは?と思う。
夏樹から真相らしきフォローがそろっと入りますが過去の事実は変わらないのだから、夏樹の恋心でオブラートに包まずに、責任を背負う大人としての緒方の態度をもう少しシビアに書いてほしかったなあと感じました。

1

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