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死にゆく夏の、喘ぎにも似て

shiniyuku natsu no aegi nimo nite

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表題作死にゆく夏の、喘ぎにも似て

極道の竜二
直人の恋人で元教師・悠一

あらすじ

「俺と来るか」小さく、そう尋ねられて、悠一の瞳が揺れる。
男の巧みな愛戯に溺れて、躯が心を裏切ったのか。
それとも…。
男の名は竜二。
悠一の恋人である直人が少年院に入っている間、彼の面倒を見るようにと組が遣わした切れ者だった。
やがて七年の歳月が流れ、衝撃的な事件が悠一の身に起きる―。

※イラストは表紙のみ

作品情報

作品名
死にゆく夏の、喘ぎにも似て
著者
菅野彰 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
VelvetRomanシリーズ
発売日
ISBN
9784576940380
3.6

(5)

(1)

萌々

(3)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
17
評価数
5
平均
3.6 / 5
神率
20%

レビュー投稿数2

硬派な極道がここにいます

古き良きJUNE小説です。
ベルベット・ロマンの耽美小説シリーズは、文学と哀愁が漂っていて好きでした。
なんちゃってじゃない本物の極道漢の魂と純愛が、この本にはあります。
無理矢理というか痛めのH有なので、苦手な方はご注意。

極道・竜二 硬派攻め×直人の恋人で元教師・悠一 芯が強い受け
恋人の八尋直人は極道の父親を嫌っているが、暴力事件を起こしては最終的には頼る羽目に。
度重なる事件の所為で少年院に3年入ることになり、その間の恋人の世話を組の男の竜二に頼む。
直人がいないのが寂しくて身体を重ねるが、一緒に来るかと乞われても直人を見捨てられずに、手を取れなかった。
そして、7年後……。

恋に落ちたのは10年前で、恋だと気付いたのは、たった4日だった。
愛とも恋とも名前をつけられなかった思いを、悠一はずっと抱えていた。
直人がいないから寂しくて抱かれたと、自分にも男にもそういう理由をつけて誤魔化していたのに。
それが、恋だと気付いてしまった。気付いた時には、身動きが出来ない状態で。
恋人だった時もあったがいまでは依存となり、直人のことも悠一はいまさら捨てられない。

嫌がっていた親父の跡を継ぐと誓った時に、直人の子供時代は終わったのだと思う。
その時に、残っていたのは依存ではなく、愛で。
愛で縛りたかったのに、悠一からは同じ愛は返ってこなくて、それでもいいと昔の絆で縛りつける。
竜二は親父への恩義と坊への義理で動けないし、動かない。
自分が直人を歪めてしまったという気持ちから、悠一は関係から抜け出すことが出来ない。
あの時に言えなかった一緒に行きたいと言う思いを悠一が告げて、ようやく止まっていた時が動きだす。
三者三様の気持ちが複雑に絡み合うのが、とても切なかったです。
どちらも揺れるにたるいい男でした。
菅野さんの卓越した文章力は、昔からと言う事を深く納得させる本でした。

エロ:★3 直人の恋人なので関係があり、竜二とも関係を持つ描写有
総合:★5 耽美文学の一種です。ラストが素晴らしいです。

4

耽美

ベルベット・ロマンシリーズ。 冒頭から引き込まれる。ちょっと読みにくさを覚えたが、萌えは炸裂(笑)。

ヤクザのぼんと同い年の高校生。ジュブナイルから成長して大人になっていく間に起こった、いわばNTRもの。直人に抱いていた気持ちは同情だったと、竜二との恋を知った悠一は気付く。ラストは意外にもハピエンで少々肩すかし…。

耽美だったらメリバがよかったなぁ。BLへの移行時期ということで仕方なく呑む。刺青に萌える。

0

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