あなたも……、父と変わりない!

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表題作色彩の檻

有名画家・千代田敦之/画廊社長・霧島聖司
千代田敦之の息子で画家の卵・千代田夏貴・22歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

始まりは幼い頃。母が不倫相手と事故死したと知れた時から、千代田夏貴は父の敦之に肉体関係を強いられていた。尊敬する日本画の師でもある父に淫売と蔑まれながらも、悦楽に溺れる日々。そんな中、夏貴は『霧島画廊』社長・霧島聖司と出逢う。一目惚れだったと至極真っ当に誘ってくる霧島の存在は、夏貴の心に不思議と響いていく。だが、その変化に気づいた敦之は、いつものように夏貴を抱くところへ霧島を呼び出す。父に抱かれてよがる姿を見られた夏貴、そして霧島は――? 絶望の中で咲く恋の物語。
出版社より

作品情報

作品名
色彩の檻
著者
西野花 
イラスト
和田繭子 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576081601
2

(9)

(0)

萌々

(0)

(3)

中立

(3)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
2
得点
12
評価数
9
平均
2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

火曜サスペンスドラマ調

どうもコレを読んでいると、火曜サスペンス劇場のテーマが脳内ループするw
実の父(高名な日本画家)に性奴隷状態の息子もまた日本画家。
画廊の若き社長が息子に一目ぼれをして、さらっていき、甘い新婚生活スタート!
和服で登場ってのも、いかにも火曜サスペンス調。

3Pの持っていきかたも、ふた昔前のサスペンス劇場チックというか、
日活ロマンポルノというかw
そのチープさに妙な安心感があります。
なぜか、西野作品はやけに昭和の香りがするものありますねぇ。
表紙・イラストも、一瞬、JUNE期の大御所レーター、竹田やよい!?かと思った。

ついでだからトリビア。
いくら貧乏な日本画家でも合成絵具はあまり使いません。発色悪いし、膠との混ざりも悪いのが多い。
天然岩絵の具はたしかにスプーン1杯で5000円ぐらいするものもありますが、
それが買えないとなれば新岩絵の具とよばれる、ガラス被膜の顔料を使うのが普通。

作者の西野センセイ自身、墨絵と日本画の違い知らなかったって言ってるぐらいですから、作画シーンを出さなかったのは賢明な選択でしょう。
もちろん、常時和服着用の日本画家もフツーいませんが、
まあそこらへんは火曜サスペンスということで。

3Pはそれほど長尺ではないし、エロ率も50%ぐらい、
楽しい新婚生活っぽくて、パラパラ読むにはいいんじゃないでしょうか。

3

三角関係の結末は

こちらは2014年に新装版が発売されていますが、こちらは旧版。
日本画家の親子と画廊の社長である青年の三角関係…とまではいきませんが、3Pはあります。
父子の愛憎劇に第三者が介入という設定で、内容としてはべたべたかなぁと思うのですが、なぜか西野さんの書くべたべたは嫌いではありません。

父親から強要される性行為に苦しみながらも身体が反応してしまう夏貴は、助けてくれた聖司と父親の間で板ばさみ・・・ホントにべたべたなんですけど。
でもこのお話、他の作家が書かれたのならならすごくえろいと思えますが、西野さんししてはやや大人しめな気がしました。

いきなり3Pが始まったのは唐突で驚きましたが、この作家さんが得意とするようなぶっ飛んだプレイはなかったように思います。
ですが、好きな人が父親に抱かれているところを見せられて、お前も入れと言われて素直に行為に交ざるというのは驚きです。
西野さんならこういうのもありかしら・・・と流してはしまいますが。

聖司と夏貴の関係はあまあまで、幸せな新婚カップルという感じでした。
父親と夏貴の関係は、絡まった糸がほどけないまま、あやふやになっています。
父親を挟んだ三角関係ものは、もちろんたくさんは無いでしょうが、そこそこある中ではこちらの作品はやや物足りなく、事態の収束が中途半端に感じてしまいました。

1

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