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タイトルに書いた性癖をお持ちなら絶対好きになるはず。
レビューはネタバレしていますが、これは是非あらすじだけでなく菱沢さんの繊細で柔らかく温かい文章で読んで欲しい珠玉の年上受け&年下攻めです。
受けは翻訳家で大学でも仏語を教えている相田。
攻めは古生物学者の羽川。
体の関係はあるし、羽川は相田を甘やかして可愛がるけれど、恋人のように名前のついた関係ではない2人。
相田は羽川とは別に、3ヶ月ごとに期間限定の彼氏を作っては別れることを繰り返し、今は永峰という男との別れがこじれている。
相田と羽川の出合いは、過去の相田の彼氏、片瀬を通じてだった。
羽川は片瀬の後輩だった。
そして相田は片瀬とも3ヶ月後に別れてしまう。
相田が3ヶ月の期間限定で男と別れるのは、過去の恋人たちの不運が理由だった。
1人目は交通事故で死にかけ、2人目は急性の深刻な病気に、3人目は雪山の事故で行方不明になった。
それ以来、相田は恋愛をしなくなり、3ヶ月ごとに男と別れることを繰り返している。
例外は、恋人という名前を付けないまま付き合い続けている羽川だけ。
後半はこじらせた永峰が相田を監禁したり、羽川がそれを救い出したり、2人が恋人になったりしてハッピーエンドです。
永峰のやったことは駄目なことだけれど、永峰だけが悪かったのではなく、相田の側にある加害性や残酷さを相田も羽川も理解している。
そしてそれも含めて相田を愛し続けた羽川だからこそ、相田も心を許してようやく恋人になるのです。
羽川は明るくて包容力があって、相田をとても愛しているけれど、自分の気持ちを押し付けない。相田がいつまでも振り向かなかったとしても、変わらずに側にいて愛し続けたでしょう。
両想いになってもツンツン美人繊細年上受けがキャラ変せず、大型犬包容力溺愛年下攻めも(元から図々しい所はあるけど)悪い意味で図に乗ることはなく、萌えのままに読み終えられる佳作です。
1冊丸ごと表題作です。相田(受け)の目線で進んでいきます。
雪国出身の相田(受け)は付き合った人が事故、急病、雪山で滑落遭難、と次々と不幸になることから、3か月限定でしか男と付き合わない事にしていた。だが、永峰は結婚を決めていたことから安心してしまい期間内は恋人として甘い顔で過ごしてしまったところ、別れを切り出したところストーカーになってしまう。相田は仕方なく、期間限定で付き合っていた男の後輩・羽川(攻め)を「新しい男」と見立てるために同居することにして…。
同居して恋人の振りして両思いという単純なものではなく、羽川と一緒に会って永峰が納得したら、その日のうちに相田は羽川を家から追い出してしまいます。羽川も大人しく出て行き、半月以上連絡を寄越さないという何とも味気ない展開が予想外で面白かったです。
それにしても、羽川がイイ男でした。冷たくあしらう相田を「人を傷つけることで自分の身を必死で守っている」、自分は呪われているというのは死んだ恋人と繋がっていたいからと理解し、何度でも何度でも近づいていきます。「一生振り向いてくれなくても傷つかない。後悔する頃にはどうせ死んでる」にはぐっと来ました。鈍いのではなく、鈍く感じていないふりができる芯の強さも格好良かったです!古生物学者らしい骨に絡めた話も納得できる面白い発想でした。
私は結構この作品が好きなのですが、どうにも評価がいまひとつなのは相田が永峰に冷たいからかもしれません。病むほどまで恋焦がれられているのに、期間が過ぎたからサヨナラ。また羽川にもさんざん好きにならないと冷たい振る舞いをするのが好感を持たれず低評価につながっているような気がします。
ですが、永峰から救出された後で覚悟を決めて羽川と両思いになってからの甘い顔は可愛らしかったです。両思い→エッチで終わりという展開でなく、相田の身体を気遣って3か月後に仕切りなおしというのが面白かったですし、甘い二人が長く読めて満足でした。
包容力のある年下攻めがお好きな方にはお勧めです!
プリズム文庫買うのいつぶりだろww
プリズムに限らず最近オークラ出版は買ってないような…
でも菱沢さん好きだから買ってみた!!
…んだけど、何かよくわかんなかったかも;
色々詰め込みすぎて、それぞれを噛み砕いて解釈する前にすごいスピードで話が展開するっていうか…
何か読者置いてきぼりな感じでした。笑
化石大好きな古生物学者の卵×フランスミステリの翻訳者。
年下攻め、美人受けが好きな方にはオススメ~
自分が深入りした男は必ず不幸になる。
だから特定の相手を作らないという相田。
そんな相田の不幸なジンクスを打ち破らんとする年下の男・羽川。
相田は過去の辛い恋の経験で、たいへん臆病になっています。
しかし彼の受けた傷の大きさや辛さはよく理解できるのですが、
自分の辛さばかりにとらわれて、他人の心の痛みには鈍感な人だなと思いました。
こういう人は自分の脆さを守るために、
無自覚ですが他人に対しては情け容赦がありません(苦笑)
よっぽど人間が出来た人でないと、相田とは付き合えないでしょう。
しかしそのよっぽど人間が出来た人(羽川)が側にいたのは、
相田にとって幸せだったと思います。
おちゃらけてのん気に見える羽川が実は思慮深く、
不器用で棘だらけの相田を丸ごと包もうとするいい男っぷりで。胸キュンです。
羽川の求愛をつれない素振りでかわしてきた相田が、
終盤に見せたデレデレっぷりが可愛くて。
前半との落差に萌えました。
羽川と相田の二人の恋の成就を描いた物語としては、とても好きなのですが。
中盤の山場である拉致監禁レイプが、ちょっとココだけ妙に雰囲気が
浮いてしまっているような印象を受けました。
古生物学者の卵・羽川×仏文翻訳家・相田
相田には恋人を不幸にしてしまうというジンクスがあって。
過去に3人の男が命の危機に曝されたり死んでしまったり。
そんなことがあったせいで恋愛に対する恐怖もあり、ゲーム感覚で深入りせずに付き合える「3カ月限定の相手」との関係を繰り返している。
当然、気に入らなければその期間は短くなるけれど、長くなるようなことはない。
そんな関係から唯一外れるのが羽川という男。
元々は付き合っていた人間の後輩で。
化石ハンターを目指しているというその男は行けば必ず化石が出るというラッキーボーイ。
自分とまるで正反対のジンクスを持つ相田に興味を持っていて。
相田はそんな羽川を最初は煩わしく思っていたし拒絶もするんだけども、少しもめげない羽川に根負けするように時々飲むような友人になる。
そうして、距離を詰めていくと羽川が自分に好意を持っているのは明確で。
やがて告白もされるが受け入れる気のない相田は断る。
そこで話は終わりそうなのに何故か2人はその後時々肌を重ねる関係になります。
羽川は「好きだ」と言い続けているし、相田は断り続けているし。
そんな中、元彼がちょっとしたストーカーになり相田の周辺を騒がせ始める。
後腐れのない相手を選んだつもりが付き合い方を間違えていたようで。
その後、拉致監禁ということになってしまうんだが。
ようやくこの辺りで面白くなってきました。
前半はそれほど心動かされるものがなかったんですけどね。
元彼が病んできているのは確かに元彼自身の在り方にもあるのだけれど。
そうしてしまったのは、また相田のやり方が間違っていたせいで、それもジンクスに当てはまるのではないかとか。
それを更に追い込むような言葉を自分が言っていると認識しながらも言ってしまうところとか。
ここにきてようやく、相田にとっての「羽川」という存在に向き合えるようになってくるところとか。
部屋に帰ってからの羽川とのやりとりで相田がようやく過去から解放されつつあるところとか。
それまでの減らず口を叩くような関係のせいもあってなかなか素直な気持ちを言葉にできなかったりもするけど、最後にはとても甘くなってた気がします。
恋人になってからの相田は口調は相変わらずだけども、言ってることがどれもこれも独占欲とかそんな感じの「好き」って気持ちの現れでホントかわいいです。