甘やかな蜜や花びらに誘われて

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作夜に咲く花

神宮寺幸多朗,お坊ちゃん作家,28歳
桜沢水樹,植物肥料研究所の研究員,26歳

あらすじ

男は何もかも持っていた、金も地位も名誉も。
祖父からの多額の贈与がきっかけで、小説家になってしまった神宮寺は、日々の生活に面白みを求めていた。そんな時、彼は水樹という青年と引き合わされる。清楚な雰囲気に心惹かれた神宮寺は後日、「叔父が行方不明になった」という水樹の元に向かう。古びた洋館と温室、幻想的な空間の中で推理を始めたその夜、ベッドで物思いに耽る神宮寺に妖艶な表情を浮かべた水樹がのしかかってきて!?
出版社より

作品情報

作品名
夜に咲く花
著者
剛しいら 
イラスト
麻生ミツ晃 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
ISBN
9784773099423
2.5

(2)

(0)

萌々

(0)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
4
評価数
2
平均
2.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

シリーズ化は無理っぽい

おぼっちゃま先生の探偵ストーリー
お金もあって、容姿も、お育ちもよろしい、行動力あるおぼっちゃま神宮寺
簡単に成功してしまった小説にも飽きて、世のためになる投資先を探して出会ったのが、桜沢化学の水樹で、、

お話は、神宮寺が、水貴から、叔父が行方不明になったと相談を受けるところから始まります。

2時間サスペンス風です。
読むのにかかる時間も、ちょうど2時間サスペンス1本、TVで見るくらいの時間です。
神宮寺はもとより、編集者・橋本や、腐れ縁の警察庁の高畠、神宮寺の祖父の「大殿様」など、レギュラー陣も魅力たっぷりです。

で、これがシリーズ第1回とすると、、、

この先、続きそうもありません。

主人公の探偵たる神宮寺が、いきなり水樹と番になってしまったから……
BLの最大の縛りである、
「主人公たるもの、一度番になったからには、生涯添い遂げるべし」
設定を全うするには、水樹君がこの先動いてくれそうもありません。
シリーズ化して、使い回せそうな設定のキャラが揃っているのに、ちょっと残念です。

1

妖しい雰囲気の漂うお話

ミステリ仕立て。
ただ明快な回答とか解決とかに至る、そういうわかりやすい結末ではなかったです。
架空らしいですけど、“夜に咲く花”と、昼間は清楚な水樹の夜の変身をかけた・・・ちょっと妖しい雰囲気のお話でした。

祖父を「大殿様」と呼ぶような旧家生まれの神宮寺は、長身で美男で東大卒、何不自由なく育ったお坊ちゃまだが、祖父にいきなり大金を渡されて、「それでなんかやってみろ」というようなことを言われ、外国を放浪した末に書いた小説が売れまくり、小説家となった。
祖父にもらった時より増えた金を、今度は植物の肥料を研究する『桜沢化学』に投資することにするが、そこで出会うのが桜沢化学の社長・桜沢義彦の甥、水樹だった。
その出会いで水樹に惹かれる神宮寺は、後日水樹から「叔父失踪」の報を受けかけつける。
そこで、水樹の変貌を目の当たりにし、義彦失踪の謎を推理することになる・・・。

素人お坊ちゃま探偵となった神宮寺の「名探偵ぶり」を期待しましたが、はなばなしい解決とかはないのでそこはそれなりに。
それより推理を進めるうちに「水樹」という妖しい謎の存在に捕まってしまったお坊ちゃま、という感じ(笑)。お坊ちゃまと言っても世間知らずの頼りない男というわけではなく、ちゃんと自分の欲望や欠点を自覚してたり計算もできる人なので、自ら進んで捕まった。
妖しい空気の中にいてもどこかカラッとした明るさを感じさせる人で、そのせいで暗くなりすぎないところは良かったかな。
個人的に水樹にはあまり魅力を感じなかったので、その点でこの話は私のポイントとはちょっとハズれてたかもしれない。

1

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP