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愛しき爪の綾なす濡れごと

kanashiki tsume no ayanasu nuregoto

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表題作愛しき爪の綾なす濡れごと

要領がよく気さくな傾城・綺蝶
不器用でお姫様な傾城・蜻蛉

同時収録作品愛しい爪の綾なす濡れごと

料理人 幸多郎
男娼 桐香

同時収録作品愛しき夢の織りなす睦言

綺蝶 元男娼
蜻蛉 元男娼

あらすじ

色子としての仕事を忌み嫌う蜻蛉とは対照的に、美貌を活かし一番の売れっ子に昇りつめる綺蝶。そんな綺蝶の心がわからない蜻蛉は、苛立ちを隠しきれない。そんな折、色子のひとりが客と足抜けを…。
出版社より

作品情報

作品名
愛しき爪の綾なす濡れごと
著者
鈴木あみ 
イラスト
樹要 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫
シリーズ
君も知らない邪恋の果てに
発売日
ISBN
9784592875741
4.2

(27)

(14)

萌々

(7)

(6)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
8
得点
116
評価数
27
平均
4.2 / 5
神率
51.9%

レビュー投稿数8

大好きな2人のお話・・・

個人的にただいま花降楼シリーズブーム再燃中で、今まで読み逃していた作品や、過去に読んだ作品の再読中です。

この作品は、迂闊にも読み逃していた作品でした。
何故、迂闊にも・・・かというと、シリーズ第二弾「愛で痴れる夜の純情」での主役でもあり、その時以来大好きなカップルであった綺蝶と蜻蛉が主役のお話が(その後のカップル達の様子を描いたオムニバスもの「華園を遠く離れて」以外で)他にも存在していたことに長らく気が付かなかったからなのです。
完結しているお話だし・・・と油断していました・・・

なので、この作品の存在を知った時には、「綺蝶と蜻蛉にまた会える!!!」と、とても嬉しかったのと共に、でも一体いつのお話なんだろう??と不思議でもありました。

そして、読み終わって納得!!!

「愛で痴れる・・・」等では、省かれていた時代のお話だったんですね。
2人が犬猿の中で・・・と語り草になっていた頃の事が描かれていたんです。
でも、そのままだと切ないだけで終わってしまうところなのですが、同時収録の「愛しき夢の織りなす睦言」で、時代は「愛で痴れる・・・」直後の時代へ飛び、ちゃんと幸せな気持ちで読み終えられるようになっていました。
この流れになっていてくれて本当に良かったです。

何故なら、「愛しき爪の・・・」は、もう相当切なくて苦しくて悲しいからです・・・
「愛で痴れる・・・」では、割と綺蝶の切なくつのる思い、複雑な気持ちが描かれている印象でしたが、「愛しき爪の・・・」では、綺蝶だけでなく、蜻蛉サイドの気持ちがたくさん描写されていて・・・蜻蛉は元々色子の仕事が苦手だというのは知っていましたが、本当にすごく苦しくて辛かったんだな・・・というのが伝わってきましたし、綺蝶と仲良かった時代に戻れないことで、孤独感が増している様子がかわいそうでたまりませんでした。
綺蝶は綺蝶で、鷹村の手前、敢えて蜻蛉と不仲な状態を作らなければならなかったのだ・・という事も明記されていて、蜻蛉が辛そうなのに助けられないという綺蝶の苦しさもまた更に伝わってきました。

更には駆け落ちを企てる色子、桐香のお話も出てくるのですが、「愛しき爪の・・・」においては、予想外の事態に(色々あっても、花降楼シリーズのカップルは最後は必ず幸せになれる・・・と信じていただけに)大変衝撃的で悲しい気持ちになったのですが、「愛しき夢の・・・」で、きちんと桐香達の幸せな姿が描かれていて、とてもとてもほっとしました。

また、今回、鷹村は普段は敢えて悪役を買って出ているのであって、実は結構心優しい人なのかもしれない・・・という面が改めて描かれていて、いよいよますます鷹村への興味が高まりました。
「愛しき夢の・・・」での、綺蝶と鷹村の会話、必見です。

余談ですが、表題作「愛しき爪の・・・」は、「愛しき」を「かなしき」と読ませ、同時収録の幸せ話「愛しき夢の・・・」は、「愛しき」を「いとしき」と読ませています。

2

愛しき爪の綾なす濡れごと

ここに来て綺蝶×蜻蛉の新刊が読めるとは思わなかったので、狂喜ですよ(*´Д`*)
雑誌掲載分の傾城時代の七夕の時期の話と、書き下ろしの身請けした(された)その後の話vv
というかこの巻、普通花丸文庫って見開きカラーってないんだけど、あるんですねー!!
七夕の話は小説花丸読んで知ってたから普通に読んで楽しめたんだけどさ…(表紙で綺蝶が来てる仕掛けって蜻蛉が送ったやつ?)
書き下ろし分がさ…もう萌えすぎてどうなるかと思ったよ…
次はだいぶ間があくらしいけど(凹)まだ続くので楽しみです。

1

番外編~

読み始めてすぐから胸が高鳴り、思わず涙涙してしまいました。
これまでの流れがあるので余慶に(ノД`)・゜・。
久しぶりにいい小説を読みました。鈴木さんの文章読みやすくて好き。
お話は、綺蝶×蜻蛉編~
番外編ということで、裏側をのぞき見た感じですね。
ツンデレお姫さまを気取っていた蜻蛉の本当の気持ち。
綺蝶を見る目、そして想いが切なすぎてどうしようもないのです。
結論ハッピーエンドとはわかっていても。
本編でちゃんとラブエンドして幸せになってるのを読んでいても。
なおさらって言うかなんというか。
水揚げされてから、客を振りまくっていた蜻蛉~のお話がどうしようもなく切ない。綺蝶が、ようやくなれ始めた蜻蛉の客、水梨と~なシーン。
これも思わずですね。
個人的には、綺蝶の受仕事が詳細に読みたい・・のですけど。。。ないのも残念。

おいといて

逆に、綺蝶の心理描写~も合わされうと最強だとおもう。
ゲームで負けた蜻蛉が贈ってくれた打掛。
自分のために、あれほど拒んでいた仕事を頑張って買ってくれた着物。
大事な日だからこそ、客を採らずこの内掛けのために~な綺蝶シーンに思わずギュン。゚(゚*´Д⊂グスン
蜻蛉を抱きたい。蜻蛉を。。。蜻蛉に・・・・・
普段、蜻蛉に見せるのとは別の熱いパッションがなんともいえない魅力。
シリーズ、他のカップルは、わりとお客をとってない子も目立つんですが、ここはバリバリですからね。余計に切ないにょ。

後半は、二人で門をでて~。再びもどった花降楼で~なお話。
ここまでのエロがなかったぶんを取り戻すかのように、ねちっこいエロをありがとうございました!!
マグロ姫・蜻蛉がエロエロされちゃう姿がうまwです。
綺蝶だからこそ~な反応にドックンv
他のシリーズとリンクしたキャラクターが登場するのも面白いです。
桐~さんのその後も最後。すっきりしました。ウマイ!
確か読んでないこのシリーズがもう一冊あったはず・・・・明日探そ!

1

この二人だからこそ

以前、遊郭ものが好きで、オススメされた作品です。

普通は客とが多いのですが、
ここは綺蝶と蜻蛉のお話でした。

こちらは色子と色子のため、
二人の独特のエロさがとても良かったです。

犬猿の仲と言われる二人の関係を書かれた作品です。
小説なのですが、とても読みやすく
いつもは小説は避けますが、サラサラと最後まで読めました。

もともとこの二人の関係が気になっていたというのも
ありますが…小説は苦手だから、という方にもオススメできます。

0

第二弾を読んでから、どうぞ

花降楼シリーズ第八弾は、第二弾の主人公、綺蝶と蜻蛉のお話。
第二弾では蜻蛉の水揚げが終わった所から綺蝶とお職争いをするようになった頃まで飛ぶのですが、そこの間に入るお話になります。

第二弾を読んでいること前提だと思うので、第二弾を読んでから読んだ方がいいと思います。

私はこの話を読んで、蜻蛉がさらに好きになりました。
蜻蛉は外見の麗しさが目立つけれど、内面も可愛さに客が気付いていたからこそお職を張れるほどになったのだ、というのはこれまでも語られてはきましたが、それが具体的なエピソードとして読むことができた気がします。

特に“理想の客”水梨とダメになった後、また“理想の客”を探してくれると言う鷹村に新たな条件を言うあたりは特に可愛いです。
前々から鷹村はなんだかんだ蜻蛉に甘いような気がしていましたが、そりゃ甘くもなるわ!と。

綺蝶についても新たな一面を見ることができました。
綺蝶はシリーズの他作品に登場する時も、アドバイスをしたり、けしかけてみたり、いつもうまく立ち回っているようですが、やっぱり綺蝶も色子で花降楼には多大な借りがある無力感というか、それをすごく感じて切なかったです。


同時収録はうってかわって、綺蝶が蜻蛉を連れ出してしばらく経った頃、第五弾の『溺愛』のさらに後の話。
蜻蛉の別れの宴を開くために二人は久々に花降楼を訪れます。

幸せそうな二人の話なんですが、少しだけ、特に綺蝶の方にほの暗いものを感じました。

ずっと蜻蛉を買う客に嫉妬して来た綺蝶が、ついに蜻蛉の隣で宴会をすることができるんです。
ずっと焦がれ続けた位置に座り、蜻蛉は自分のものだと堂々と振る舞うことができる。
ある意味ものすごく満たされてはいるんですが、そこにある気持ちは幸せとは言い切れないんじゃないかと思いました。

二人で過ごした夜具部屋を見に行くところは、やっと本当の意味での花降楼との決別という感じで、なんというかスッキリして好きです。

あと表題作に出てきた桐香と幸多郎についてもちゃんと決着が着いていて良かったです。

2

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