意外な事件の展開、切ない愛のサスペンス!

ホーリー・アップル ― 穴だらけの林檎

ホーリー・アップル ― 穴だらけの林檎
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神4
  • 萌×23
  • 萌2
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
38
評価数
9件
平均
4.2 / 5
神率
44.4%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
講談社
シリーズ
X文庫ホワイトハート(小説・講談社)
発売日
価格
¥630(税抜)  ¥680(税込)
ISBN
9784062865814

あらすじ

凸凹コンビ、ハリー&ドイル
仕事に愛に始動開始
どん底のNYで繰り広げられる、切ない愛のサスペンス

「でも……愛してるよ……」去ってしまった恋人に未練たらたらの気弱な巡査ハリー、31歳。そして、彼が住む80年代のニューヨークは、治安も景気もなかなかよくならない"穴だらけの林檎"だ。ハリーは街と同じように、仕事も恋愛も負け組、だけどかっこいい男が好き。そんなハリーの前に颯爽と現れた刑事ドイル。2人は偶然同じアパートに住み、ともに事件に挑むことになるが……。
出版社より

表題作ホーリー・アップル ― 穴だらけの林檎

有能だけどクセのある刑事・31歳 ドイル・アーデン
気弱な制服警官・31歳 ハリー・ローゼンランド

評価・レビューする

レビュー投稿数3

映画を見ているようなリアルな情景

80年代NYのスラム街を舞台にした、警官が主役サスペンスドラマです。
ラブストーリーに重きを置いているかはちょっと微妙な作品でした。

というのも、主人公のハリーの大失恋から始まるストーリーなのですが、作中ずっと、ハリーは別れた恋人に未練たらたら。
結局最後まで心はまだ前の恋人にあるような感じでした。
同じ作者さんの「厄介な連中」のスピンオフらしく、ハリーとその元恋人のお話はそちらになるようで…そっちは読んでも読まなくても、みたいな感じであとがきでも特に大きく触れられてはいませんが、この内容からしてそっちを読まないとどうしても気になる!と私は思ってしまいました。
何度も何度も元恋人との回想が入るので、ちょっともやもや。

そんな失恋の痛手を引きずるハリーのお相手は新しく配属された刑事で、同じ歳ですが上司に当たります。
私は交流を経て次第に恋心が芽生える展開が好きですが、この2人は両方ゲイで、「好みだから」という理由で身体の関係から始める、どちらかというとドライな大人の恋愛というテイストでした。

身体能力が低くヘタレで警察にはとても見えないハリー(でも気が弱いわけ続きでなく言いたいことははっきり言う)と傲慢でわが道を行く優秀な刑事ドイル。
恋まであと一歩、くらいの所で終わりますが、それでもこの2人の組み合わせが驚くくらい好みで高評価をしたくなりました。

それと、イラストもとても雰囲気に合っていて大好きです。
挿絵の回数が少ないのはちょっと残念でした。

アメリカ(特にNY)を舞台にしたお話を沢山描かれている作者さんだと記憶していますが、NYの描写はとても情景深いです。
作者さんはバブル期の平和な東京で育った分、治安が悪くほのぐらい地域であるNYに憧れていたとあります。私には縁のない土地ですが、ハリウッド映画なんかで見たような、暗いビル郡の合間のマンホールから立ち上る蒸気が目に浮かぶようで楽しかったです。

「愛している」=「死んでもいい」だと作中で解説がありましたが、そこまで深い「愛してる」にたどり着けるほどの愛がこの先この2人に芽生えればいいなぁと思います。
次回作が控えているため、期待をこめて星4です。

1

 古き良き時代、ニューヨーク。

 荒んだ街。街を縦横に走る道路には、頻繁な工事の跡で虫食いの林檎が横たわるよう。
 そんな雑多な80年代、ニューヨークを舞台に、男前の刑事ドイル・アーデンと制服警官、気弱なハリー・ローゼンランドの事件を介しながら芽生える恋を綴った物語。
 柏枝先生の書くものは、ただのBLという括りでなく、純粋にサスペンスという側面からも楽しめます。最近すごくはまっている作家さんです☆
 また、槇えびし先生の描くかっこいいドイルと、脆さ加減がよく出ているハリーの挿絵もいい味出してます!!
 お互い31歳ということで、恋愛の姿勢に対しても落ち着きが感じられ、両思いになるにはまだ、ハリーの前彼への未練が邪魔になっているのですが、ドイルはそんなハリーを受け止められるだけの懐深い男なので、少しづつ二人の関係は近づいていくんでしょう。
 これは、是非シリーズ化してほしい作品です。
 

2

80年代のアメリカ、ニューヨークを舞台にした、刑事と警官の「ラブストーリー」(?)

あちこちから水蒸気が立ち上る道路は工事の穴だらけ・・・すなわち「穴だらけの林檎」。
治安も景気も悪く、どことなく荒廃した空気の漂う時代と街で生活する警官たちがちょっと素敵だ。
高給取りではないのでそれなりのアパートに住み、交代制勤務に合わせて寝起きして、仕事帰りに買い物してちょっと料理したりスーパーの開店時間に間に合わなければテイクアウトで簡単に済ませたり、仕事の合間に安いランチを食べ、パトロール中に穴に落ち、恋をして失恋もし、そんなありふれた何気ない日常でも、突然男にキスされるという胸躍る事件も起こる(笑)。

31歳で、気が弱くどことなく冴えないヘタレ気味の制服警官ハリーは、日本人の恋人(男)にフラれたばかり。
消沈のある日、勤務帰りのハリーは強盗に出くわし財布まで奪われてしまう。
それを目撃していた男がいたのだが、後日、それが同じ分署に異動してきた刑事で、ハリーの住むアパート、しかもハリーをフった日本人が住んでいた部屋に越してきたドイル・アーデンだと知る。

そんな二人は所轄内で起きた殺人事件で一緒に仕事をする機会を持つが、ちょっと皮肉っぽく先輩同僚にも合わせよう続きとしないドイルの単独行動にハリーは驚かされる。
学生時代に好きだった同級生にちょっと似ていて、警官になったその同級生が殉職したことにショックを受けたはずみで警官に転職してしまったハリーには気になる存在だ。
しかしゲイであることを隠していて、それに関する話題が出るだけでドキドキし、誰彼構わず手を出すほどオープンでもないハリーはだからどうしたいわけでもない。
ところが、ハリーがゲイであることを初対面から見抜いていたドイルからキスをしかけられ、すぐに二人はそういう関係に。
ドイルもそうだったわけだ。

しかしこっから先、二人が愛に盛り上がる・・・というわけではなく、ハリーは日本に去ってしまった恋人にまだ未練たっぷりでドイルもそのことを知っている。
ドイルはハリーに合鍵を渡したりそれなりに気に入っていそうだけれど、「気は長い」というようにゆったり待つ構えのよう。
ハリーは物事を割り切ってテキパキ考えられるタイプではなく、どことなくおっとりさんなのですが、そういうちょっと頼りなさそうな部分が却ってドイルには可愛らしく映るのかもしれない。
殺伐とした街にあって、なんとなく「癒し系」な感じがしますよね、ハリーって。

しかし寝たからといって、これでは「ラブストーリー」とは言えないでしょう。
そういう点を期待するとハズしますが、しかし作者の愛する荒廃したニューヨークの雰囲気は心地良く、好感を持つかたも多いかと思います。
どうやら続きがありそうらしいので、次回も楽しみです。

2

この作品が収納されている本棚

PAGE TOP
  • 電子書籍
  • レビューを見る
  • 評価レビューする
  • 関連作品
  • 攻受データ