• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作シンプルライン

鷲尾孝之/出版社勤務 実家はいくつもの会社を経営
名瀬圭一/フリー翻訳者 孝之の元義兄

その他の収録作品

  • 昨日・今日・明日

あらすじ

一時期、義理の兄弟だった圭一と孝之。大人になって再会した二人は、改めて関係を築き始める。10年前の出来事は忘れた振りで…。
出版社より

作品情報

作品名
シンプルライン
著者
杉原理生 
イラスト
亀井高秀 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344815513
2.5

(27)

(1)

萌々

(4)

(10)

中立

(7)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
11
得点
58
評価数
27
平均
2.5 / 5
神率
3.7%

レビュー投稿数11

前戯のようなラブストーリー

もう、一体どうしたいんだよーーー!
と何度も煮え切らない受の態度にイライラしながらも、、M的な小説読みの私は萌え転がりました。本当に個人的に好きすぎるんですよね、この焦らしプレイが過ぎる杉原節が!!
描かれている内容はタイトル通りシンプルだと思いますが、”血を分けた弟だったらどーしよ”とか”後戻りできなくなったらどーしよ”とか、要は”後々捨てられたらどーしよ”っていうリスクを臆して前に進めないだけの男の心情を、こんなに美しく表現できるもんかしら…とうっとりしました。

攻以外の男関係が見える受っていうのも、個人的にツボです。たぶん、これ”アリナシ”すんごく分かれると思うんですが、既婚者相手だったりするところが(割り切った遊びとして)生々しくてたまらんのです。
恋愛に対する”熱”の表現が印象的でした。圭一が、”攻(孝之)と別れた自分は、これからもきっと”中途半端な体温”と”死なない程度の情熱”で恋愛するだろう”って虚ろに考える場面があるのですが、ということは、攻との関係は、死んじゃうレベルの情熱で、40℃超えの高熱なのね、とか補完するだけで”ぷはっ!”ってコーフンできます。最初から最後まで、圭一がいかに孝之が好きかということの説明ともいえる、この長い長い前戯のようなラブストーリーは、大人の感性とゆとりで堪能すべし!です。

0

ちょっと鬱々……?

 連れ子同士で、一時期、血の繋がらない兄弟として生活をしていた圭一と孝之。
 十年後、大人になって偶然再会した二人は、改めて兄弟のような不思議な関係を築き始める。
 週に何回か、圭一の家により食事をしていく孝之。
 そんなある日、孝之が圭一の家に泊まろうとした事から、その均衡が崩れる。
 弟だった孝之への恋心を自覚していながら隠す圭一と、兄だった圭一への想いをストレートにぶつける孝之。

 しかし圭一にはどうしても孝之を受け入れることができない理由があって――。

 という話でした。
 全体的にちょっと曇り空みたいなちょっと沈痛な空気が流れてる話。重い……かなー……?
 でも、何だろう鬱々としてるってほどまでは重くないです。
 多分、圭一の心境的には「鬱々」まで重いんだと思うんですが、そうならないのはあくまでも作者さんの書き方のうまさかなー……と思います。

 結局のところ、圭一の悩みというのが、自分と孝之は血がつながっているんじゃないか? っていうところだったんですけど、実際繋がってたとしても、あんまり関係ないんじゃ……って思ってしまうんですけど……。
 だってねー、男女だったら、ぶっちゃけるとどんな避妊方法だって完璧じゃないし、万が一子どもができたら……っていう恐れがあるからあれですが。
 男同士ならそれはないしなー……と。
 そもそも生物学的うんぬんかんぬんから外れちゃってるから、そんなに気にする事無いんじゃ……? っていうのは、ダメかしら……?

 すいません、話が逸れました。
 最終的には、圭一は自分の想いをストレートにぶつけてくる孝之にほだされて。
 後、血が繋がっていない事もほぼ確定して、くっついてハッピーエンド。

 ちょっぴり背徳的な味のする少し暗めのお話が好きな方はぜひどうぞ。

2

超絶焦れったい小説です

杉原理生さんの小説は、文章が大好きなので、もうそれだけで、どんなストーリーでもどんなキャラでも、うっとりと、海の中でプカプカたゆたっているような気持ちで読むことができます。稀有な才能だなと思います。

義兄弟モノで再会モノです。
主人公は翻訳家の兄。
両親の結婚によって義理の兄弟となり、離婚によって離ればなれになった義理の弟と、10年ぶりに再会します。
かつて自分より小さかった弟は、立派な青年に成長していた。
急速に惹かれあう二人。
まっすぐに愛情をぶつけてくるかつての弟に、主人公は愛を返すことができない。
彼を遠ざけきることもできない主人公には、絶対に言えない秘密を抱えていたのだ――。

この小説は、煎じつめれば『主人公がちゃんと本当のことを話し、誤解さえ解ければ万事うまくいく』という焦れったい系のストーリーで、こういうタイプの話は私はそんなに好きじゃないはずなんだけど、杉原理生さんの手にかかると、好きな小説になってしまうという不思議さ。
飽きることも苛立つこともなく、流麗な文章に酔いながら、最後まで読みました。
そう、杉原小説は、酔えるのだ。

1

先が見える展開でしたが・・・

両親の再婚で義兄弟になった名瀬圭一と鷲尾孝之。
両親の離婚でわかれ10年後大人になって再会する。
兄・圭一は、弟に手を出した過去への罪悪感と血の繋がりがあるのではという疑惑に苦しみ、どんなに好きでも孝之を受け入れてはいけないという思いにとらわれています。
10年の間に圭一が付き合っていた過去の男の影もちらつきます。
孝之の方はもう兄一筋。
年下らしい甘ったれぶりも発揮しながら10年間の成長を圭一に見せつけたいい男でした。
もともと相思相愛なので結末は見えていましたが、孝之の実家にばれたらと思うと複雑です。

1

絡みのシーンの挿絵が文章に追いついてない

親の再婚で義理の兄弟になった後、離婚・・・音信不通
そして再会したというお話なんです。

まあ・・・杉原節ですから
最初からお互いの好きという気持ちは駄々漏れ。
弟の気持ちを悟った上で兄から弟に手を出します。
合意なんだろうけど
弟を完全な“被害者”にしたいために
兄しか触っちゃダメ!プレイ・・・どんだけ拷問w
なんか弟のためとかいいつつも、ものすごい棘を刺して
姿を消してしまう兄・・・なんかちょっとどうかな?って思った。

10年経っても抜けない棘を刺しておいて
再会してからは、なんだかんだと愚図る兄は
本当に狡いです。
まあ年食ってるだけ傷つくことも怖いし失うことも怖いんだろうけど
引くなら引く、押すなら押す、もう少し強い感情がほしかった。
ぜんぶ直情的な弟にまかせっきりというか・・・うーん
なんか精神的に本当にゆるいしずるいし弱い兄に萌えませんでした。
この兄のよさが、見目が美しいところしか伝わらなかったんですよね。
本当にまったく・・・

絡みの描写は、弟の攻め方が妙にねちっこくて
10年分の鬱屈がたまりませんでしたが挿絵がそのエロ黒さに
ついてきてない感じがしました。
ものすごく綺麗な挿絵だけども、弟の舌使いとかまったく
絵にしてなくって絡みのシーンも文章に忠実じゃないんです。
文字のほうが3倍エロかった。挿絵がっかり。

0

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP