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表題作キスから、はじまる

中川拓也
二階堂司

あらすじ

義母との仲がしっくりいかない二階堂司は隣の家の幼なじみ・中川拓也の部屋を逃げ場にしては、強引に泊り込んでいる。そんな司に恋愛感情を抱いていることに気づいてしまった拓也は煩悶の日々を送り、司との距離をあけようとしていた。二人の微妙な関係はかつての幼なじみ・原田修一との再会により揺らぎはじめるが―――。
少年たちが大人になる夏を描いたセンシティブ・ストーリー。

作品情報

作品名
キスから、はじまる
著者
竹内照菜 
イラスト
高橋ゆう 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
ラピス文庫
発売日
ISBN
9784829651216
3.6

(3)

(1)

萌々

(0)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
11
評価数
3
平均
3.6 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数2

素直になれないんだから

二人は、家も隣同士の幼なじみ。
大人っぽい拓也とまだ子供っぽい司。
生まれたときから二人は一緒だったのです。
ある日、司のお父さんは若い女の人をつれてきて、新しいお母さんができた。
司はそれに不満があるわけでもなく、なかなかに上手くやってはいただが、『お母さん』この一言が言えずに悩んでいた。そんな悩みもあるもんだから、いつも拓也の部屋に逃走していたのです。
が、徐々に想いを実感してくるお年頃の拓也くん。もぅ司のことがすきなんだと自覚してしまったからさぁ大変。
「今日も泊めてよぉ」と狭いベッドにもぐりこまれ、身体を摺り寄せられて・・・・これは何の修行ですか・・・!?
構成もそうなんですが、キャラクターが活きてるのがすごく魅力的。
最近はめっきり減ってしまった学園モノですが、良いものは良いのです(ノ)ェ(ヾ)ムニュ
素直で負けん気。ちょっとお子様の残る司くん。
この子がいやみにならない程度に懐っこいのが可愛い。
いつでも「拓也」「拓也」とちょろちょろついてまわるのが雛みたいでいいですねwwww
ひねくれ拓也に意地悪されようとも側を離れようとしない。
ずっと拓也と一緒に~っていうのがどうしようもなく愛しいのです。
恋愛どうのこうのおいといてw親の跡について回るひな鳥のごとく。
また、拓也は、これまでの関係を壊したくないというのも含め。
善意的に素直になれない性格なので、司がすきなんだけども。
懐いてくる司はかわいいんだけども。好きだと自覚し、どうしようもなくなるほどに司を遠ざけようとしてまいります。
そんなだから修一っていうもう一人の幼なじみが帰ってきてひと騒動なんですが(笑
修一は小さい頃二人の幼なじみだった。拓也とは趣向がにているのでいつもいがみ合っていた。それは大きくなっても変わらず。
こんどは司をとりあって・・・・・・。
最後の最後は結局和解でおわってよかった。
というより、ドロドロした雰囲気にならなかったのがサッパリ読めた要因でしょうかね。
「素直になりたい」ポツリと願いをいう拓也はちょびっとだけ可愛かった。
「好き」の気持ちを「嫌い」であらわしてしまうようなヒネた男が素直にっていのは気持ちわからなくもない。私も天邪鬼。
エチシーンは。少なめではあるものの、前置きが長いだけにグッと引き込んでくれる場面でした。司・・・・・あんた・・ようやく大人に。
司「俺もう童貞じゃないし」
いや、あなたはツッコまれるほうだから一生童て・・・・

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攻めの忍耐に乾杯

幼馴染もので、甘酸っぱい恋です。
周りにいる友達も入れて、いい感じに青春してる学園物でもあります。
未成年ですが、煙草・飲酒の描写があるので、嫌いな方はご注意。

高校3年生・中川拓也 捻くれ大人受け×高校3年生・二階堂司 天然元気受け
拓也は司のことが好きだが、鈍くてお子様な司はそんな事には全く気がついていない。
友達の関係を壊したくないので、好きとは言えない。
司の方も距離を置かれているとそれとなくは感じるけれども、拓也は優しくて。
子供の頃のもう一人の幼馴染の修一が親の転勤で戻ってきてから、2人の関係に変化が訪れて。

自分の思いさえ言わなければ、一番大切な「親友」としては傍にいられる。
そんな切ない気持ちをひた隠しにして、司の傍にいます。初めに自覚してしまっただけに、苦しい立場です。
若い義母に素直になれなくて拓也の家に司は避難してくるのですが、そんな思いを抱えている拓也にとっては、罪なことで。
無邪気に平気で眠ってしまうし、ベッドが大きいから平気だろとか、ホント拷問です。
受けを思って我慢して、無理矢理がない展開がよかったです。
もう一人の幼馴染の修一も司が好きで三角関係になるのですが、結果丸わかりというか、基本的にデキレースみたいなものです。カップルになってなくてもバカップル状態なのであてられっぱなしで、少し可哀想でした。
恋敵であっても修一のことを信用しているいうエピソードが、一番グッと来ました。
攻めが健気で本当に受けの事を心から思いやっていて、気持ちを押しつけようとせずに温かく見守っている姿が、とにかくよかったです。
おバカで能天気な学生らしく、進路でも友人のケンカでもなんでも賭けにして遊んでという感じも楽しそうでした。

唯一の残念は、折角話がよくても、あとがきでちょっと冷めます。
文の末尾が(笑)。で終わる事が多いのは、作者のスタンスなんでしょうか。
顔文字まみれもアレですが、これもちょっと頂けなかったです

エロ:★2 普通
総合:★4 幼馴染物としてリアル感がありつつ、学生物の楽しさを味わえます。

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