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表題作私説三国志 天の華・地の風 完全版 4

劉備配下の武将・魏延
天才軍師・諸葛亮孔明

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あらすじ

蜀内部の政争・暗闘は続く――。諸葛亮は劉備の心が再び自らの元を離れていくのを感じていた。そんな中、荊州で関羽が呉軍に殺害され、法正も流行病でこの世を去った。諫める進化の声も耳に入らず、劉備は復讐の兵を挙げる。その時、諸葛亮の心をよぎった想いは……?

作品情報

作品名
私説三国志 天の華・地の風 完全版 4
著者
江森備 
媒体
小説
出版社
ブッキング
レーベル
Fukkan.com
シリーズ
私説三国志 天の華・地の風
発売日
ISBN
9784835443164
5

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萌々

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
1
得点
10
評価数
2
平均
5 / 5
神率
100%

レビュー投稿数1

水魚の別れ

劉備をはじめ、様々な英雄達が逝き、一区切りついたような巻でした。
3巻で盛大に広げた風呂敷も、綺麗に畳まれたような気がします。

そして今回、とても興味深かったのは劉備です。
孔明と反目しあっていた法正に『孔明と上手く折り合ってくれ』と、
さり気なく孔明のフォローをしたり。
『孔明はいつも何かに飢えている』『冷たいが激しすぎるのだ』と語る劉備は、
ちゃんと孔明を見ていたし、彼なりに情があったのだと感じました。

しかし劉備は自分を一度も人として扱った事がないと嘆く孔明。
どこでどうして、この二人の感情はこんなに行き違ったのでしょうか。
それを思うと、とても切なくなります。

孔明の性癖を「おぞましい」と言い捨てた劉備は、ノンケとしては正しい反応です。
しかし病床に男装した女を引き入れるという倒錯的な行為をしていた劉備は、
とても真っ当なノンケ男とは思えませんでした。
おまけに孔明が隠していた事を劉備が知っていて、ずっと黙っていたというのも衝撃。

彼の中でも孔明に対して多少は、よこしまな思いもあったのでは?
などと、劉備に対して色々な深読みをしてしまいました。
劉備の魅力が判らず、殆ど眼中になかった私ですが。
今回の二人の決別と、最初で最後のキスシーンには、
何とも言いがたい感情が押し寄せてきて。
泣けて泣けて、仕方がなかったです。

そして孔明を「かなしい」と思った魏延。
彼の微妙な心の変化がツボです。

2

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