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表題作ひとりじゃ眠れない

平井龍宏、ホテルグループの代表取締役
津田幸樹、家族経営の家具店で働く

その他の収録作品

  • ふたりなら迷わない

あらすじ

有名ホテルのクールな若社長・平井から、スイートルーム用のベッドの見積もりを依頼された家具職人の幸樹。ある時、平井がひどい不眠症だと知ってしまい、ほうっておけなくなった幸樹は……!?
出版社より

作品情報

作品名
ひとりじゃ眠れない
著者
響高綱 
イラスト
御園えりい 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫
発売日
ISBN
9784592875819
3

(7)

(0)

萌々

(3)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
19
評価数
7
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

不眠症の改善とともに…

キレ者と噂の堅物な若手社長×お節介なところのある若手家具職人のお話です。けっこう歳の差がある二人ですが、それぞれ仕事が好きで自分の職業に真摯に取り組む大人として描かれており、そんなバランスの取れた関係がいいなぁと思いながら読みました。

平井の不眠症の解消を目的として二人は「添い寝する仲」という特殊な間柄となり、これを切欠に恋愛へと発展していくのですが、面白かったのは二人が明確にお互いのセクシュアリティに言及しなかったことです。

ストレートの人間同士で添い寝って…。家族でないかぎり、いくら何でも余程の好意がないと無理というか普通に気持ち悪いんじゃあ…という冷静なツッコミを脇に置けば、少々強引な展開に驚きつつも全体的には萌えました。

不眠症が改善していくに従って平井の糖度が高くなっていったのは、きっと彼の本来の性質が戻ったのだろうと思うとニヤニヤが止まりませんでした。

1

職人なのに優秀な営業マンでもあるのね

家具工房で働く職人・幸樹は、『ホテル・ハイぺリオン』のロイヤルスイートをリニューアルするに当たり、ベッドの作成を依頼され見積もりにやって来ますが、ホテルの代表取締役である平井に一蹴されてしまいます。
ホテルの格式に見合うベッドを作るため妥協したくない幸樹は、平井に分かってもらえるまであきらめず説得を続けますが、そんな中平井が不眠症である事が分かります。
眠らずに仕事をしようとする平井を心配した幸樹は、平井がベッドから起き出さないように一緒のベッドに寝て見張ると言い、二人は一晩一緒のベッドで過ごしますが、この事をきっかけに二人はプライベートでも親しく付き合うようになります。

とにかく幸樹が自分の仕事に対して誇りを持っているのが良く伝わってきました。
幸樹自身職人でもあるのですが、頑固で融通が利かない(いかにも職人肌!)という感じではなく、さりげなく自社製家具のアピールが出来る優秀な営業マンのようで、始めは全く乗り気ではなかった平井の気持ちが動かされる気持ちがよく分かりました。

プライベートでの二人のやり取りとしては、不眠症の平井が幸樹と一緒だと良く眠れるという理由で付き合いが続いていきます。
不自然な流れではないのですが特別印象的という感じでもなく、個人的には仕事の上でやり取りをする二人のシーンの方が面白かったです。

恋人同士となり同棲する様になった二人のその後を書いた「ふたりなら迷わない」は、幸樹がこの先も平井の恋人として付き合っていけるのか、もしかして自分は相応しくないのでは!?と思い悩んでしまうと話でした。

こちらはストーリーとしては王道で、全体的な流れを楽しむというよりはその後の二人のラブラブ振りを堪能した感じだったのですが、それにしても最初に登場した時はあんなに無愛想で気難しそうな平井だったのに、恋人が出来た途端に随分と甘い男になっちゃって…と、そのデレデレ振りにはちょっと驚いてしまいました。

3

「家具製作」という仕事に対する真摯な姿勢が感じられて良かったですが・・・

家族のほかは従業員二名という零細企業とはいえ、そこそこの歴史を持つ津田家具店の息子で職人の幸樹は、高級ホテルのロイヤルスイートの主寝室のベッド制作の依頼を受けて当のホテルに出向くが、応対してくれた社長・平井は無愛想であまり話に乗り気でない。
平井の祖父が勝手に依頼した・・・というのがその理由だが、とりあえず見積もりを出すことに。
しかしほとんどの工程を精魂込めて手作りする津田家具店が出した見積りはかなりの高額で、平井にはけんもほろろに断られてしまう。
仕方がないと思いつつも、幸樹は何とか津田家具店の家具の良さを平井に知ってもらいたいと工房に招いたり、めったに予約の取れないことで有名な高級旅館にある津田家具店製のベッドを見せたりするが、そんな中、平井が実は不眠症に悩んでいることを知る。
一泊二日の接待の夜も、「どうせ眠れないから」と一晩中仕事をしようとする平井を無理矢理ベッドに押し込んだ幸樹はなりゆきで平井の隣に引っ張りこまれてしまうが、幸樹を隣にした平井はしばらくすると眠ってしまう。
「君がとなりにいると眠れるようだ」と、幸樹は平井から“添い寝”を頼まれ、平井からの呼び出しで平井に添い寝する日々を送ることになる・・・。

二人はノンケ同士のようですが、「添い寝」してればBLですからねぇ(笑)。
しかしきっかけはそういうことではなく、眠れるようになった平井からは次第に険が取れ、一緒に過ごす時間が増えたことで親しみも沸き、なんとなくお互いその気になったところで視察をいい訳に入ったラブホテルで・・・ということになってしまうのですが、二人ともまず先に気持ちを打ち明けるのを怠ったためにちょっと悩むことになる。

「ひとりじゃ眠れない」いい年したエリート社長と、「家具職人」がツボに嵌まりそうと思って買いました。
しかしそういう萌え要素とは別に、どうも展開に無理矢理感を感じて嵌まりきれなかったというか。
この程度、気にしすぎなのかなぁ・・・。
二人が出会って近づいていくきっかけがどれもこれも強引な気がして気になってしまった。
「ふたりなら迷わない」の方も、幸樹が平井にふさわしくないと悩む話なんですが、そう思うようになってしまうきっかけもやはり同様にしっくりこない。
見合いの話はともかく、幸樹の妹の「綺麗な手でいてほしい」発言が唐突だったせいもあるかも。

しかし職人というのはいいですねー。幸樹がホントに家具作りが好きというのが伝わってくるところは好きだったです。
ひとりじゃ寝れない社長が、不眠症というのもいいけど、添い寝して貰ってる時にもうちょっとこう子供っぽい仕草とかしてくれると可愛かったのに(笑。あくまで個人的萌え)。

1

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