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表題作ポーの一族 volume 2

エドガー バンパネラ
アラン バンパネラ

作品情報

作品名
ポーの一族 volume 2
著者
萩尾望都 
作画
萩尾望都 
媒体
漫画(コミック)
出版社
小学館
レーベル
小学館叢書【非BL】
シリーズ
ポーの一族
発売日
ISBN
9784091970626
5

(1)

(1)

萌々

(0)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
5
評価数
1
平均
5 / 5
神率
100%

レビュー投稿数1

小鳥の巣に寄せて

このバージョンでは、2巻の最初に「小鳥の巣」が入ってます。
何度読んでもしみじみ傑作、ですね。確かパタリロの魔夜峰央先生もこの話が好きでらして、クックロビン音頭はここから着想を得られたとか。(最近、クックロビン音頭なる動画を見たのですけど、いい感じでした)。
正直、ポーにbl性は感じないのですが(あくまでも非blですしね)、それでも薄っすら匂いが漂っているのが今作でしょうか。中洲にある私立学校(冒頭の文の素晴しさよ!)、制服の男子たち、寮生活、そこに転入生としてやって来るエドガーとアラン、設定からしてゾクゾク萌えます。
キリアンにテオ委員長、マチアスといった生身の少年たちの間に入ったエドガーとアラン。見かけは少年(美少年)なのに何かが決定的に異質な二人に、少年たちの平和な巣は妖しくかき乱されてゆくのでした。
うーん、今パラパラと見返していても印象的な場面がたくさんありますね・・・これはもう、全ページが傑作としか私には言えませんが、bl視点で見るならば、グロフ先生の時計を盗んでしまったアランが嗜めたエドガーに逆ギレして頰を叩かれ、「だれにものを言ってるんだ。え?」とエドガーが言い放つところには高3の頃にもドキッとしましたかね。あと、キリアンたちの悪ふざけにあって、「ぼくが散ってしまっても、君は泣きもしないんだろ」と言ったアランをエドガーがばしばしビンタ、からの「僕のそばから離れるな!」のエドガーには惚れます。
他のキャラクターではキリアンがダントツで光ってまして、その後を匂わせるようなラストに、キリアンはどうなったんだろうと考えてみたり。語り尽くせない魅力あるストーリーです。
ポーの一族の前半の時間軸の基点はこの話にあり、グレンスミスの子孫になる男子とか、仄かにですが繋がりも見えてきますね。
次は「ペニー・レイン」。アランを仲間にしてから間もなく、不老不死の者となったアランが目覚めるまでのお話。
エドガーの孤独が沁み入ります。
三話目は「ピカデリー7時」。小6でポーに出会って、中2でふっと読み返したくなったのが実はこの話です。ポリスター卿の思いが理解できてから読むと、なかなか深いですね。
四話目「はるかな国の花や小鳥」。
70年代のミュージカル映画?でしょうか、そのような雰囲気も感じる短編です。
エドガーとエルゼリの会話、メリーベルを思うエドガーに、「これが愛でね、手を伸ばせば届くの」とエルゼリはバラに手を伸ばす・・・、一生忘れられない場面だなぁ。
五話目の「一週間」はアランが主人公の楽しい短編。
続いて、ポー以外の短編が三編収録されてます。私は中でも「モードリン」がガールズミステリーの趣きがあって好きです。

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