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表題作嘘と毒薬

美術教師・岸本
同僚・佐々木

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

岸本の先輩教師である佐々木は、不思議な魅力を持っていた。
あたりのやわらかな佐々木は岸本のよき相談相手でもあり面倒見もいい。
しかし時折見せる佐々木の謎めいた影に、岸本は心を奪われるようになっていた。
そんな折、視聴覚教室から聞こえてくる隠微な声に引き寄せられ、岸本は開かれた扉の隙間から男に抱かれる佐々木を目にしてしまう。
そしてそのまま、佐々木の体におぼれることになったのだ―大幅加筆&書き下ろしを収録した、忘れない愛、育まれる愛の、究極のカタチ。

作品情報

作品名
嘘と毒薬
著者
バーバラ片桐 
イラスト
みささぎ楓李 
媒体
小説
出版社
ジェーシー出版
レーベル
GUY NOVELS
発売日
ISBN
9784894652569
3

(2)

(0)

萌々

(0)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

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レビュー数
1
得点
6
評価数
2
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

まさかの攻めの親子どんぶり

いつも読むBLはかっこよかったりエロティックだったりあまあまだったりと
少女漫画少年漫画だったりと結構いろいろ読んでいるつもりでしたがこれは違う!
これはあれだ!「昼ドラ」だ!!!
ねじ曲がった愛の形、一人の男によって翻弄される男たちです。


もう、佐々木と岸本の馴れ初めがなんともドロドロと大人のしたもので
佐々木がある日の放課後人気のない廊下で服を乱しフラフラとなりながら歩いてくる
そんな姿になぜだかドキドキした岸本「まるで事情のあとのようだ・・・・まさか?」
気になりだしたらとまらなくなり岸本は佐々木が放課後誰と何をしてるかをつきとめようと
必死になる。
そして、男が二人重なる姿を目撃してしまいさらにはそこで誘われ見物客がいる中佐々木とセックスをしてしまう。
二人の関係はまさに「不倫」そして、岸本を心の中で蔑み見下していたはずなのに
どこにでもいる平平凡凡でいてこずるくてちょっと間抜けででも優しいその男へ何かを期待し
そして知らず知らず求めてしまい家族より自分をとってほしいと願う。

これが男女なら「なに恋愛きどってんのよ!!」となるところですが佐々木の過去が過去だけに少し同情するしその危うさが人を虜にしていくんだなぁと恐ろしくなりました。(こんな女いたらイヤだ)
二人の逢瀬中は佐々木のひねくれた感情がよく読みとれます。それを知らずにニコニコと付き合う岸本がなんだか哀れです。
そしてクリスマスの日、岸本に「家族に適当に嘘ついてよ」とだだをこね「何時になってもいいから」と期待していないはずなのに彼のためにプレゼントを選びワインを買い深夜遅くまで起き待ってるつもりはないのに待ち続ける佐々木。


後半はなんと岸本が交通事故で亡くなり、岸本の息子が佐々木が努める私立の高校へ入学しそして佐々木へ復讐しようとするところから始まります。

親子なのかなーーやっぱり(笑)父親の不倫によって離婚したことで佐々木への憎しみをつのらせどうにか佐々木に復讐してやろうと非合法の薬を使い佐々木を犯す。
犯すまで余裕たっぷりだった佐々木が乱れあえぐ姿がたまらなく淫らで復讐しているはずがハマっていってしまう。
それでも、ひとたび服をきた佐々木はまたいつも通りの穏やかな笑顔で女子生徒に人気の先生へと戻る。
まるで自分とのセックスなんてこれっぽっちも気にしていないかのように・・・。
どうやって父親をたぶらかしたのか・・・父を愛していたのか?自分がその間母親に摂関されつらい思いをしていた間彼らは幸せな生活を送っていたのか?
ぶつけたい気持ちはやまほどあるはずなのにいつの間にか佐々木個人に執着し愛を求める。


ラストはまるで穏やかな二人だけどこれってちょっと曲がった愛だなーって
岸本は天国でのんきに「息子をよろしくねー」くらい言ってそうです。

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