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表題作肩ガ触レルホド

滝川総司 後輩
瀬田翠 先輩

その他の収録作品

  • そして、青年たちは・・・

あらすじ

瀬田は左脚に障害を負っていた。
失ってしまった脚の機能を果たすように、傍には滝川という男がいつも身を潜ませている。
滝川の喧嘩にまきこまれ、障害を残したのが原因だったからだ。
瀬田は特別な位置を甘受していたが、同時に、いつまでもこの関係が続くことがないことも知っていた。
教え子から兄が姿を消したと相談を持ちかけられ、瀬田は滝川とともに行方を捜し、自らの想いも同時に追う。
珠玉のハードサスペンスロマン。

作品情報

作品名
肩ガ触レルホド
著者
中原一也 
イラスト
岩崎陽子 
媒体
小説
出版社
ジェーシー出版
レーベル
GUY NOVELS
発売日
ISBN
9784894652514
3.6

(3)

(1)

萌々

(0)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
11
評価数
3
平均
3.6 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数1

大型ワンコ、しかもヘタレ

攻・滝川総司(20)
受・瀬田翠(21)

大学生。
出会いは高1と中3。

トラブルを引き寄せる体質の瀬田は、本人の意思とは無関係に「伝説」が出来てしまっていた。
その「伝説」に挑戦してきたのが、中学3年生の滝川でした。

瀬田よりもチビだった滝川を追い返したのですが、翌年、追いかけて同じ高校に入った滝川は…瀬田よりもデカく成長してました。
ウエイトが違うため試合はできないが、練習試合でいいからと食い下がる滝川。
「一日だって先輩を忘れたことなかった」と(試合相手、という意味です、この時点では)。

しかしその練習試合は結局実現しませんでした。
滝川のケンカに巻き込まれ左脚をサバイバルナイフで刺され、脚を引きずるようになってしまった瀬田。
それを自分のせいだと責めて、滝川は瀬田の足となってずっと付き従っていました。

瀬田は自分の脚の後遺症のことなど、あまり負担には思っていないんです。
でも、滝川の責任感に付け込んで自由を奪い縛り付けている事を、申し訳ないと思いつつも開放してやれないでいる。

滝川は瀬田の脚のケガは自分のせいだと言い張り、瀬田の側でずっと「アシ」として働けたらと思っています。
純粋に「瀬田先輩」の役に立つのが嬉しくてしょうがない。

そこに絡んでくるのが、瀬田の家庭教師先の家族の行方不明事件と、滝川の同級生の準ミス。
準ミスの策略で参加した飲み会で、滝川が好きなものって何?と尋ねられ、
「瀬田先輩」
と答えかけて自分の気持ちに気づく滝川。

ケガを理由にして、何時までも瀬田の側に居たかった理由をやっと自覚します。
そして不埒な妄想を振り払うように準ミスの誘いにのってしまう(←バカ)。

事件を一人で追う瀬田は失踪の謎を解くのですが、犯人に拉致られてしまいます。
瀬田の姉からカミソリ入りの手紙を見せられ、慌てて瀬田を探しに山に入った滝川。
暴行を受けた身体で倒れていた瀬田を発見して、やっと宝物を手に入れました。

「脚のケガ」を理由に、無意識にお互いがお互いを縛り付けていたわけです。
本当の感情を「責任感」や「義務感」といった言葉に置き換えてたあたりがじれったいし、滝川のワンコっぷりがたまらないです。


『そして、青年たちは・・・』では、準ミスにカミングアウト。

恋敵である彼女に「滝川を手放すつもりはないから」とハッキリ言った瀬田。
平手で思いっきり殴られます。

殴られたのは滝川を手に入れた特権だから、と準ミスを許してますが…瀬田さん、滝川を一発殴っときませんか?
そもそもは中途半端に準ミスに手を出した滝川が悪いんですから。

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