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表題作よくある話。

会社の花形部署外商部一の出世頭25・池田優作
冴えない中年オヤジの業務部の課長36・袴田俊樹

あらすじ

妻と別れ、気力も精力も減退気味の袴田は、ある朝目覚めると、若いエリートサラリーマンの池田と同衾していて…。年の差ラブ。
出版社より

作品情報

作品名
よくある話。
著者
中原一也 
イラスト
朝南かつみ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344816046
3.4

(41)

(7)

萌々

(9)

(21)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
15
得点
137
評価数
41
平均
3.4 / 5
神率
17.1%

レビュー投稿数15

よくある話

な、わけないじゃん。
目覚めたら、そこは知らないホテルのベッド。
裸の自分の隣には、これまた裸の、若い、男?

中原さんのオヤジ成分を求めて、積み本の中から発掘。
なんだか既読のような気がしてたけど、実は読んでなかったみたい。
そして、ドラマCDも出ていて、そちらの方は、先に聞いていたことも忘れていましたが、、、。

この、
「ま、いっか」
で、すべてを流しがちな袴田36歳。
枯れすぎて、変人。
その袴田に就職面接で一目惚れした池田25歳。
年上好きの妄想好き、これも変人、っていうか、変態?
この残念な男達が朝南さんの挿絵だと実に男前。
お互いにこれだけ見目見栄えがよかったら、うっかりセックスで、燃え上がっちゃってもしょうがない。
だけど、ふとしたきっかけで、考え込んでしまう。

36歳はちっともオヤジじゃない。
これからが、いい感じにエロエロに脂がのる時。
ガンバレ!

しかし、この池田って、、、
原作読むと、袴田の三木さんはあってもいいけど、池田の森川さんは、、、、。
きっとCD聞いた記憶がないのって、、、、脳内delete、、、、。

0

年齢より性格のせいだと思う。

袴田は、36歳にしてまるでご隠居一歩手前のような枯れた男。
「36歳」という年齢は10代や20代半ばくらいの人からみたら立派なオヤジかもしれませんが、実際はオヤジというのは可哀相だと個人的には思います。
それに袴田の枯れ具合は年齢よりも性格的なものっぽい。
10代の頃から袴田はきっとこんなヤツだったんでは・・・。

夢は縁側で昆布茶でひなたぼっこ・・・と覇気がなく、面倒臭がりで「ま、いっか」と物を深く考えず、たえずボンヤリしてて何があってもハイになったりローになったりしないし、どことなくネジが緩んでるか2、3本飛んでるような感じがする。
「子供ができちゃった」と言われて結婚したが、妻が10ヶ月以上たっても子供を産まないことにも疑問を抱かない。もちろん妊娠は嘘だったのだが、腹が出ていないのも「そういう体質」という妻の言葉を「そんなこともあるか」と鵜呑みにする。なかなか生まれないのも「出産が遅れている」と言われれば、そうかと納得してしまう。
こんなだから妻に離婚される。

そんな袴田に入社試験でひと目惚れし、袴田の離婚を期に積極的アプローチをしてくるのが外商部のホープでバイの池田。
見た目も良く仕事も出来、性格もいい。
非の打ち所のないいい男だが、なんと池田はAV大好き。
AVについて語りだすと我を忘れてひとり芝居してしまうくらい(笑)。

BLのキャラってAVには興味を示さない主人公が多いと思うんだけど、珍しい。
嬉々としてAVを語る男って、女性の目からは評価が辛いような気がするし。
しかも池田はAVでよくありがちな「人妻と義弟」とか「社長の奥さんと社員」とかの設定で、袴田とHするのを楽しんでいるのだ。
しかしこれが今後の展開に関わってくる。
実は袴田の元妻は、池田が大ファンでビデオを全部持ってるくらい大好きなAV女優。
それを知った袴田は、それまで真っ直ぐに自分に向けられていた池田の愛情に疑心暗鬼になりはじめる。

袴田の変な人ぶりが面白い。
池田にはさすがに最初はちょっと引いたが、普通の男子ってきっとこんなもんかとも思うし、袴田への愛情に嘘偽りは全くないので、だんだん好意的に見ることができた。
コメディタッチで、楽しい一冊でした。

9

オヤジ受け

オヤジと聞いて連想する作家さんと言えば、そうです、中原さんです。
いつもは“オヤジ攻め”な中原さんですが、今回は“オヤジ受け”
まだ36歳なのに、くたびれ涸れているオヤジ・袴田。
この袴田が、中学生のときに見たアダルトビデオの影響で、男女にかかわらず年上好きになってしまったイケメンで仕事も出来る池田に惚れられ、迫られることとなります。

いろんなことを、そう深く考えず「ま、いっか」とやり過ごす袴田は、同窓会で再会したAV女優の未央子から「出来ちゃった」と告げられ結婚したけれど、それは嘘で、1年ほどで離婚。
離婚を聞いた池田は、本格的に口説き始めたわけです。
このあたりのやりとりが、袴田の天然さが爆発してて面白いんです。
袴田は間が抜けてるし、池田は必死さが伝わってきて。

でも、池田に対する気持ちを袴田が自覚し始めた頃から、ふたりの間がギクシャクし始めます。
池田に溺れることを怖れ始めるんですね、袴田は。
おまけに、池田が大好きなAV女優というのが、袴田の元妻だったことがわかってからは、元妻にまで嫉妬し始める自分を嫌い始めちゃうし。
そんな袴田の背中を押す事件が起こり……。

なんだかどこかで読んだような設定が、あちらこちらに見える気はするんですが、最後まで一気に読ませるくらい面白かったです。
起こった事件は、「またそう来るか」と思っちゃいましたけどね。
王道と言えば、王道な展開なんでしょうねぇ。

『同じ会社の人間』から『池田雄作』に変わった瞬間、と言う表現が好きです。
今まで気にもかけていなかった人間が、特別な人間へと変わっていく瞬間って、なんか素敵だなぁ~と思いました。

5

“よくある”話ですが、面白い

大抵が作家買いのため、あらすじとか関係なく買ってきちゃうんですが、まさかこんなにコメディタッチだとは思いませんでした。いい意味で裏切られたし、楽しかった。

昼行灯というかご隠居様というか、万事に覇気がない業務部の課長・袴田(垣間見える仕事ぶりからは、無能だとは思えない)が、気がついたら外商部の若手ホープ・池田にいただかれちゃって・・・という“よくある”エピソードから始まるお話。

何から何まで冴えない男、さらに本人自身も平穏な生活を望んでいるため冒険もしない、結婚も妻に迫られたからだし、離婚も妻に切り出されたからと、何にも魅力がなさそうなおじさんの袴田ですが、池田の萌えツボにはヒットしたらしく積極的に迫られます。
淡白な方と言いながら、迫られれば意外にも乗ってしまうから流されてエッチ、それもマニアック。
会社の部下や元妻に見せる意外な男気。
元AV女優の元妻に嫉妬はするし。
挙句の果てに自分が振ったのに、去られて気付く恋心。
「ま、いっか」という彼のせりふが端々に出てきて、それがキーワードなのかなとも思ったのですが、袴田が若返ってくるとともに「ま、いっか」を言わなくなります。そこにオジサンの成長がうかがえる?
池田は池田で、外見が良く仕事ができ、間違いなくモテるのに、バイで年上好き、趣味はAV鑑賞という変態気味なので、最初から最後まで三枚目にしか見えません。
こちらの方は袴田への気持ちに最初から筋が通っているので熱血です。たまに悩んだりもしますが、常に前向き。

最終的にご隠居・袴田も少し若返った感じで、私も元気が出た感じ。軽く読むにはピッタリのお話でした。

4

中原先生のオヤジ受け!!!!!!!

 きゃ~~~~。萌え萌え~~~。

 中原先生の新刊は、全て買います。最近は刊行ペースが速くて、ファンにはありがたいです。

 中原先生といえば、攻めのオヤジのフェロモンだだもれ、でやられまくるのですが今回はオヤジ受けですよ! はぁはぁ。(変態か!)

 オヤジのひょうひょうとした感じとか、若い攻めの一途な感じとか(でもやっぱりフェロモンは出てる)、とってもよかったのですが、何より攻めの妄想が面白かった。めちゃくちゃカッコいいのに、AV好きの熟女好きで妄想をしまくってるって……。
 いつもより、ギャグっぽかったです。でもちゃんと、キュンってするところはあります。

 それと、仕事のことも少ししか書かれてないんだけど、ちゃんと専門的なことが書いてあって、取材しているのかなーと思いました。


 毎回、期待を裏切られないので、本当に好きな作家さんです。

3

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