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表題作マーガレット

境日向 高校三年生
氷室拓巳 高校三年生(一年留年している)

あらすじ

高三の冬、日向はサボリの常習であるクラスメイト氷室と出会う。
一学年ダブリの彼は他のクラスメイトたちとは異質な大人っぽさを持っていた。
従兄弟の葉月に嫉妬されながらも氷室に惹かれる気持ちを止められない日向。
無愛想な氷室は日向に心を許さないかに見えたが…。

作品情報

作品名
マーガレット
著者
三浦煌 
イラスト
津田人志 
媒体
小説
出版社
茜新社
レーベル
オヴィスノベルズ
発売日
ISBN
9784871822398
3

(2)

(0)

萌々

(0)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
6
評価数
2
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

ツボでした

ツボでした。
かなりモヤモヤの残るラストではありますが、こういう「解決してしまわないラスト」って私のツボです。余韻がタマラン。

こういうのって鬱エンドでもバッドエンドでもないんだよね。そうとらえられがちだけど、悲劇でもない。
主要登場人物のほとんどみんなが高校生なんだけど、この先の彼らには長い長い未来があるのだ。
様々な葛藤に直面し、乗り越えたり、傷ついたり、関係性を作り替えたり、出会ったり離れたりまた巡りあったりするのだ。気持ちも刻々と変化する。高校生のときのままの気持ちを持続できる人なんていないわけで。
「気持ちを確かめあいました→エッチしました→めでたしめでたし」という作品も勿論いいんだけど、こういう作品ももっとたくさんあっていいのになァと思う。
こういう作品には、エンドマークをつけないで、巻末に余白をいっぱいつけて欲しいなーと思ったりするw真っ白な未来を暗示するような余白。(まあ予算的に不可能なのは承知してるのですがw)

2

そして、これから・・・

受視点なので一見すると受の恋物語だけど、この出会いは攻のための癒しと救済だったのかも?
タイトルの意味と結末で、そう思ったけど。 どうだろう・・・
ひまわり、じゃなく、マーガレット!なのが、じ~んとくる。

【無愛想×心優しくて健気】
健康な受が羨ましくて妬ましくて、でもずっと傍にいてほしいと執着する体の弱いイトコ。
そんなイトコを愛しく思い従順に従う一方で、過去に人妻と心中事件を起こした攻に心惹かれる受。
そして、過去の恋を引きずり、投げやりな日々を過ごす攻。
受の実家の旅館に、攻を知る男が滞在したことから、関係が変化し・・・。

それぞれの感情が複雑に絡んで、一筋縄にいきません。
そんな中、受と攻の気持ちが一時の間、重なり合い求め合うんだけど、それは永遠ではなくて。
受を冷たくあしらう攻の気持ちがほとんど見えなくて、嫌なヤツにしか見えないんだよねー
でも、過去の事件の真相が終盤で明らかになって。
だからこそ、最後の攻の独白は、じんわり泣けてしまった!
傷付いた心を受に癒されながらも、自分が犯した罪を許せずにいる攻。
そんな孤独さがとても切なくて、もどかしいvv

すっきりしない終わり方で、もやもや感が残るけど、これで正解なのかも。
だって、まだハタチ前で人生はこれから!
一度交わった2人の人生が、このまま平行するのか再度交わるかは、ご想像におまかせ・・・そんな物語の序章・完結って感じ。
一生に一度の恋を永遠に貫くのは理想だけど、これが現実なんだよね~
ホント恋ってままならない。
読後に2人のその後をいろいろと想像させる、とても深い話でした。

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