コミカルチェリーボーイラブ

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作二十六年目の恋人

日下部聡介,37歳,テクノシステム社長,バツ2
海野瑞貴,25歳,乙女な童貞社員

その他の収録作品

  • 愛と試練と妄想と
  • あとがき

あらすじ

「君の初めてを、私がもらうんだ」
凡庸な社員の瑞貴は、実は25歳で『童貞』の絶滅危惧種。そんな瑞貴の想い人は、社長の日下部。憧れの日下部に、童貞だとバレてショックを受けるが、気づけば薄桃色の乳首を何故か弄られるハメに!! 本当の快楽を知らない瑞貴の躰を征服せんと熱心に誘う日下部は、瑞貴の思いのほか淫らな躰にのめり込むが、イマイチ気持ちの相互理解が得られてないようで?? そんなコミカルチェリーボーイラブ
出版社より

作品情報

作品名
二十六年目の恋人
著者
高尾理一 
イラスト
カワイチハル 
媒体
小説
出版社
アスキー・メディアワークス(角川グループパブリッシング)
レーベル
B-PRINCE文庫
発売日
ISBN
9784048678070
4

(60)

(25)

萌々

(17)

(12)

中立

(5)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
17
得点
234
評価数
60
平均
4 / 5
神率
41.7%

レビュー投稿数17

なにこれ、面白い!

おー! 高尾さんはコメディもこんなに面白く書けるのかー!と目からウロコの大発見です。
馬もの?王道と、極道もの王道しか読んだことなくて、王道シリアス派の方だとばっかり思ってたんですが、今回のお話は王道コメディでした。
でも王道は外せないようです。まあ逆にそれで安心して読めてたというのもありますから。王道もまたよしなのですよ。

瑞貴はどこにでもいる平凡な容姿の平凡な会社員。だけどちょっとだけ人と違うのはゲイであり、更に齢25歳にして童貞であった事なのです!(表題が年齢と違うのは、作中で26歳になるため)
ゲイであり行きずりの関係をよしとしない瑞貴は、童貞なのはある程度仕方ないと思ってるのですが、やはり恥ずかしいのでひた隠しにしてるんです。
ところが、ある日それを部署の先輩である高山に気付かれてしまい、更に大っぴらにからかわれてた時、通りかかった社長の日下部に思いっきり聞かれてしまいます。
この日下部というのが、瑞貴の密かな片思いの相手なのです。入社試験の時に一目ぼれしてしまい、社から出向してて社長の姿を見れない時も妄想で乗り切ってきた、憧れの人なのです。

瑞貴の特徴として、度の過ぎた妄想体質であることも忘れてはいけません。
この妄想癖のおかげで何度も何度も話に色を添えてくれましたから。そして二人の気持ちのすれ違いの大きな原因にもなって行きます。
キッチリくっつくまではかなり悶々とさせてくれました。
そして、日下部に憧れ、緊張するあまり結構マヌケな失敗もします。ついでに言うとかなりの天然でもあります。
普通ここまで来るとイラっとくる要素満載ですよね。そのイラっとくる感覚を誤魔化さず、そのまま日下部の怒りにちゃんと充ててるのが上手い!
変に同情もせず、美化もせず、まんま天然のもたらすイライラ感をきっちり見せた事が今回の話の面白さに加わってました。
まあ瑞貴はそんなドジっ子な訳ですが、一たび仕事になるときっちりこなし、中々優秀な社員だったりします。それも今後の話にも大きく影響します。

瑞貴視点の時は大いに笑わせてもらい、日下部視点の時にはまた違う姿が見えてよかった。
特に最初はイラつくだけだった瑞貴を、どうっやって日下部が好きになっていくかというのを垣間見るのが面白かった。
本当に最後まで楽しませてくれる良作でした。
これからももっともっとこんな作品を書いてくれるといいのにな。
特にこの作品はぜひシリーズ化していただきたい! 無理ならどんな形でもいいのでスピンオフ出してほしいな。
だって、凄く気になってた高山(瑞貴の先輩社員)と西沢(社長秘書)について一切語られてなかったんだもの!! 受攻すらイマイチわからないんだもの!! ぜひこのテイストで続きが読みたいです。

11

妄想爆走チェリーボーイボムだった

こんなにコメディだとは思わず手に取った本でしたが、読み進めるうちに、コメディ好きとしては萌えツボ刺激されまくりで、思い切り楽しめました☆
主人公の妄想の暴走ぶりが見事で、ズレまくりの二人はもはやラブコメの王道と言えるのかもしれませんが、変に小細工を使ってない分ダイレクトにその愉快さが伝わって、吹き出しまくりでした。

26年も童貞でドジっ子で泣き虫で妄想癖があり、外見も人並みで特に並はずれているわけでもなくて、、そんな主人公・瑞貴・・・こういう場合自分”乳くさい”とか思っちゃうんですよ(偏見)
だからイケメンでバツ2で、大人な社長・日下部には、こんな瑞貴は絶対イラっとして、絶対欲情なんてありえない、って思うわけです。
これで瑞貴がおバカ社員だったら、そのまま歯牙にもかからないわけですが、ドジは目の当たりにしていても社内や出向先での評判は良いので気になるわけですよ。
どこが優秀なのか見極めようとするのですが、何せ瑞貴は日下部に一目ぼれして童貞捧げたい相手ですから、もう緊張しまくりで、ひんしゅく発言は大声で飛び出すし、ドジばっかりするし、イイところなし。
それが酔い潰れてしまった彼の乳首をみて、ムラムラしたのがきっかけだったという、何とも男くさいきっかけ。
乳首ですよ、乳首!
乳首舐めたい欲望と、童貞捨てたい欲望が一致して、脱チェリーがなるのですが、お互いが片思い同士だからすれ違うこと山の如し??

瑞貴の各所で発生する妄想がおかしくて、その妄想前提での発言とかで結末決めとかしたりしてるから、またややこしくなってみたり。
とんでも発言は、日下部でなくても楽しいが色気は感じない。
しかし、それを可愛いとか思うのは恋する男ゆえなのだよねと思う。
自動車のテールランプなんか「未来予想図」ですよ、ラブですよ(汗、)
しかも書き下ろし後日談はやはり”乳首”がポイント♪

日下部の秘書・西沢と瑞貴の先輩・高山(←カプらしい)が気になる、気になる、気になる、、、やはりツンデレ眼鏡なのか!?
久々に優秀なラブコメを読んで大変に満足いたしました~

9

こんなに面白いと思いませんでした

表紙にいる黒髪の男性の絵に惹かれ読んでみたら、
びっくりするほど、萌えた!不意打ちでした。
この黒髪の男性(表紙左)は、社長で攻め。
そして、茶髪眼鏡(表紙右)は26歳の社員で受けなんですが、

この受けの男の子、自分がゲイだと自覚しながらもネコ派で、かつ消極的なのです。
そのため、生まれてこの方なかなかそういう機会に恵まれず、簡単に言っちゃうと童貞。26年間もの間、純潔を守りとおしてきたのです。

この子がすごく良かった!
社長のほうも素敵だったけど、それ以上に受けの男の子がとても可愛くてびっくりです。
攻めに迷惑ばっかりかけるヤンチャ系の受けは嫌いなんですが、
この受けの場合は迷惑かけつつも健気で純粋で控えめで、品があるんです!

それでいてチャンスさえあれば童貞を捨てたいと悶々。
自分を抱いてくれるイケてる男を虎視眈々と狙っていたりもして、ウケました。
積極的ではないけれど、人一倍妄想はたくましいのです。

わたし、ゲイで童貞って設定好きです!

そして、何より、人物が皆生き生きしていて楽しかった~。
会話が自然だし、面白いんですよ。

ちょっと、ほんのちょっとだけど、九州男児さんのネコ侍の雰囲気があるかなぁ?と思います。
いえもちろん、絵的には全然違いますけどね、ヤマトと瑞希(この作品の受け)じゃ。
この作品の受けの容姿はキレイ系ですもん。しかも最終的には報われてるし。
だけど、笑いの香りがそこはかとなくネコ侍。まー童貞繋がりですしw

なんにせよ、良い作品と思います。

この作家さんの作品を初めて読んだけど、ファンになったかも!

あとがきを読むと、雑誌のショコラに載ってたみたいですが、
今回一冊の本にまとめられ、読む機会に巡りあえて、良かったなぁと思います。

7

おっかしくて、にやけっぱましでした。

面白かったーーー!
『お侍、拾いました。』の高尾さんですが、もだもだ攻めじゃなくても、すごくよかったですよ社長攻め。
主人公は25歳の会社員瑞貴君。ゲイであることよりも童貞ということに強いコンプレックスを持っています。
今時めずらしく純情で、お人好しがゆえに頼まれる仕事も多く、それをしっかりこなしていて、引く手数多な瑞貴君。
そんな彼の唯一の趣味は…妄想(笑)
入社前の面接時に一目惚れした日下部社長(バツ2子供なし)と、どうにかなるわけもないとわかっているからこそ、妄想たくましくしているわけですが、それがひょんなことからどうにかなってしまうのです。
その「ひょんなこと」というのが乳首なんです、ええ。
瑞貴君が酔い潰れてしまったのを介抱する羽目になった社長が、はだけたシャツから垣間見えた彼の乳首にムラムラしたのがきっかけだったというね(笑)
ビシッと隙のないデキる社長、しかもまるっきりなノンケのくせに、色香漂う美青年でもなんでもない、どっちかというとちょっとダサめな瑞貴君の無垢な乳首を舐めたいと思ってしまう辺りが、変!
メソメソすぐ泣く受けって嫌いなんですが、なぜ瑞貴君にいたっては可愛い思ってしまうのか私よ。
ドジっ子で天然でイラッと来そうなキャラなのに、微笑ましく思えてしまうところが、高尾さんの腕だなあ。
社長が徐々にほだされるのも頷けるし、ドン引きしてもおかしくない暴走気味の妄想を聞かされても、まったくこの子は…と、社長がなってしまう魅力がたしかにあるんですよ瑞貴君。
天然ならではの受け答えもおかしく、社長に好きな「料理」を訊かれてるのに「ウインナです!」と元気よく答えたり、「めくるめく官能の夜を経験してみたい」だとか「清らかなまま死んで天使になる」なんてことを静かな店内場で大声で言ってしまったり、次々出てくるこんなセリフに何度吹き出したことか。
終始ニヤニヤしっぱなしで読んでしまいました。久々にBLでこんなに笑ったなあ。
「ぜっったい家で読むべし!」と帯に注意書きが必要です。BLは家でしか読まねえか。

6

この本に高い評価をいれて下さった皆様、ありがとうございます。

先日読んだカワイチハル先生の漫画に魅了され、先生の絵をもっと見るために、先生がイラストを描かれている中で一番評価の高かったこの本を買ったのですが、話も大変面白く、最近私が読んだ小説の中では一番でした。

私がこの本を読めたのは、先に読んで評価して下さった皆様のお陰です。有難うございます。

イラストがカワイ先生でなかったら、こんなに面白い話を読まずに済ませるところだったと思うと怖いくらいの気持ちです。

高尾先生のほかの本も注文するつもりです。

本音は「萌×2」ですが、読み逃す人が一人でも減ることを願い、「神」に致しました。

6

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP