気まぐれな賭で始まった、マイ・フェア・レディ的な恋物語♪

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表題作可憐な薔薇の育て方

ウィリアム・アーレント、映画会社社長プロデューサー
椎名真人、前オーナーに請われて月一で歌うウェイター

あらすじ

「ある映画主題歌を君に歌ってほしい」突然、超美形な外国人・ウィリアムに声をかけられた真人は、彼に磨かれながら歌の才能を開花させていく。しかし、ウィリアムが自分を選んだ理由が友人との「賭」だと知って…?
出版社より

作品情報

作品名
可憐な薔薇の育て方
著者
河合ゆりえ 
イラスト
六芦かえで 
媒体
小説
出版社
角川書店
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784044530068
2.6

(5)

(0)

萌々

(0)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
12
評価数
5
平均
2.6 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

賭け事の裏に潜む真摯な願い

今回は大富豪の御曹司にして映画会社の社長と
大学をあきらめて働くウェイターのお話です。

攻様にとって遊びの賭けの対象が本気の恋になるまで、
または才能を見出された受様がプロの歌手になるまで。

本格ジャズ歌手の従兄弟と入ったクラブで
歌っていた青年に興味を惹かれた攻様は
従兄弟に暇つぶしの賭けをしようと持ちかけられます。

ステージの青年がプロとして成功するか、否か。

成功する事に賭けた攻様は
映画会社の社長を努めていますが、
映画音楽のプロデューサーとしての顔も持っています。

ちょうど恋愛映画の主題歌を探していた彼は
賭けの対象となった人物に歌わせよう画策します。
その人物こそ今回の受様です。

受様はクラブでウェイターをしていますが、
若い頃歌手をしていた母の影響で、
リクエストで月に一度、ステージに上がっています。

自分にプロになれるほど才能はないと思っている受様ですが、
店の客に売られかけたところを助けてくれた攻様に
次作の映画で主題歌を歌って欲しいと頼まれます。

君の歌を聴いてその素晴らしい才能に惹かれたんだ。
どうしても君を起用したい。

優雅で凛々しく完璧なまでに洗練された攻様に
ぜひにと乞われた受様はイエスしか応えられません。

最初は譜面も読めない受様に難色を示した関係者も
実際に受様の歌を聴くとその才能を賞賛しますが
見た目にダメ押しをされてしまいます。

しかし攻様は自信満々。
マスコミでも紹介されるスタイリストに髪を切らせ、
有名ブランドで次々と服を選び、
あげくは攻様の自宅の一室を住まわせようとします。

歌手としての自信をつけさせる為に
君が自分を正統に評価できるように変えていく。
俺と暮らして我侭になるくらいで調度くらいだと。

社交辞令にたけた百戦錬磨の攻様に
世間に不慣れな受様がかなう訳が有りません。

攻様の言うがままに変わっていく受様。
やがて乞われるままに身体を繋げるようになります。

攻様との恋で歌に深みを増していく受様。
映画のプロモーションを兼ねたパーティでのお披露目ライヴで
惜しみない拍手を受けて喜んだのもつかの間、
攻様が自分の成功を従兄弟と賭けていた事を知ってしまい?!

BL版『マイ・フェア・レディ』。
完璧にお約束な設定にお約束な展開なので
最後まで安心して読めるのは良いのですが、
賭けがバレてから仲直りするまでも
簡単にまとまっていて残念!
キャラの性格か展開にもう少し捻りが欲しいかな。

本作の攻様は優しくして受様をものにしていますが、
今回は逆バージョンで束縛形の攻様、
葛城しずかさんの『恋のワナには逆らえない!』をご紹介します。

2

マイ・フェア・レディ的な恋物語♪

今回は
映画会社社長プロデューサー・ウィリアム・アーレント
            ×
前オーナーに請われて月一で歌うウェイター・椎名真人
のお話です~♪



小さなジャズバーでバイトをしていた
真人は歌の披露もしていた。
ある日、現オーナーに男娼まがいな
ことをさせようとするのだが、それを
助けた映画会社社長プロデューサーの
ウィリアム・アーレントでした。



そんなウィリアム・アーレントは
真人に映画主題歌を君に歌ってほしいと
告げた。そして、惜しみない愛情を注がれ、
天涯孤独の真人にとって、これからの
人生にウィリアム・アーレントは
居なくてはならない存在になった。



そんな真人はいつしか、
ウィリアム・アーレントに
淡い恋心を抱き始めたのだが……
ウィリアム・アーレントのしていた
すべてのことはただ友人との賭けだった
ことを知り…………は
見てからのお楽しみです♪

2

かなり王道

王道なシンデレラストーリー、かと思いきや、ちょっとだけ裏があるところが隠し味になっている作品。

ですが、これがなければ本当にただの「身寄りの無い日本人がセレブな社長に見初められて愛される」だけのなんてないお話で終わってしまうのではないかと。
両親を亡くし、学費をためるためバーでバイトしながら、育ったNYで暮らす真人は映画会社の社長ウィリアムに映画の主題歌を歌う歌手として抜擢されます。

レッスンを受けさせてもらい、サロンに連れて行ってもらい、服を買ってもらって置く場所がないと行ったら同じ家に部屋を与えられて…まさしく非の打ち所のないスタンダードなシンデレラストーリー。本当に当たり障りがなさすぎるところが欠点に感じてしまいました。
でもウィリアムが真人によくしてくれるのには裏があります。

ですが、その「裏がある」というのも、最初から読者にはわかるように書かれていて、加えてあらすじにも書かれていて…なんていうか、最後まで先は読めちゃうのですね。
そして裏があるといってもウィリアムが真人を愛して可愛がっているのは本当です。
なので、「本当にただのシンデレラストーリー」と取れなくも無い…。

恋に落ちていく様子も、ゲイでないのにちょっと早いような気もしました。一緒に暮らし始めてから、真人はウィリアムのことを「兄がいたらこんな感じかな?」と言っていますが、あれ、出会ってすぐにキスしてたような?あれは何だったのかな…なんて思ったり。

男同士なのに云々をもう少し取り入れてくれたらもっとよかったと思います。ちょっと「都合がいい話」ととれなくもありません。
シンデレラストーリーってそういうものだと思うのですが、それをいかにうまく調理できるかだと思います。
これはちょっと「当たり前のシンデレラストーリー」をなぞっただけ、という気がしました。

ただ安定した王道なシンデレラストーリーが好きな方にはおすすめだと思います。

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