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表題作花影の記憶

アーサー(貴族)
ロラン(執事)

その他の収録作品

  • 幸せの咲く場所

あらすじ

貴族と使用人でありながら、幼い頃から一緒に育ってきたアーサーとロラン。けれど、成長するにつれ、二人の立場の違いは明白になる。互いに想いながらも、その気持ちを受け入れることは許されず……。若き貴族と執事の禁じられた恋の物語。

作品情報

作品名
花影の記憶
著者
ミエノサオリ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
ミリオンコミックス HertZ Series
発売日
ISBN
9784813051923
3.6

(30)

(10)

萌々

(3)

(14)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
14
得点
107
評価数
30
平均
3.6 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数14

時代物の雰囲気がたっぷり

初読み作家さんです。
この作家さんの絵のスタイルが、19世紀のイギリスと思われる舞台にぴったり合って情緒が感じられます。
幼い頃から共に育った貴族の息子と使用人の2人との切ない物語が全編にわたって繊細に語られています。
2人の間で交わされる言葉は決して多くはないのですが、2人の仕草や表情で心が読めて、その切なさにキュンキュンします。
主人公2人と、攻め様の友人の3人が主要登場人物なのですが、3人とも魅力的でした。
身分の差があるために、とてももどかしい展開なんですが、こういう身分違いの切ない恋愛モノや、ビクトリア時代辺りのお話がお好きな方にはとてもお薦めな作品だと思います。

8

涙、涙、涙...

年のせいか、最近涙もろいのは自覚してるんですが、
ラストの数十ページで涙止まらなくて、ハンカチ片手に読みました。
もともとヨーロッパ貴族という設定が好きだったことと、
お互い同じ想いであるのに身分違いの報われない恋のもどかしさや
切なさにキュンキュン、涙ポロポロでした。
それに、ミエノさんの繊細な絵とヨーロッパ貴族の世界はとっても
合っていて、随所に見えるアーサーとロランの切ない表情を一層
涙誘う切ない印象にしていました。

アーサーとロランはラストまで想いを通じ合わせることができず、
その間にもアーサーの元婚約者の登場や、ロランに想いを寄せるカレルの
存在に2人の気持ちが揺れ動くものの、一向に進展させられない関係に
手を差し伸べたくなるぐらい2人はいじらしく、愛しい存在でした。

カレルはアーサーより精神的には大人でしょう。
多分ロランは彼と一緒にいる方が穏やかな一生を送れることと思います。
ロランのためならアーサーとの友情を失ってもいいと言い切れるほど
強く優しい男です。報われない彼の想いも、また切ないですね...
でも、やっぱり何年もロランのことを想い続け、自分の気持ちを
抑えこんでまでロランに近くにいて欲しいと願ったアーサーの想いが
報われて欲しかった。

想いを通じ合わせ体を重ねた後に、こっそり別れを告げ去っていくロラン
と、それを眠っているフリして見過ごすアーサーが痛々しかった...
その1年後、アーサーは全てを手放してロランを迎えに来ます。
そのことに「ああ何てことを...」と思いながら、やっと言えた
「愛しています」という心の声。このシーン大好きです!
これでやっとアーサーを幸せにできるという覚悟が出来て、
アーサーの深い愛を受け入れられたんだと思うと感動もひとしお。

「幸せの咲く場所」
その後の平凡で穏やかな暮らしをしている2人が見れて、安心しました。
全てを捨てても一緒にいることが、何年も2人が望み続けた
幸せだったんですね。

こんな切なくて温かいお話のレビューの時は、いつも使ってるような
お下劣な言葉を使いにくくて、下書きに2倍の時間かけてる自分に
笑いつつ、その間も読み直してまたボロボロ泣いてるし...
とってもいいお話に出会えて良かった~!
泣きまくって目がお岩さんになり、久しぶりにアイプチ使いました~★

6

王道だけど

全部丸ごと一冊がひとつのストーリー。

主と執事・・・という身分違いのお話。
それだけ聞くと“ありがち”と思ってしまうけど、
ストーリーがとってもしっかりしていて
読み応えありました。

読んでいて、ドキドキしたりギューッと苦しくなって
涙が出てきそうになったり、
はたまた、ちょっとホッとしたり・・・。
色んな感情でいっぱいになる作品でした。

登場する脇役(?)達も、ちょっとしか出てこなくても
とっても魅力的で良かったです!

何度も読み返して、何度も色んな感情を味わえそうな
素敵な作品に出会えました^^

5

ラッパスイセンの花言葉

主人と使用人の身分差純愛ストーリーでした。
舞台はおそらく19世紀のイギリスで庭園や花々が美しくその時代の雰囲気がとてもよく出ています。

初めは屋敷の主人アーサーは我が儘で横暴な癇癪持ちのお坊ちゃんという感じであまり良い印象ではありませんでしたが、使用人のロランに冷たく当たった後に「さっきはすまなかった···」と素直に謝っているのを見て、何だ只の不器用さんか!と急に愛しく見えて来ました。

好きだと告白し拒まれたら花に当たったり、ロランが屋敷を出ると知れば泣いて縋ったりとまるで大きな子供のようです。
草木や花よりも自分を見てほしいのに!という気持ちが暴走した結果ロランの大切にしている花畑を荒してしまった子供時代と全く変わっていない。
ロランはそんなアーサーを放っておけず傍にいる事を選びます。

しかし両想いなのにこんなにもすんなり行かないものなんですねぇ···。
お互いもう一歩踏み出す勇気があればもっと早く幸せになれただろうに。
ちなみにロランがひっそり育てていたダッフォディル(ラッパスイセン)の花言葉は『報われない恋』です···健気( ; _ ; )

ロランを口説く(?)アーサーの元学友カレルは花好きでロランとも話が合い、物腰も穏やかな英国紳士です。
アーサーみたいな気性の荒い人じゃなくてカレルと一緒になった方がいいのにーと思ってしまいました(^_^;)

ロランが慎ましやかでヤマトナデシコみたいな女性的な感じがしたので、これ受けは女性でも成り立つよなぁ···と思わなくもないですが。

男同士という事より身分差の方が障害になっている印象でした。
最後の展開は王道かもしれませんがドラマチックで素敵でした!

ノスタルジックな世界観とセンチメンタルで叙情的なストーリーが楽しめる読み応えのある作品でした。

5

報われぬ恋を咲かせ続ける

ちるちるのレビューを見て気になったので買いました。初読みの作家さんです。

貴族と執事のひたむきな愛に感動しました。
幼い頃から一緒にいたロランに想いを寄せるも、受け入れてもらえないもどかしさにイラつくアーサーも切なかったですが、好きなのに使用人である為、アーサー気持ちに応えられないロランが健気で悲しくて泣きそうになりました。
「笑っていられれば幸せなわけじゃない」というロランに愕然としました。アーサーの前で笑えなかったのはもちろん、彼のそばにいるのが辛かったからですよね。愛しているけど、けっして報われない相手の側にいて、さぞ切ない想いをしたことだろうと思います。それでも、アーサーの側でないと幸せになれないと言ったロラン。
一方、自分で引き止めておきながら、想いを受け入れてもらえないと知った途端、暇を出すアーサーに少しだけモヤっとしました。しかも、ちょいちょい花に八つ当たりしてるし。ロランに比べたらアーサーの方がまだ少し子供っぽさがありますね。
バッドエンドで終わったらどうしよう、と途中ヒヤヒヤする場面もありましたが、ちゃんと結ばれてよかったです。
一途な主従関係の物語が好きなので、私の好みでした。

5

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