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表題作一番美味しい恋のレシピ

料理番組や料理本で注目の若手料理研究家・椎名涼司
好き嫌いが多く偏食の激しい高校生・高梨歩

あらすじ

飲食店を営む父親に極度の偏食を心配された歩が、それを改善するために無理矢理連れて行かれたのは、幼い頃に「お兄ちゃん」と慕った料理研究家・椎名涼司の家だった。久しぶりに再会した涼司は優しげな外見に反して野菜を食べない歩に「お仕置き」としてキスしてきて?!

作品情報

作品名
一番美味しい恋のレシピ
著者
日生水貴 
イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
角川書店
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784044533045
2.8

(7)

(0)

萌々

(0)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
19
評価数
7
平均
2.8 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

食えない野菜があったらキスひとつ

帯に惹かれて購入しました。

偏食の受けに料理研究家の攻めが餌付け!
小さな頃、ご飯を作ってくれたりと懐いていたお兄ちゃんが海外へ料理修行に行くのですが、小さかった受けは置いていかれた!とショックを受けたようで、再会して一番最初の台詞が「あんたがした仕打ちを忘れてないから」
ちょ!どんな事をしたんだ!?優しそうな顔してえげつない事したのか!?攻め!
なんて思ったりもしましたが、おいしそうなレシピが出てきたり、「食」について考える所があったり…好き嫌いはあまりしないようにしようと思う…。笑
ルビー文庫はあまり買わないのですが、これは買って正解だったなと思います。

超偏食、マヨ命!でツンツンな受け!!
だと思っていたのですが、受けがどんどんカワイコちゃんになって最終的にはデレデレでした。笑

受けが素直になりたいんだけどなれない意地っ張りな子でとっても可愛かったです。

4

最後に美味しく頂く品は

今回は今もっとも話題の若手料理研究家と
偏食の激しい高校生のお話です。

初恋の彼に偏食を直してもらいつつ恋人になるまで。

受様は両親が幼い頃に離婚して父一人子一人。
父親との関係は良好ですが、
飲食店を経営する父は忙しく、
受様と顔を合わせる事がめったに有りません。

受様はあまり食に興味がなく、
好きなものしか食べない生活をしていますが、
久しぶりに父親と食事をした際、
出された料理全てにマヨネーズをかけて食べ、
父親を絶句させてしまいます。

心配した父親は
とある人物に一人息子の偏食矯正を頼みます。
その彼こそ幼い頃から付き合いが有る料理研究家で
今回の攻様その人でした。

攻様は有名な料理家を母に持ち、
今もっとも話題の若手料理研究家です。

大学で栄養学を学び、
卒業後一年は母のアシスタント、
その後四年を伊、仏、アジア各地で過し、
様々な郷土料理を吸収して帰国。
経験談をまとめた本が世間の話題を集め、
半年前からは料理番組のレギュラーを務めています。

母親の手料理を知らずに育った受様は
攻様に出合って初めて料理の美味しさを知りますが、
大学進学を期に多忙になった攻様は
段々と疎遠になって料理を振舞ってくれなります。

そして攻様が海外に行くと知った時から
彼に置いて行かれた寂しさにを自覚するからこそ
彼に対して怒りを抑えきれずにいました。

偏食矯正のため、そんな攻様のお家で過す夏休み。
果たして受様の偏食は直るのか?
そして淡い初恋は甘い恋愛に育つのか?

小学生相手に食事を作っている時に
攻様にその気はなかったと思いますが、
恋愛の初歩の手管、胃袋から落とされた受様。

本格派の攻様の料理に慣れた受様は
彼の食事以外は美味しくなくて
結果的に偏食になってしまった感じなので
再会した彼の食事で好き嫌いを減らしていく
ある意味お約束な展開です。

好きなあまりに素直になれない受様の態度は
大人で余裕な攻様にとって
可愛い以外の何物でもないのでしょうが、

再会時の食事で受様の味覚確認と称して
咀嚼中のピーナツツを口移しで奪ったり
「野菜を食べ残したらキス一回」と
強引にキスしたりするのは完全に嫌がらせですよ?

主題通りに行くと受様の初恋成就なお話ですが、
結構天然系で強引な攻様側から見ると
源氏物語の若紫か?!って感じが私的なツボに入った本作、
とっても面白かったです。

美味しいメニューが色々登場しますので
お腹の虫に注意してお読み下さいね♪

今回は俺様な作家と高校生のアルバイトの再会モノで、
片山智森さんの『フェイクなキスは秘密の約束』をご紹介します。

2

ほのぼの!

 高梨渉は、極度の偏食だった。
 それは、両親が離婚して以降、父親に引き取られた渉は手抜きばかりがうまい家政婦にジャンクフードや出来合いのお惣菜で育てられた。食事をする時にはマヨネーズが手放せず、ほとんどのものを「おいしい」と感じられずにいた。
 それを改善するために、連れて行かれた先は、渉が幼いころに「お兄ちゃん」と慕っていた現在は有名料理研究家・椎名涼司の家だった。
 突然、渉を置いて海外に行ってしまって以来、久々に再会した涼司は、優しげな外見とは反して、野菜をまったく食べない渉に『お仕置き』と称してキスをしかけてきた。
 渉は混乱するけれども、涼司にとっては大したことがないよう。
 翌日、突然涼司に早朝から連れて行かれた先は、畑。
 涼司の知り合いだというその人の家で収穫作業を手伝わされることになる。
 当初、いやいややっていた渉だったが、身体を動かしたことでお腹が減り、今まで食べられなかったものも「おいしい」と感じる。
 そういうことを繰り返し、また、涼司が渉の好き嫌いを考えて工夫した料理を出してくれるおかげで、少しずつ渉の好き嫌いも告白されていく。
 渉は、そういう涼司に何か恩返しがしたいとバイトを始めるが、そこの勤めるイタリア人に押し倒されてしまう。
 そこに涼司が現れて渉を助けてくれるが……

 という話でした。
 渉は幼い頃、手作りの料理を作ってくれて、「おいしい」という気持ちを教えてくれた涼司のことが気になっていたけれど、同時に渉を置いて外国に料理修行をしに行ってしまったことを恨んでもいた。
 だからこそ、「おいしい」と思っていた涼司の料理以外は食べられなくなってしまっている……という感じで。
 一方の涼司は涼司で、実は料理研究家になろうとしたのは同じ仕事をしていた母親の影響もあるけれど、一番大きな理由は渉がおいしそうに料理を食べてくれたから……という感じでした。

 どっちかというと、いきなり涼司がキスをしちゃったりしていますが、ほのぼの系のお話でした。
 渉の好き嫌いがなくなって、それどころか料理をしてくれる涼司に感謝するようになって、そんな涼司に恩返ししようとバイトを始めて……というように渉の成長をほのぼのと楽しめます。

 子どものようだった少年が成長する話がお好きな方にはオススメです!

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