ボタンを押すと即立ち読みできます!
先生が紡ぐ、愛のコトバ 英語教師・クレイ×謎めいた医師・冬雪、愛の軌跡。
タイトルの通り、秘密がある
診療所。その秘密がなんとも
想像を超えてました
忘れたい記憶、忘れていた記憶
忘れたくない記憶、思い出したい記憶、思い出せない記憶、
記憶って正解がないのに
確実なものとして
存在するときもあって
不思議なものですが
それをテーマの一つに選ばれたことが興味深いなと感じました。
ラブのお話ではあるのですが
記憶ということに気持ちが入ってしまい
BLとしてはあまりキュンとしませんでした
作品としてはぐっときました。
人の記憶を消したり蘇らせたりすることのできる医師 冬雪(ふゆき)と、
ハーフの英語教師 クレイのお話。
読む前、ファンタジーとは思わなかったので、ちょっと驚きでした。
表紙の色がメタリックっぽいんで、もっと現代的なの想像してました。
だけど、これはこれですごく好きな雰囲気。冬雪が働く病院、西町診療所がステキ。
例えるなら、なんかちょっと、ジブリっぽいかな・・・
廃屋のように古くて、緑に囲まれてて、なぜか洋風な建物。
ノスタルジーです。
お話は、読んでいくと、結構切ない場面もあるんですけど、
正直そこはあまり感情移入しませんでした。
良くも悪くもホワホワした感じがして、
これは「西町診療所」という異空間で起こった出来事ですよ~みたいな、
御伽噺を読んでいる感覚ですかね。
“萌え”の面では、一番萌えたシーンは二人の初チューです。
それ以降も、クレイ優しいな~、頼れるな~、というクレイ萌えが私にとっては9割。
冬雪は、特殊能力あるという設定や、キャラが不安定なところで、あまり人間味が無いように感じたので、萌えませんでした。
ラスト、エッチシーンが急に沢山出てきますが、
この時と、最初では冬雪が別の人のようだ! 甘甘!
あ、あとがきに「通学のかたわらネームを考えて……」とあるのを読んで、
なぜかジ~ンとしました。
正しいとか、正しくないとかでは無くて。
「つらくて逃げ出したいことや、忘れた方が幸せなこと。」そんな記憶を消すことが出来たなら、もっと人は生き易くなるのに。
そんなことをしても何の解決にもならない、ただ逃げているだけだと愛するクレイは言う。
冬雪は考えてしまう。『そう思えるのはきっとクレイが強いから。』弱い、苦しんでる人たちのことをクレイは少しも分かってはいない…、と。
苦しみも悲しみも。大きな精神的負債をも自分で乗り越えていくしか無いのだが。
冬雪は特殊な能力があり、その力を他人に使うことが出来る。そして、彼もまた大きな精神的負債を抱えていて、そうすることでしか生きる理由を、存在意義を見出せないのだ。
何が正しいとか、正しくないとかでは無く、人が生きているというそれだけで素晴らしいことなんだよ、ということが作品に込められたメッセージ。そして愛するという事は全てを受け入れるということ。
かなりシリアスなトーンで、高久先生の作品の中では異色の方でしょうか。いや、意外にあるかな。
2009年発行とのことで、エチシーンもそのせいかぎこちなさもあります。
全く予備知識なしに読み始め、途中でちょっとビックリしました。こういう話だったのか…
対患者さん相手の診療にちょっと自信のない医師の冬雪。
この冬雪に秘密がありました…
自分だけ、家族みんなが持っている能力を持っていない。自分はいらない存在なのか?
存在価値が見出せない苦しみと劣等感の中で、自分だけのある能力に気付いて……
自分は人を救う事が出来るという拠り所を得ての治療行為をクレイに見られて、クレイは力なんか無くてもあなたが大切、と言ってくれる。
ファンタジー仕立ての一種幻想的な物語だけど、テーマは「ありのままの自分を受け入れられるか」「考え方が同じで無くてもいい、相手の全てを受け入れる」という事なのかな。
BL云々というよりもっと深い心理に触れてくるような読み応えを感じました。
医療ものかと思いきやまさかのファンタジー??
地方の診療所で働く物憂げな若き医師。まるでDr.○トーのような話かと思ってましたが違います。
この医師は、医師としてはまだまだのようですね。27とまだお若いですし。
でも27、8の先生でもばりばりオペとかしてますがねぇ…やはり普通の医師は向いてないのか…
そんな医師・冬雪とある日出会った中学校教師・クレイ。
とあることから彼は冬雪の手伝いをすることになります。
そんな中、彼の秘密を知ってしまうクレイ。
冬雪は普通の医師じゃなかったのです。
特別なある力を持っていたのです。それが西町診療所の「秘密」。
その力は冬雪にとっては大切なものでもあり、また彼自身を苦しめるものでもありました。
また、家庭環境も複雑だったようで…
そんな彼を特殊な力ごと認め、包んでくれるクレイ。惹かれあっていく二人。
しかしクレイは冬雪がその力を使うことに複雑な思いを持っていました。
そして冬雪もクレイにその力を使うことや、その力を否定されることを恐れていました。
最終的に二人がどんな選択をしたのかはよくわかりませんでした。
クレイも冬雪もお互い辛い家庭環境で育ったようで、冬雪がその力を使うことに対する意見が違うのも、
それはお互いの経験による、その思いがあったから。
このあたりがとてももどかしく、切なかったです。
二人は恋人として関係を続けていくことになるのですが、結局その「力」は二人について回るものだと思うんですよね。
今後それが二人にどう関係するのかが、ちょっと心配でもあります。
この先生の「秘密」がこの作品の核なのですが、個人的にはちょっと物足りないかんじもあります。
最初はツンツンしていた先生も、いつの間にやらえらくしおらしい男性になってたし、
最初は反対していたクレイも、いつの間にやら先生の意見を受け入れてるし。
もっともっと葛藤がほしかったし、クレイが受け入れるまでの過程がほしかったなーと思います。
何より先生がどんどんキャラ崩壊…していくのが辛かった。最初のツンデレキャラはどこへやら。
高久尚子さんはもっとエロエロなイメージだったのですが、今回はエロも淡泊でした。
描き下ろしがちょっとH増量なかんじですが、こんなに淡泊だっけ?とびっくりしました。
…って思ったらすごく昔の作品なんですね、あーなるほど。
エロエロ教師の例のあの作品の「イメージ強すぎるのせいあるんですよね。