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表題作夜明けには優しいキスを

池上公平、25歳(フリーター)
西塔要、27歳(フリーター)

あらすじ

バイト先で理不尽な扱いを受けた要をかばってくれたのは、新人の公平だった。以来公平はかまってくるが、要は拒否し続ける。実は要には恋人がおり、しかも他人には言えない秘密を抱えていた…!?
出版社より

作品情報

作品名
夜明けには優しいキスを
著者
凪良ゆう 
イラスト
高階佑 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫black
シリーズ
夜明けには優しいキスを
発売日
ISBN
9784592850526
3.4

(108)

(26)

萌々

(31)

(25)

中立

(14)

趣味じゃない

(12)

レビュー数
27
得点
343
評価数
108
平均
3.4 / 5
神率
24.1%

レビュー投稿数27

めずらしくDV男に心惹かれた。

主人公の西塔は、過酷な労働に自分を置き
DV男の暴力のもとに自分を置き
自分に罰を与えているんですよ。

そんな西塔に手を差し伸べる
同じくフリーターの公平という年下の男の話なのですが
私は公平よりもDV男の加瀬にどうしようもなく
心を持っていかれてしまいました。
自分の心の弱さを暴力でしか外に出せない人間は最低だと思うのですが
加瀬の気持ちもすごくよくわかってしまって
最後の最後に加瀬の優しさがでたときは涙が止らなかったです。
ああ、私だったらこんな加瀬を放っておけないのになぁ・・・。
なんだろう・・・高階佑さんのイラストのせいもあるけど
加瀬のことが好きで仕方ありませんw

公平も、すごくいい奴かもしれないけど
私にはちょっとうっとおしい感じにうつりました。
アメリカナイズされた自己主張とポジティブ精神
それを育むまでにはきっと公平にもいろんな過去があったようですが。
実際、これっくらいずうずうしくなければ
西塔みたいなタイプの心の扉をこじあけるのは無理なのはわかるんだけど
加瀬を選んだんだったら、加瀬を見てあげてよーっ!

加瀬の暴力は許しがたいが、とにかく加瀬に涙した。
欲しいものを奪われていく、誰も自分を受け入れてくれない
子供みたいに「欲しい欲しい」から
やっと加瀬の心が大人になって
自分から西塔に“与える”ことができたんだな。
それがさよならなんて悲しすぎて泣いた。

好きな人に何かをあげるって、何かを持っているという自覚がなければ
できないことなんですよね。
それぐらい加瀬は何も持ってないって思った子供だったんですよ。
「どうぞ」→「ありがとう」→「自分もうれしい」っていうことを
覚える時期に奪われるばかりだったんだろうね。
もうほんとにそれ考えたら悲しくて悲しくて

あとがきにて、書き下ろしで西塔と公平のラブラブっぷりを
書く予定だったとか。
それなくてよかったかも!
書くなら加瀬編をプリーズ!!

12

重い。痛い。切ない。

重い。とにかく重い。
要はある過去の出来事のせいで自分は幸せになってはいけないと思って暮らしています。
なので毎日のように繰り返される恋人・加瀬からの暴力に抵抗することなく、むしろ自分は罰を受けるべきだと暴力を受け続けます。
DVものですね。DV言えば水原とほるさんの『青水無月』が思い浮かびますが、こっちの方が酷かったです。ほんと殴る殴るでしたからね。でも「捨てないでくれ」って縋ったり。典型的なDVです。

暴力を受け、バイト先の理不尽なやり方に文句も言わずただ耐え続ける要を心配するのが攻め・公平。
公平は同じバイトで年下。彼がいいキャラだった!というかこの重い話の唯一の癒しですw
年下わんこで、自分の意志をしっかり持っているため間違ったことはちゃんと口に出して言います。
なので要がいつも黙って耐えているのがわからないといった感じで、要を気にし始めます。

要の過去がまたね・・・。切ないというか苦しい。要が自分を痛めつけるのもわかる気がします。
公平がいてくれて本当によかった。
要が誰とも関わりたくないと思っていても、無理矢理にでも要に心を開いてほしいと何度も電話したり。公平の一生懸命さが要を救ったんだと思います。
あと公平が真っ直ぐに要を好きなことですかね。いい年下攻めだった!
そのおかげで要は自分の過去とも加瀬とも向き合うことができたわけで。
最後はちょっと泣いてしまいました(;_;)もちろんハッピーエンドです*
エロもありましたよー加瀬には何も感じなかったのに公平だと感じまくってる要とか、ちょっと意地悪する公平が良かったw

ただ加瀬のことがね・・・。
彼もただのDV男ってわけじゃなくて悲しい過去を持っています。
加瀬もちょっと可哀想でした。ずっと寂しかったんだろうなあと。
加瀬の話も読みたいですねー加瀬にも愛する人ができて幸せになってほしい。

痛い系や切ない系好きな方にはおすすめです!

10

地雷だらけなのに読んでしまう

凪良ゆうさんの初読み作品がこれでした。
正直、地雷だらけでした。
まず主要登場人物三人が三人とも、私の地雷。
攻めの押し付けがましい正義感にイラつく。
受けの自虐やマイナス思考っぷりにイラつく。
DV男は言うまでもなくムカつく。

ストーリー的にも色々と地雷でした。
なんだこの「愛は地球を救う!」的なストーリーのもっていきかた…と思いました。

でも、そう思いながら泣いてたんですよ。
号泣に近い。
思考を涙腺が裏切っているというワケワカメな状態。

さらに、再読率が高いんです。
何度となく読み返してしまっている。
同じ場所でイラつきながら読んでいる。

よく分かんないけど、私はこの作品がとても好きみたいです。
地雷なのに好きなんです。

9

花丸Blackで、こう来るとは

重かった
痛かった
くさかった

登場キャラも、
自己陶酔、
DV
押しつけがましい、

でも、ガッツリ泣かされちゃいました。

この表紙、このタイトル、この帯だと切ない系かなあと思って
でも、レーベル的にハードエロ方向でガッツリ系だし…???
よもや、ハードなエロじゃなく、ヘビーな過去でBlack認定されていたとは。

公平のキャラが絶妙です。
下手すると、善意を押しつけるうざいキャラで嫌いってなりそうなキャラなのに、バランス感覚がとってもよくて、引くべきポイントと、押すべきポイントが完璧。
DV男・加瀬にもちゃんと救いがあってよかった。

これ、続きがあるとしたら、加瀬編が読みたいです。



5

キャラの心情の移ろいに矛盾がない

 「お菓子の家」の前作にあたる作品。これは良かった。要と加瀬の心情の移ろいに矛盾がなかった。
 
 この作品のすごいところは、何といっても加瀬の存在。男同士の三角関係である点もすごいけど。3人のうち1人はDV男で、1人は「幸せになる権利、放棄しました」男。共依存がかなり進んでいるこの2人の間に、もう一人、公平というさわやか青年が入ってくれるから、まだましになった。しかし、公平が要にちょっかいをかければかけるほど、加瀬の執着が強まり、要は夜ごとぼこぼこにされるという・・・いたいいたい!!

 それでも要は公平のことが好きだと自覚し、公平の助けを借りて過去と加瀬に向き合う。自分と逃げずに向き合ってくれる要に、加瀬もだんだん変化していく。このあたりがもう、すごくよかった。一時期、どうしようもないほどこじれることがあったけれど、最終的には3人ともが納得できる結論に至れてよかったよかった。
 
 決して特別ではない、日常の風景を二人で重ねて、これからも二人で幸せになってくださいと願う。
 また、「お菓子の家」が読みたくなった。

5

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