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表題作ダイヤモンドは傷つかない

山岸宗一郎・正攻法も絡め手も得意な参謀副会長
香月北斗・口は悪いが正義と公平を重んじる生徒会長

あらすじ

強気でワガママだが正義と公平を重んじ生徒会長として尊敬されている香月北斗。人望、カリスマ性、頭脳、美貌…全てを持っているそんな彼が唯一手に入れられないもの。それは副会長・山岸宗一郎の心だった。裏の裏まで完璧なサポートをし、香月のためならしれっとあくどい手すら使う山岸は、「キスをしろ」と言えばキスはする。「抱きしめろ」言えば抱きしめる。しかし、それ以上の望みは笑ってNOなのだ。周囲からは恋人同士と思われながらも実際は友達以上恋人未満の関係に業を煮やした香月は、ある策略を巡らす──。
出版社より

作品情報

作品名
ダイヤモンドは傷つかない
著者
火崎勇 
イラスト
ハルアキラ 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラノベルス
発売日
ISBN
9784778107833
3.2

(4)

(0)

萌々

(1)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
13
評価数
4
平均
3.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

求む!続編!!

攻・副会長の山岸宗一
受・生徒会長の香月北斗

裕福な家に生まれ、頭もよく、容姿も端麗。
恵まれすぎてる人間が生徒会長やってたりすると、とことん嫌われるか、熱狂的に慕われるか、どっちかですよね。
北斗は慕われている方ですね。
それはやはり彼の性格が大きな要因です。

不正を嫌う潔癖なトコロ。
自分の持っている権力を私利私欲で振りかざすのは許せない。
だから横暴な生徒会長の行為に腹を立てて怒鳴り込んだし、自分が会長になって不正を一掃しようとした。

もちろん自分だけのチカラでは無理で、そこには山岸宗一のとてつもない(腹黒い)政治力と(強引な)交渉力があったわけですが。

生まれ持ったものも、育った環境も、すべてにおいて恵まれているけれど、唯一欲しいものだけは手に入っていません。
それが山岸の気持ちです。

北斗は自分の感情を正直に「好き」と伝えています。
しかし山岸は「俺も好きだ」と答えるのに、キス以上の行為には進まない…山岸がそれ以上進展させようとしないのです。

山岸にとって自分は本当に「好きな相手」なのだろうか?
彼は傅く相手、祭り上げる相手、参謀としての自分の能力を最も発揮できる相手としての北斗が「好き」なだけではないのか?

偶然再会した従兄弟の友貴の協力で山岸を試すような事をしてみたり。
(企みも友貴の素性もバレバレでしたが)

「俺を好きなのに、それは恋じゃないのか?」と問う北斗に、
「無理に恋人にならなくても、今のままでもいいじゃないか」と返す山岸。
山岸にとって必要なのは自分ではなく「自分のような人間」なのだと思い知ってしまった北斗は、恋心を終わらせる決意をします。


山岸は北斗の気持ちがを中学生レベルの「好き」だと思い込んでたのは、北斗があまりにも正義の人だったから…でした。
まっすくで、不正がキライで、理不尽は許せなくて。
そういう北斗だから自分の「汚したい」「虐めたい」「犯したい」「泣かしたい」というようなドロドロの恋情は、決して向けてはいけないと思ってたわけです。

強くてキラキラしている北斗を泣かして弱くしたくない。
でも、山岸が認識していた以上に、北斗は硬くて輝く人でした。

お互いがお互いの「好き」の種類と強さを誤解していたがためのジレジレ(笑)。
好きです、こーいうの。

本当に、続編を読みたいです。

1

事実と思込と真実の間に

今回は正攻法も絡め手も得意な参謀副会長と
口は悪いが正義と公平を重んじる生徒会長のお話です。

キスより先を拒否する攻様を受様が恋人にするまで。

受様は成績優秀、眉目秀麗、スポーツ万能。
率直な為口が悪いとも言われますが、
中高大と一流私立一貫校の超金持ち校で
高校の生徒会長をしています。

受様は正義感と公平さを持ち実行力も有りますが、
『独立独歩』という学院の基本理念で生徒の自治率が高く、
生徒会長職はかなりの激務です。

そんな受様の傍らでサポートしているのが
中学からの付合いで現副会長である攻様です。

攻様は受様とはまったく違う聡明さを持つタイプ。
慇懃無礼で先回りして罠を張るような姑息さも、
勝手に動いて事後報告な陰湿さも
カリスマ的存在とされる受様には無いもの。
受様に足りない根回しで彼を補佐しています。

二人は常にともに有り
周囲の人間に『デキてる』と思われていますが、
実態は受様の片思いに近い状態。

受様はまわりの人間に特別視され、
遠くから拍手を送られる事が多いのですが、
攻様は息遣いが聞こえる距離で一緒に走ってくれます。

それなりにモテる攻様が告白を断っている事から
高一の冬、受様は彼に『好きだ』と告げますが、
攻様は『俺もだよ』と言いながらも恋愛は拒否します。

以来受様が言えばキスも抱きしめてもくれますが、
高三になった現在も恋人としての進展は全くありません。

いい加減、
自分達が傍にいる理由が恋だと気付いて欲しい。

悶々としていた時、
受様は失踪中だった従兄弟と再会、
彼を使って攻様の危機感を煽る計画をたてます。

果たして二人の仲は進展するのでしょうか?
そして受様を拒絶する攻様の真意とは?

火崎さんの学生ものはとっても久しぶり♪
あらすじを読んだ時からどんな話かワクワクでしたが、
とっても面白かったです。

恋は盲目と言いますが
人を好きになると好きだからこその思い込みが
目の前にある事実を覆い隠してしまう事が有ります。
その上、誰もが自分はそうじゃないと思っていて
なかなかソレが思い込みだと気付けません!!
好きな人にほど言葉を惜しんじゃいけませんね。

攻様が好きな相手に告白されたのに手は出さないのは、
本性出して泣かせたくないケダモノ系だったからですが、
受様の本質はダイヤモンドだったので
攻様が思った以上に強かったという落ちがついた本作、
今後の濃厚な二人を大学生編で楽しめたら最高です♪
続編希望!

今回のオススメは本作とは逆に
告白に応えながらも手を出さない攻様のお話
高野真名さんの『初恋エトセトラ』をご紹介します。

0

haruko4869

続編、とても読みたいですよね!
大学生編の、外部入学先輩のやつとか(あとがき参照)。

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