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表題作ザイオンの小枝

エリヤ,ユダヤ人の青年医師
伯爵少将,育ての親

同時収録作品Chrysalis

ダグラス・カーライル,生き残り兵士のネイチャーガイド
日夏耿,写真家

同時収録作品熱の檻

アルベルト,ナチスの将校
エルンスト,ユダヤ人ピアニスト

同時収録作品Paldias

同時収録作品ザイオンの小枝 ~肉球こそ和が名誉~ ~肉球編2~ ~肉球編3~

犬,ユダヤ人青年医師エリヤ
猫,伯爵少将

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

終戦後のドイツ。廃屋に監禁され生き永らえる伯爵少将。彼を閉じ込めて屈辱を与えながら世話をするユダヤ人の青年医師。誰にも理解できない彼らの関係とは…!? 珠玉の表題作他、2人が超絶可愛い耳キャラで動きまくるショートギャグ「肉球編」も収録した贅沢な一冊!! すれ違う2人のその後が描き下ろしで登場!!
出版社より

作品情報

作品名
ザイオンの小枝
著者
稲荷家房之介 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
スーパービーボーイコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784862636669
3.3

(43)

(9)

萌々

(7)

(18)

中立

(8)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
23
得点
135
評価数
43
平均
3.3 / 5
神率
20.9%

レビュー投稿数23

記憶に強烈に残る短編集

先日、本の整理をしながら棚の奥の方にあった1冊をふと手に取ると…「ザイオンの小枝」でした。
発売当時にこちらの作品を読んだ際、美しい絵でものすごい話を描く作家さんだと思った記憶が蘇りました。
10数年ぶりに手に取ったのにも関わらず内容がすぐに頭に浮かんだというのだから、きっと強く印象に残っていたのでしょうね。

このレビューを書いている2023年現在ではそこまで珍しくはないですが、当時はあまり多くはなかったいわゆるオヤジ受けが多め。
それにプラスして、監禁陵辱・ユダヤやドイツ等の軍事関係や戦争描写・人種差別等、やや読む人を選ぶ題材が詰め込まれた短編集となっています。
一部例外作もあるけれど、作品全体のテーマは愛憎・愛でしょうか?
刺さる人には刺さる・合わない人にはとことん合わない作品ではないかなと思います。
個人的には全部が全部自分の癖に刺さる1冊ではありませんでしたが、作家さん自身がその時描きたかったものを熱くぶつけた感じがして、この情熱は嫌いではないなと。
そして、とにかく画力が高いです。美しい軍服姿の数々たるや。

中でも印象的なのは、やはりタイトルにもなっているザイオンの小枝ですね。
幼い頃に憐れみから拾われ、育てられたユダヤ人青年×彼を育てたドイツ人将校の愛憎入り混じるCP。
攻めがやっていることは飼育に近い監禁陵辱…と、決して褒められたものではないのですが、なんだかこのお話には妙に惹かれるものがありました。
読後の余韻も好みでしたし、2人の過去のエピソード等、もっと読みたくなる要素が多かったです。
ただ、甘さはほぼない辛口めな1作です。下剋上・どんなに責められても気高い受け・2人だけの小さな世界あたりのワードにピンと来るものがある、特殊性癖が大丈夫かつ地雷のない方にはもしかしたらもしかするかもしれません。
割礼や浣腸・腸内洗浄がここまではっきりと描かれている作品はあまり見かけないかと思います。

他収録作は、比較的穏やかな再会もの・ザイオンの〜にやや似た雰囲気のヒリヒリとした執着もの・軍関係の幼馴染ものの3作+コメディタッチのデフォルメ絵柄で描かれたザイオンの小枝番外編(肉球編)といったところ。
幼馴染同士の短編「Paldias」が唯一甘くてかわいらしい印象です。すごくかわいい。
間に挟まれた肉球編を、シリアスが続いた合間に一息をつく楽しい箸休めと感じるかどうかはあなた次第。
私は、あとがき後のおまけとして巻末にあった方が並びは綺麗だったかもなと感じましたが、これはこれで別ものとして楽しめました。

0

割礼跡

かわい先生の小説「蒼空の絆」を読んで、稲荷家先生の軍服作品を読みたくなってのこちらです笑
欲望に素直

◾︎ザイオンの小枝
ハーケンクロイツこそ描かないものの、ストレートにドイツとユダヤ人、小さなカットですが虐殺まで作品に織り込んでいる挑戦的な作品。
ショタで割礼に言及し、大人でその跡をガッツリ描写してくださるという…特殊性癖への訴えかけの強さ。

◾︎クリサリス
美しい。これぞ耽美の世界。

◾︎熱の檻
こっちは堂々とハーケンクロイツ描かれてますね。今の電子とかは変わってるのかな?日本版は流石になんともないかな?

そして多くの方の憤りの的、肉球編
これも稲荷家先生の軍服と同じくの癖(ヘキ)ですから、止められないのでしょう…
このページ数あるなら、正しい等身で2人の内面をもっと掘り下げて欲しかったというのは素直な気持ちですけどね。

萌〜萌2

0

こんな愛し方もあるんだなぁ・・

人それぞれに、愛の表し方が有って、
事情があって、守る為に選んだ方法といっても、残虐な方法の愛し方の連続。
SM嗜好の人は、嬉しいかも。
でも私は、こういう描写は好きじゃない、紙面から臭気を想像できるのでキモチワルイ。

最後に、伯爵を救助隊に引き渡して、独り去る。
数年後に伯爵は、自分を助けた彼を探しに行く気持ちになる
。。という結末で、純愛ものだったんだなーと理解。
痛くないと、愛を感じられない二人だったみたいです。

絵が綺麗で、惹かれて読みましたが、痛い流血のSM内容だったので、萌評価。
私は、猫編を楽しめました。中和剤ですね。

・・・・・・・語彙を調べて、作者が資料をよく集めていたことが分かりました。

▼ザイオン(Zion):
シオン (イスラエル) - エルサレム地方の歴史的地名。
「神の国」シオン、ユートピア、桃源郷、無何有の郷、華胥の国の意。
ラスタの思想では約束の地エチオピアを指す。
英語では「Zion」。

▼ユダヤ教での「小枝」:
メノラー(מְנֹרָה mənôrāh, menuroh, menorah)は「燭台」
生命の木を象徴している
7枝(厳密には中央の1本は枝ではないので6枝)のものをいい、ハヌカーに用いられる8枝(左右に4本ずつ枝が伸びて中央と合わせて9つ火皿がある)のものはハヌッキーヤーという。

▼「蝶」:変容の象徴
「卑しめられたのはわたしのために良いことでした。わたしはあなたの掟を学ぶようになりました。詩編 119編71節」
「卑しめられた」=元のヘブライ語は「押えつけられる、屈まされる」という意味ですので、「苦しみにあったこと」という翻訳でいいでしょう。
・・・試練20 苦しみの意味-蝶-より抜粋


0

どうしてこうなった!?

表紙のアーリア人さんが綺麗だなあと思ったけれど、中を見たらおっさんなんですね。これはこれでいいのですが、だったら表紙からちゃんと年齢がわかる方が良かったです。私はおっさん受け大好物なので、逆に大喜びですが。

こういうBLでナチの話は何処まで描いたりしていいものなのか気になったりしますが、歴史ものとして好きなのでたまらないですね。
稲荷家さんはこういう軍事系が描ける稀有な作家さんなのですが、いまいちハマれないのは恐らく画力以外の趣向の問題かもしれません。

ダメなんですよ、肉球編。

本当、これさえ無かったら!としか云いようがありません。
私がこういうネタが苦手なだけなので暗い話の口直しになっているならばいいのですが、どう考えても本編を台無しにしていますよね。
お好きなのでしたら同人誌だけでやってほしいなあというのが本音です。(どうでもいい事なんですが、肉球編なのに肉球ないですよね……。)

本編だけならば「神」レベルですが、肉球が「しゅみじゃない」ので「中立」で。

1

肉球編がなければ…

表題作(全3話)と、表題作のギャグ編と、その他短編が3編入っています。

レビューを吟味した上で購入したものの、「ザイオンの小枝」肉球編が思った以上に本編の雰囲気をぶち壊してた…(>_<)
なんで肉球編にしちゃったんだろう…
エリヤも伯爵様もキャラ変わってるよ〜
表題作は最初に2話、間に短編と肉球編を挟んで、最後に1話収録されているのですが、最終話に行き着く頃にはキャライメージがブレてしまって本来のストーリーに入り込めなかったです。

肉球編さえなければ、せっかく耽美な世界観で纏まってるのに…なんだか勿体ないコミックだなぁ。

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