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表題作恋情

四宮祐・高校生・17歳
香村和成・医大生・20歳

あらすじ

和成が一夜を共にした男は、名門代議士の子息・佑だった。乱れた夜を忘れたい和成だったが、再会した二人には残酷な運命が…!?
出版社より

作品情報

作品名
恋情
著者
高岡ミズミ 
イラスト
水名瀬雅良 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344817715
2.8

(6)

(0)

萌々

(0)

(5)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
16
評価数
6
平均
2.8 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

血ゆえの執着

自分の性癖を確かめたく、一夜をともにした最初で最後の男が実は・・・!
という、禁忌を題材にしたお話です。

高岡ミズミさんの文章は、がっしりしていて迷いのないような
まるで林の奥深くにどっしり構える大木のようです。
それがある意味安定感なのですが、融通の利かない頑固さでもあるのです。
そして、晴れ晴れとしたハッピーエンドはないということ。
毎回「しまった」と思うのに次に期待させて読んでしまうのも作者の実力でしょう。
今回は、それでも以前ほどのモヤモヤ感はなく読めました。

和成が一夜を共にした相手、祐は実は異父弟で、彼はそれを知っていて和成を抱いたのです。
和成は、そういう点では常識人ですが、最終的に祐をとるのです。
その存在を知った7年も前から和成だけをずっと見続けてきた祐の執念に怖いものを感じますが、それは彼らの父母の血のなせる業と決めつけてもいいのでしょうか?
代議士の3代目予定の青年の祐ですから、その設定自体で色々とスキャンダルや葛藤も発生してくるのです。
きっと二人を生んですぐに亡くなった母への思慕をお互いに見出して、それを愛と勘違いしているのでは?とも思うのですがね。。
しかしながら、うまい文章力でその辺流して強引に納得させてしまう作者にまた今回もやられた感満載です。

またまた完全なる、スコンと抜けた青空のようなハッピーエンドは訪れませんでした。
他の痛い系作家さんとも違う痛さが売りの作者さんなんでしょうか。
それでもきっとまた高岡作品読んでしまうのでしょう(トホホ・・・)

1

兄弟ものでしたか

最近は、兄弟ものでもすんなり読めるようになった(以前は兄弟ものは地雷でした)ので、私は大丈夫でしたが、あらすじには全くそれらしい記述がないので、そのカテゴリが地雷の人はお気をつけください。

自分の性癖を確認するため……とその手の場所に出かけ、お持ち帰りされちゃうというBLではよくある設定から始まります。
一度だけ、最初で最後の経験だと自分にいいわけをして、一夜を共にしますが、何の因果か家庭教師と生徒としての再会。
そして、拒否しながらも、熱い執着に蕩かされて……と進んでいきます。

好きなんだけど弟だし、男だし、という常識的な部分と、本能との狭間で揺れ動く和成。
その葛藤する様が、非常に危なっかしくて、ハラハラしました。
また佑も家庭の事情に巻き込まれ、会うことすらままならなくなるときもあって、あ~結局破局か?! となります。

それでも、なんとなくハッピーエンドにはなります。
なんだけど、禁忌の部分もあるし、心からのハッピーエンドという感じはないかもしれません。
同病相憐れむ……みたいな気もしましたから。
でも、本人たちは非常に幸せそうでしたが。

1

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