まるで初恋のように心が震えた――。

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表題作らしくない恋

土岐竜衛,父のキャバレーを継ぎチェーン展開した社長
遠賀蒼,攻様が二年越しで惚れこんでいるバーテンダー

あらすじ

土岐は経営するバーのバーテンダー遠賀の艶麗な姿に心惹かれる。クールで怜悧な遠賀との関係を、大切に、壊さないように、遠くから見つめる日々が続く。紳士然と対応する土岐だったが、ある夜、遠賀の“孤独な一面”と同時に“妖艶な一面”を目の当たりにし、翻弄される。誘われるまま、強引に細い体を抱き締めてしまい!? 誤解とすれ違いで、振り回される大人の男・土岐。年下の男に初めての純愛を経験して――!?
出版社より

作品情報

作品名
らしくない恋
著者
火崎勇 
イラスト
佐々木久美子 
媒体
小説
出版社
ワンツーマガジン社
レーベル
アルルノベルス
発売日
ISBN
9784862961655
2.6

(8)

(0)

萌々

(0)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
4
得点
19
評価数
8
平均
2.6 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

過去の経験も本気に恋には役たたず?!

今回は飲食店をチェーン展開しているやり手社長と
攻様の直営店で働く看板バーテンダーのお話です。

二人の出会いから有る事件を経てまとまるまで。

今回の攻様は父の急死に伴い事業を継ぎ、
旧タイプだったキャバレーを改装する等手を入れて
今では5店をチェーン展開する会社へと成長させた
やり手の社長。

彼は母を早くに亡くし、
幼少期から父のキャバレーに連れていかれていた為
女の裏も表も知り尽くしてしまい、
きままな恋愛を男性と楽しむ事が多い男になります。

しかし有る出会いが攻様の恋愛観を大きく変える事に。
そのお相手こそ今回の受様です♪

二人の関係は
攻様の直営店で全てを仕切っていた老バーテンが
自分の代わりにと受様を雇った事から始まります。

受様は前の勤め先が業種替えをした為、
件のバーテンが雇ったバーテンダーで
ほっそりとした容姿で仕草も優美な青年でした。

見た目だけでも攻様の好みのタイプでしたが
頭も良く話してみると苦労も努力も知っる受様の存在で
すっかり居心地の良くなったバーに通ううちに
いつしか本気で彼にのめりこむようになる攻様。

決まった相手のいないらしい受様は
身体に触れられる事が好きではないらしく
セックスには潔癖なタイプだった為、
すでに脛にいくつも傷持っていた攻様は
受様を見つめるだけの日々を過ごします。

そんならしくない恋をして早二年、
鑑賞しているだけの日々に
攻様はそろそろ限界を感じてきていました。

しかし下手に信頼を得手しまったが為に
どう告白したものかと悩んでいた時、
受様が店の裏手で美女と話をしている現場に遭遇!!

受様を下の名前で呼び
別れ際に抱きしめて額にキスしている二人は
どう見ても恋人同士にしか見えません。

思っていた以上に衝撃を受けた攻様は
受様の働くバーから足が遠のきますが、
仕事相手の女性とともにバーに向かう事となり!?

攻様を見た受様の反応とは?
そして攻様のらしくない恋の行方は?

実は両想いだった二人ですが、
一歩踏み出そうとした矢先に
受様の姉と弟の存在を知った攻様が
二人の存在をそれぞれ誤解して嫉妬した事から
二人の間に波風が立って…という展開の本作。

火崎勇さんのお話では
俺様タイプの攻様が事を強引に進めてというお話が多く、
本作の攻様も
ホントはかなり強引で俺様なタイプかと思われますが、
本作は受様に本気になったが故に下手に手を出せなくて
グルグルする様子が楽しいお話でした♪

今回は受様が双子でしたがご紹介は攻様が双子のお話で、
鬼塚ツヤコさんの『バスルームでキスをして』をお薦めします。
こちらも双子ならではの誤解が鍵となっていま~す。

2

大人の初恋

子供の頃から夜の世界の片隅で育ち、若くして父親を亡くしてからは後を継いでキャバレーやバーのオーナーになった土岐が、“らしくない恋”に振り回されるお話です。

経営するバーのバーテンダー・遠賀に一目惚れしてしまった土岐は、綺麗で真面目で頭がよく、トラブル処理も難なくこなす遠賀との関係を大切に育ててきました。
プロポーズしたいくらい好きになった相手の気持ちがわからないがために、少しずつ間を詰めていくくらいしかできない土岐の、初恋のように臆病な行動に苦笑します。

自分の欲求を外に出せないまま大人になった遠賀と、経験豊富な割りに本当の恋は初めての土岐。
お互いの空洞を埋めるまでのお話ですが、お店の経営のこととか、親に捨てられた子供の考えることとか、本筋以外のところでもおもしろかったり考えさせられたりしてよかったです。

火崎さんの作品には、格言的なものが良く出てきますが、今回は『過ぎた恋を、女は角を曲がれば忘れてしまうが、男は真っすぐに進みながら何度も後ろを振り向いてしまう』(恋愛に関しては、女より男の方が弱く、男の方が未練がましいんだそうな。)と、『キスは恋の最初の一段目だと思う。そこから全てが始まって、それが全てではないがなくてはならないもの』(土岐が色、恋に不慣れな遠賀にキスをしながら考えたこと。)のふたつが印象に残りました。

何が一番良かったかと言えば、やっぱり、土岐が中学生のようにオロオログルグルしているところでしょうか。大人なので、思い切ったときには大変男前なところもまた魅力的です。

1

大人な恋

大人な男(攻)が、どうしようもない想いに
外聞なく振り回されるってのは、好きなストーリーです。

今回は、バーなどを経営する土岐が、自分のバーの
バーテンダー、遠賀に惹かれてしまうというものです。

お金もあり、満たされているはずの土岐が、
遠賀とやっと想いを通じ合わせた際に
「私は、寂しかったのか?」という自問をするのが、
印象的でした。
大人ならではの寂しさと、
やっと一緒にいられる人が
見つかったことは、途方もなく幸せなことなんだな~と感じる
ことができました。

1

ラストでスカッと

土岐(攻)の視点でストーリーが進みます。
二年間、バーテンダーの蒼(受)に好意を持ちつつも、オーナーとして店に通っていた土岐。蒼と両想いになったものの、そこに蒼の双子の弟・朱が邪魔をしてきて…という話です。

朱がとにかく二人の仲を引っかき回そうとしてイラッとしました。土岐が蒼と間違えてラブホテルで触ったのは事実ですし、蒼は朱を見捨てられないだろうし、妊娠したホステスとの相談で誤解されるし、酷くなっていく誤解においおいどうするの。と思っていたら、土岐がキレて命令しだしたのでスカッとしました。恋で揺らいでいた自分の本性を思い出しだ感が楽しかったです。

イラストのお気に入りは、二人ともの顔の見えないエッチ場面。どんな表情なのかと想像かきたてられます!表紙イラストの蒼のお尻も良いなと思いました。

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