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表題作兄弟恋愛

佐倉桐 20歳体育学部学生
佐倉峻也 21歳商学部学生・養子

あらすじ

幼い頃に誘拐された桐を助けたことで、妹とともに佐倉家に引き取られた峻也。傍若無人な桐に振り回されてばかりだけど…?
出版社より

作品情報

作品名
兄弟恋愛
著者
李丘那岐 
イラスト
田倉トヲル 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
兄弟恋愛
発売日
ISBN
9784344817937
2.6

(18)

(1)

萌々

(3)

(5)

中立

(7)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
6
得点
39
評価数
18
平均
2.6 / 5
神率
5.6%

レビュー投稿数6

これ1冊で5冊分ぐらい、おなかいっぱいになれる

いやあ、盛りだくさんでしたね。
主人公大学生だったけど十分キュートでした!
誘拐、超能力っていうか霊感、虐待、禁断の兄弟愛(いろんな組み合わせありw)、グレーな汚れ仕事、スパイ?w、その他もろもろトラウマなど、もっのすごくたくさんの内容が詰め込まれていました。

作者さんの筆力がすごいからか、それらがとても自然にいくつもの伏線として組み合わさっていて、ラストの感動へと一気につながるところはすごいと思いました。
主人公の受け兄ですが、わざとらしいなよなよさは一切なく、かなりしっかりしたところがあって、無理するところも結構キャラの魅力を伝えるエピソードとして、すごく効果的だったと思います。

これ1冊で5冊分ぐらい、おなかいっぱいになれるBL本ですよw
特に掘り下げが浅いとか不十分とか感じることはなかったです。
強いて言うなら、メインカップル以外のキャラがクセが強すぎて、全体的にキャラが厚化粧って感じがしたかな。
ちょっとくすっと笑うシーンもあったりとか。

大河BLって感じかも知れませんね。

こういうのを読むと、大事件がほとんど起きないBL小説って描写が難しいんだなって思います。
そういう意味ではこの作品は、息をつく暇もなくお話が展開していってすごかった^^

1

ほっこりした恋愛話

 俊也は、幼い日の桐を助けたことが縁で、妹・美姫と共に、佐倉家に引き取られた。
 佐倉家は少し変わった感覚を持つ両親の家で、実子である桐と藤の双子。
 それから、桐の誘拐をきっかけに引き取られた俊也と美姫。
 そして、両親が早くに他界したため、引き取られてきた桐と藤の従兄弟の寛吉。

 多忙な両親はほとんど自宅に帰ってくることがないため、その五人の兄妹で日々、生活をしていた。
 その中でも、誘拐された直後に、俊也を引き取るように言って聞かなかったという桐は、俊也に対して傍若無人で、あれこれ無理難題をふっかけてきては、俊也を振り回す。
 桐は「美姫のことが好きだ」と言ってはばからないのだが、「高校卒業するまで美姫に手を出さない」と約束していることを理由に、俊也にあれこれお願い事をしてくる。

 けれど、「好きだ」と言われている美姫は、一切本気にしていない様子で取り合わず、また、桐も桐で、それに傷ついた様子はない。

 それどころか、“美姫に惚れてる”はずの桐が俊也に向ける言葉や仕草に俊也がドキドキし始めて――

 という話でした。
 俊也は一度、家族が壊れる経験をして施設に入っていたから、「家族として」とか「家族にならなきゃ」というものに(本人の自覚がないままに)ものすごくこだわっていて、なかなか自分の希望とかこうしたい、みたいなのを言い出せずにいる――という感じでした。

 最後は自分の気持ちをはっきり伝えだした桐に観念してハッピーエンド。

 すごくゆったりしてて、穏やかで、あくせくしたところがないので(じりじりとした焦燥感はありますが)、とってもいい話でした。

「家族」のあったかさと、「兄妹」の良さを再認識したのと。
 そこから踏み出すことの難しさも感じました。

 ほっこりした恋愛話が読みたい人にはオススメします。

2

これ、マンガで読みたい

小説だからおもしろい小説とか、マンガだからおもしろいマンガっていうのはあるけど、この作品の最初の感想って、
「これ、マンガで読みたい」

ストーリーとか設定的には充分おもしろいと思うんだけど、なんか、もどかしい。
絵で見れば、一発!的なシーンが多いからかな、
大ヒット映画のちょっと残念なノベライズ、みたいな、、、
この作者さんの他の作品読んでいないからわからないけど、作者さん自身も、書きたい物が絵で見えているタイプなのかも。

0

ちと微妙

帯『少しずつ、でも全部手に入れるよ、絶対』

兄弟物、特に弟×兄は大好物だし田倉さんの表紙絵もいい感じだったので買い。
子供の頃、父親に虐待され妹と共に児童養護施設に居た峻也[受]は誘拐されていた裕福な家の佐倉桐[攻]を助け、それが縁で妹と一緒に養子となります。
佐倉家には養父と養母、そして双子の兄弟、桐と藤が居てその後彼等の従兄弟が新たに養子に入り峻也は5人兄弟の長男として家政婦が居ない時には料理をしたりして己の居場所を無意識に確保している様なタイプ。
弟の桐は俺様な性格でスポーツ万能で女性にももてる男前でやたらに峻也を振り回したりするタイプ。
この2人の恋愛話な訳ですが、峻也は妹を溺愛して護ってやりたいという気持ちがとても強くその感情やそうなった理由などが描かれ、5人兄弟は妹を軸にしてまとまっている部分もあり峻也の妹の美姫は峻也にとって大きな存在です。
桐と峻也との関係と同じ位、兄弟の絆に重点を置いて書かれていてそれ自体はいいと思うんですけど、美姫の不思議な能力はいらなかったんじゃないかな。
その不思議な能力を元に、父親の指示で兄弟達は団結してミッションを行うのですがそれが行為自体は犯罪的なものな上に少々度が過ぎているので読んでいて、裕福な家庭で平和に暮らしている兄弟達がやる事とはどうも思えないんですね。
荒唐無稽とまではいわないまでも結び付かない。
妹の能力はせいぜい勘が良い位で、ミッションは人探し程度でとどめておいた方が話と設定に馴染んだ様な気がします。
自分はどうもそこがしっくり来ませんでした。
峻也と妹の関係はなかなか丁寧で良いですし、峻也と桐との近付き方も良いんですが、なんかこうミッションがねー。
兄弟の絆をえがく為だと分かってるんですがちょっとやり過ぎというか、うーんやっぱ設定に合ってない感。
最後は藤だけが気付いているって方が自然な気がしたかなー。
基本的には悪くないんですけど、読んでいて不自然に感じる箇所があり過ぎて違和感がぬぐえないって印象。
峻也は好きなタイプのお兄ちゃん受だし、俺様弟攻めな桐も良かったんですけどね、他の部分がちょっと微妙でした。

※ちょっと気付いたので覚え書き程度までに。自分の持ってる第一刷では帯と裏表紙のあらすじが「峻也」ではなく「俊也」になってます。

3

みんなに好かれるお兄ちゃん

双子を除いて実子ではない子供たちで構成された5人兄弟。
全体を通して少年探偵団的な、「団結」みたいな、遠慮がちだったお兄ちゃんが、本当の家族になれるまでのお話と思います。
すごくね、ストーリーもしっかりしてるし、いいお話だったとは思うのですが、自分的にBL萌えはちょっと薄かったかな。。。

俊也は4歳年下の美妃と兄妹。
父が亡くなり施設にいましたが、誘拐された資産家の家の息子”桐”を助けたことからそこの家の養子になります。
かなりユニークな両親で、桐には双子の藤、そして桐達と同じ歳の従兄の寛吉が養子としており、俊也・美妃を含め5人兄弟として暮らしています。
実は美妃には、失くし物を見つけるという不思議な能力があるようなのです。
父のアイデアで、その能力を生かして5人兄弟で力を合わせて裏稼業のように”失くし物探し”の仕事を請け負っております。
自分も実父の暴力、妹もそのせいで心に傷を受けたこと、施設に保護された後に父が死んでしまって、妹からたった一人の父親を奪ってしまったと、妹を守ろうとする気持ちが大きい俊也。
そのせいか、自分が欲しいものを欲しいとはいえない、みんなを守ららなくちゃ!という変な義務感が強く、仲の良い5人兄弟のようですが、俊也はみんなに遠慮がちなんです。
そんな俊也を暖かく見守る兄弟達。
中でも、俊也に助けられた桐は特に俊也への執着が大きい。
桐は美妃が好きと公言しているし、双子の藤は、実の兄弟なのに桐が好きという隠された気持ちを知ってしまった為に、俊也は特に桐に対して、桐から向けられてくる素直な愛情表現に、素直に返すことができないのです。
そこで、桐のサッカー部の先輩近江が登場し(実は俊也と同じ施設出身)やたらと俊也に構うようになることから、桐と俊也が衝突することが頻繁に。
失くし物探しの件で、美妃が誘拐されるという事件に巻き込まれて、初めて自分が守っているばかりでなく、甘えて守られてもいいんだとわかり、めでたく桐と気持ちが通じる。

ざっと、こんな具合のストーリーですが、
それぞれの兄弟の性格が、とてもよく描かれていて楽しい兄弟なんです。
ちょっと暗めの藤がとっても気になるのですが。。。
失くし物探しの話も、近江の施設出身ということから、幸せな家族を手に入れた俊也への嫉妬・裕福な家庭の桐への嫉妬、なども上手く事件に絡んで、がっつりと見せてくれるんですが。。

何だか「よかったね」程度で、この主人公達の恋愛に関して色恋という色気のあるお話ではなかった部分が、ちょっと萌えに至らなかった原因なのかな?
青春物語としては、本当によかったですよ。

2

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