愛し合うのに 時間なんか、関係ねぇよ

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表題作ドロシーの指輪(5) スニグラーチカの恋

開店休業の骨董屋「尾形」の店主 緒方邑・32歳
金儲けに目がないケチな銀行員 三本木恒彦・27歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

涼泉堂の内藤に頼み込まれ、桂丸の監視役として年末年始を日光の老舗旅館で過ごすことになった緒方。年越しの財布は確保したものの厄介な役目に辟易していた緒方は、なんと特急内で三本木に遭遇。クリスマスの奇跡再びか?しかし実家に帰省する三本木には気軽に緒方のもとへ遊びに行けない理由があって…。近くにいるのに逢えない切なさを痛感する三本木。緒方の声を電話越しに聞きながら湧き上がった想いは…。お正月姫はじめ編!
出版社より

作品情報

作品名
ドロシーの指輪(5) スニグラーチカの恋
著者
谷崎泉 
イラスト
陸裕千景子 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
シリーズ
ドロシーの指輪
発売日
電子発売日
ISBN
9784576091525
3.4

(11)

(4)

萌々

(3)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
4
得点
35
評価数
11
平均
3.4 / 5
神率
36.4%

レビュー投稿数4

溢れそうな想いがたまりません!

毎度、色々な骨董にまつわるエピソードの元に少しづつ進展を見せる恋愛部分が、今回はものすごく表面に出てきたような。
いつも甘さ少なめでカバーと扉絵のラブっぷりはサービスなのね(w)な部分がやっと本ものにみえてきたような、今回の展開は
想いを素直に表に出せない主人公たちの姿が実に胸をくすぐって、三本木の気持ちに、邑の気持ちとさりげない言葉にやられちゃいました!

年末年始は実家へ帰らなければならない三本木。
彼にはとても厳しい体育会系の兄たちが4人もいて、末っ子の三本木は虐げられているので帰省も憂鬱でしかたありません。
一方、離れて年越しが少し淋しい邑でしたが、桂丸の店の大番頭・内藤の頼みで彼の悪行(?)の見張りと品物の点検をしてきてほしいと頼まれた為に、桂丸と一緒に客先である日光の温泉宿で年越しを迎えることになりました。
行きの特急の中で偶然に出会う三本木と邑。
行き先も同じ日光ということで、距離はあるものの少しはなぐさめられる三本木でしたが・・・
三本木の長兄の結婚問題と、桂丸の今回の出張の目的がうまく絡み、そちらの展開を見せながら、運良く逢瀬を重ねることのできる三本木と邑というおはなし。

今まで散々三本木の兄たちが怖い話はところどころに出ていましたがビックリです!
兄たちに虐げられてとってもかわいそうなの(涙)これじゃぁ帰りたくないよね。
彼がケチになった理由もここに。

本当は会えなかったはずの年末年始、会えて嬉しいはずの三本木は意地を張って、邑が素直に「会えて嬉しいぜ」といって押し倒されてもまんざらじゃないのに、なお意地張って、そんな姿がもう身悶えちゃう!
お正月も運良く会えて、姫はじめなんかできちゃうんですが、ここのエッチシーンが実に実に色気を感じて、、、というのはエロエロという意味じゃなくて、二人の気持ちの燃え上がりですね。
本当は邑がほしいのに、自分から言えなくて涙を流している三本木とか、何かかわいすぎる!!
ここのラブラブシーンは、前回からですがものすごく甘さを感じるようになりました♪

この題名のスニグラーチカってなんだろう?って調べたらロシアのクリスマスに登場するサンタ(のようなおじいさん)の孫娘で雪娘という精霊なんですって。
まあ、兄の結婚問題があったのでその恋人が雪娘ってことだろうとは思ったのですが、なぜにスニグラーチカって思ったら、そのサンタに該当するのが、桂丸を呼んだ旅館の大旦那。
なぜ大旦那がサンタにあたるかっていうと・・・
なるほど!!行事的にお正月ではあるけれどすごくへぇーーー!って思える題名だったのです。
ここにもセンスを感じてしまいました。

さて、この「ドロシーの指輪シリーズ」現在この5巻で止まっております。
多分全5巻じゃないとは思うのですが、こんなに面白い作品で、冒頭に人物関係図なんかもついてるくらいですから、まだまだ色々ありそうなんですよ。
なので、早いうちのシリーズの再開を願っております。是非是非、忘れ去られないうちに発表してほしいなと願わずにいられません。

8

茶鬼

はじめはじめさま
こんにちは☆やっと5巻レビュー終わりました。
入院中に未レビュー本を掘り出して何とかやっつけようとしましたが、4巻で力尽きまして(^^;
谷崎泉さんの作品てとても大好きなんですが、とにかくシリーズものが結構多い!
他にも「愛するということ」なんかは本編が中断のまま、同人で過去編が進んでいたりとか、そんな放置プレイがとても悔しくて悲しくて。
こんな面白い作品もどうして商業で出してくれないんだろう?って喚起するつもりでレビュー挙げました。
実現するといいですよね。
自分もこの続篇の同人は入手できてないんです(;_;)
商業単行本も新刊で探すのも難しくなってきてるようなので、みんなー読んでー!!って気持ちでいっぱいです。
コメントありがとうございます(=^0^=)

はじめはじめ

茶鬼様~!
5巻のレビューを首を長くして待ってました(^o^)
そうなんです、商業誌ではこの巻で終わりだそうで…そんな放置プレイいらない…(泣)
同人誌での完結を目指すみたいですね。現在、同人誌から続編が1冊だけ出てますが、売り切れ状態です(泣)
オークションにも出品されておらず、手に入れる手段がありません…。
まだまた謎の部分が明らかになっておらず、この状態で放置ってあんまりです(泣)
特に緒方の過去が気になって仕方ないですよね!!
すいません、「ドロシーの指輪」のレビューを拝見した時から、これが言いたくて仕方なかったんです。
茶鬼様のレビューで手に取る方が増え、続編を望む声が続出し、又商業誌で出版される事を願ってやみません。
いつもながら、役に立ったボタン連打したくなる素晴らしいレビューを有り難う御座いました。
又他の作品も参考にさせて頂きます♪

続編も出てくれることを期待して神評価

『ドロシーの指輪』五作目です。

受け攻めとも既刊と変わらずです。
銀行勤務のドケチ美形の三本木が受けで、骨董屋で三本木にぞっこんの緒方が攻め。

前回はクリスマスでしたが、今回は年末年始で三本木の実家がある日光が舞台となります。
緒方の困った幼馴染み・桂丸のお目付役として、訳ありの商売へ向かう桂丸について緒方は日光へ。
そこで実家に帰省する三本木と偶然遭遇します。
三本木の兄弟たちの事情などもからみ、今回は骨董よりもそちらの人間模様がメイン。

三本木の兄たちがフル出演いたします。
なんか、名前の感じが三本木だけ違うので、まさか外の子で?なんて思っていたわたしです。
でも、ママさんとそっくりらしいので違うかー。

これで既刊は最後ということで、もったいないのでちょっとずつ読みました。
なんで続きが出ないのかな…こんなに面白いのに。
毎回書いていますけれど、谷崎さんの作品らしく地味なのです。
でも、これは谷崎作品の統一した感想ではありますけど、漫画ではないのにありありと登場人物たちの表情が伝わり、とても素敵な作品です。
時間が経ったら、きっとまた読み返すんだろうなあと。
続きは同人誌では出ているようなのですが、複数の作品のお話を一冊にして出されているので、同時収録された作品は読んでいなかったりすると買うのも躊躇してしまいます。
再録で良いので商業で出して欲しいなあと思います…

3

傍にいたい、という想い

今回は骨董に纏わる件で誰も暗躍することもなく、ほのぼのほっこりするお話でした。
お正月の三本木の実家のある日光を舞台に、三本木の家族周辺がメインとなります。

まさか三本木の兄弟があぁいう風だとは思いませんでした(笑)
彼がケチになるのもそんな切ない理由があったとは…。
兄弟からあんな扱いされて、よくまぁひねくれなかったものです。
実家にいるのが苦痛な三本木は、なにかと緒方のところに逃げ込むのですが、緒方さんは三本木に会えて、嬉しくて仕方ないんですよねー。
三本木相手には素直な緒方さんは、ストレートに気持ちを囁く囁くw
でも三本木は素直じゃないから甘くなりきれないのですが、三本木もそろそろ緒方のことを恋人だと認めつつあるのかな?

最後には三本木も少しは実家を好きになれたかなという点、
そして三本木の帰る場所はもはや緒方のところなんだなと思うと、嬉しくなってしまいます。

Hシーンについて全編通してみると、ちょっと手順がパターン化されてる気がしないでもないけれど、
基本は緒方のご奉仕エッチであるしw
毎回少しずつ快楽に馴らされていく三本木を見られるのも楽しいのです。
表紙絵のように、H時以外でも緒方に抱きつける日が来るのは何時なんでしょうね~。

しかし残念なことに、商業本としたらここで止まってしまっているのですよね…。
同人誌では続きがあるようなので、これは地道に探さないといけないのか(涙)
まだまだ謎はいっぱいあるので、最後まで書ききっていただきたいし、同人誌でも構わないのでひとまとめにして発行していただけたら嬉しいです!

4

乞う、続編!

この巻は、ひとことで言えば、「THE お正月姫始め」(笑)

前回の砂糖菓子クリスマスに引き続き、今度は年越し編。
予想通り日光の実家へと帰った三本木だったが、
ひょんなことから緒方も桂丸と共に日光へ行くことになり、
寂しい年末年始かと思いきや……というお話。

今回骨董はちょっとした小道具としてのみ登場し、
主な話は、三本木の実家の家族関係と(如何にしてドケチ三本木は育ちしか?)
桂丸の縁で泊まる事になった老舗旅館と長兄の、何やらいわくが……

全然ワクワクドキドキする話ではなくて、ホームドラマみないなのは
個人的にはかなり不満。
三本木は読者はとうに分かっていることだけれど、緒方を求めていて
緒方さんは、危険なことも、彼の才能を生かすような事件もなく
暖かな旅館で、棚ぼた幸せ年越しを満喫しております(笑)
まぁ、個人的には大分可愛くなってきたとはいえ、
緒方さんがなんで三本木がそんなに好きなのか、やっぱり今ひとつ分かりませんが
まぁ、ご本人が幸せならば私ゃ構いませんよ……。

それより、ああん?!
これで商業誌は中断ってどういうことですか〜っ?
こんなところで放置されても困るんですけれど〜?
緒方さんの過去を明らかにさせて下さい〜。

同人誌ではちょこちょこと続編が書かれているようですが、
ちゃんと商業誌で完結させて下さい〜〜っ!!(絶叫です。)

   ※ ここで、ドロシーシリーズの続編に関する情報を。
     定かな事情は不明ですが、商業誌での続編の出版ができず
     筆者は完結させたいと、同人誌での連載を行なっています。

     ドロシーの指輪シリーズ6『メリザンドの泪』
      第一話 OFFICIAL19 2012年夏刊
      第二話 OFFICIAL20 2012年冬刊
      第三話 OFFICIAL21 2013年夏刊
      第四話 OFFICIAL22 2013年冬刊 ……この時点でまだ未完です。

     メリザンドと言えば思いつくのは、『シシリエンヌ』が非常に有名な
     フォーレのオペラ『Pelléas et Mélisande 』ですねー。


     ❅        ❅        ❅  


ところで、このシリーズタイトルに女性名が入るのがパターン。
今回のスニグラーチカって誰ぞや?と思ったところ、
ロシア版サンタクロースの孫娘の雪娘=Снегурочкаとのと。
ああ、チャイコフスキーやリムスキー・コルサコフの『雪娘』か!

日本でよく知られるサンタクロースは、
赤い衣装(コカコーラの陰謀?)とトナカイがトレードマークですが
ロシアのサンタ=ジェット・マロース(寒波のおじさん)は水色の衣装です。
そして、冬に花を咲かせ寒さで凍りつきそうなロシアの民の心に暖かさや優しさを届ける
このスニグラーチカを伴っています。


4

この作品が収納されている本棚

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