李歐

李歐
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  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神7
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
2
得点
35
評価数
7件
平均
5 / 5
神率
100%
著者
 
媒体
小説
出版社
講談社
シリーズ
講談社文庫(小説・講談社)
発売日
価格
¥743(税抜)  ¥802(税込)
ISBN
9784062630115

あらすじ

惚れたって言えよ。
美貌の殺し屋は言った。その名は李歐。
平凡なアルバイト学生だった吉田一彰は、その日、運命に出会った。
ともに二十二歳。
しかし、二人が見た大陸の夢は遠く厳しく、十五年の月日が二つの魂をひきさいた。
『わが手に拳銃を』を下敷きにしてあらたに書き下ろす美しく壮大な青春の物語。(裏表紙より)

表題作李歐

李歐・本職金儲け
吉田一彰・阪大生

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レビュー投稿数2

比類なき 美しき 長編BL

1992年刊行の「我が手に拳銃を」を、文庫化にあたって改稿改題した作品。
1999年の出版だが、今更ながらに手に取り、
どうして今まで読んでいなかったのか!?と歯噛みをし、
以来頭も魂も鷲掴みにされて日々が過ぎる。

これは、文革と東西冷戦の時代の1970年代後半、
22歳で運命的に出会い、時代に翻弄され
それぞれの場所で必死に戦い抜きながら、
15年目見えることなくとも、魂の絆を繋ぎ続けた男達の話だ。

一人は、日々虚無を抱えて生きている工学部の学生・吉田一彰。
もう一人は、彼の前にある日現れた美貌の殺し屋・李歐。



クライムノベルともいおうか、屍累々。
主人公の一顕は盗みも入獄もするし、
殺人も陰謀もテロもゲリラもあり、決して明るい話ではないのに、
桜のモチーフに象徴されるように、パッと目の前がそれ一色に染まるような
夢のように美しい読後感の物語。

幾多の痛みを覚えながら読み進めた最後の
中国の大地での情景の美しさときたら!
腐女子だったら、萌え死にしそうな終わりだった。

ただし描かれている二人の関係は、直接的な描写はなく
続き
むしろ女性との関係を描くシーンはあり、結婚や子どもも出てくる。
そういうのが苦手なBLファンには地雷があるかと思うので、
ご用心。



ところで、紹介文の「平凡なアルバイト学生だった吉田一彰」はいかがか?
6歳にしてオルゴールを組み立て、当時聞いた中国語や朝鮮語や
起こっていた出来事を記憶し、現役で阪大の工学部に入り、
そこで学んだ中国語を不自由なく話し(おそらく英語も)、
文学部助教授の愛人から教えられた漢詩を諳んじ、
夜は怪しい高級クラブのボーイをする一彰が平凡ならば、
平凡じゃない人っていうのはどういう人なのか?

その答えは一つだけ思いつく。
一彰をすら平凡に見せる類稀な非凡な人間、
それが李歐だ。
美しい黒髪の整った美貌、日英中朝露の5ヶ国語を自在に操り、
迷いなく敵を撃ち抜く射撃の腕、ファルセットで朗々と歌い、舞う。
巨万の富を稼ぎ、超大国を相手に渡り合い
そして、未来に開かれた夢を見る男。

あまりに艶やかで鮮やかな李歐という存在に、
出会ったが最後、惚れて心を奪われてしまうのだ。
一彰も、私も、そしてきっと貴方も!!

4

ピピン

snowblackさま
作者の高村薫さんは、まーーったく狙ってなかったらしいんですね。それはそれで凄いと思いました。

一目惚れ同士の15年愛

マザコン(ゆえに年増好き)・機械フェチの一彰と、歌って踊れる謎の美形中国人・李歐が出会い、お互いに惹かれ合いながらも別れ、そして再会するまでの15年を描いた物語です。
『わが手に拳銃を』より、ラブ度がアップしていますよ。
以前住んでいた所が舞台のひとつとなっているので、個人的な思い入れもあるのですが、それがなくても大好きな作品です。

母親の駆け落ち相手の男を捜すため、ナイトクラブでバイトをする一彰。
そこで殺人事件に巻き込まれ、人生を狂わせていく。
一彰の目の前で、2人の男を正確に射殺した李歐。
しかし一彰が彼に対して抱いたのは、恐怖ではなかった。
李歐が持ちかけた密輸拳銃を盗む計画に協力。
いつか中国大陸へ連れ出すことを約束して、李歐は国外へ逃亡。

「惚れたって言えよ。」と一彰にしつこく迫った李歐。
のたうちまわりたくなるようなセリフを吐いてくれます。
言うことクサいしやること派手だけど、李歐だから許されますね。
お金大好き、陽気な自由人の李歐は、とても魅力的なんです。
(平気で殺人しますけど・・・。)

本当は李歐は一彰を連れて行きたかったし、続き一彰も付いて行きたかった。
それなのに今度は一彰の方が「惚れた?」と尋ねて李歐の激情をかわします。
二人の別離のシーンはすごく切ないですよ。

15年の時を経て、李歐は約束通り五千本の桜で一彰を大陸に迎えます。
そこに至るまでには様々な犠牲がありました。
一彰の盾となり守り続けてくれた男・原口。
そして子供の一彰に優しくしてくれた女の子・咲子。
年上という理由だけで彼女に惹かれた一彰ですが、ちゃんと愛情が存在していました。
一生離したくないと思った矢先の出来事。
旧作から大きく変更となった点のひとつですが、ここが一番哀しい場面です。

同性愛者である川島と、李歐も一彰もそれぞれ関係を持ち、さらに一彰は服役中に原口とも関係を持ちました。
それなのに肝心の李歐と一彰の決定的な描写がありません。
一彰は惚れていると認めていたけど、李歐の方はまさかの家族愛!?
「心臓に接吻した」という箇所を深読みしてもいいんですよね?


ところで髙村作品は男性読者が多いだろうに、時々男に惚れる男が登場しますね。
普通の推理小説だと思って『黄金を抱いて翔べ』を読んでいたら、突然幸田とモモがデキてしまってびっくりしました。
「俺のアパートに来いよ。」という会話を交わした二人が、その後何をしていたかなんて、北川が聞くまで気付かなかったです。
どうせ男に走るなら、春樹を選んであげて欲しかったな。

5

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