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ポエムなタイトルをつけたくなる、DKの初恋。めちゃくちゃキュンキュンする可愛いお話で、テクノサマタさんの挿絵がベストマッチ!あの絵だからこそイメージが膨らみます…
表題作を含め5編収録されていて、「夏服」(初出は雑誌)「キスとカレーパン」(個人サイト掲載)から数年後に「クリスマスとアイスクリーム」「日なたとワイシャツ」「卒業」を書き下ろして一冊にまとめた作品です。大好きです、杉原先生…。
就活中の茅原が面接帰りの電車の中で、同棲中の先輩と自分の馴れ初めを回想する形で語られていくストーリー。普通のDKが同性の先輩に惹かれていくきっかけ、それから少しずつ親しくなっていって、ちょっとしたやりとりや身体的接触にドキドキしてしまう甘酸っぱさが、受け視点(一人称)の何気ない高校生活の中で描かれていきます。
茅原より先に社会人となった先輩とは、最近ギクシャクしていてケンカ中。内定をもらえなくて焦っている茅原と、仕事で帰宅が遅いお疲れ気味の先輩はお互いにイライラしていてすれ違い気味。先輩は茅原に対して本当に優しいんですが、茅原本人は慣れすぎてしままったのか、倦怠期…?作者様の攻めに全幅の信頼を置いている一読者としては、攻めのタイプ(ある意味スパダリ)がなんとなくわかっているから、先輩のちょっとした言動にキュンキュンしてしまうんですよね。
なのに…先輩の元カノにずーっと嫉妬してる茅原。ホント、先輩のことが好きで好きでしょうがないんです。カッコよすぎる先輩をいまいち信頼しきれない茅原の心情を汲むかのように、先輩はいつも茅原が欲しい言葉をくれて安心させる、の繰り返し。
クリスマスや高校卒業のタイミングで茅原は先輩からプレゼントをもらうんですけど、そのチョイスがもー、ラブでしかない笑。プレゼントのくだりに毎度萌えてしまうのですが、こんな本当にささやかなエピソードの連続の中に作者様の繊細な感受性を汲み取っ、素敵だなァとほわほわします。
紙で所持している大切な作品で、折に触れて読み返してはキュン…。杉原ファン&DK萌えにはたまらない作品です。
・甘酸っぱい
・キュンキュン
・キラキラ
・爽やか
・先輩×後輩ワンコ
・憧れの先輩を見かけたときの胸のドキドキとか、ためらい
・すべてが「初めて」
青春だー!!と叫びたくなるようなのが詰まってます。
こそばゆいほど眩しい。
現在同棲中の恋人とケンカをしてしまった受け。
家に戻る気になれず映画館でオールをした朝、高校生の夏服姿が目に入った受けは、先輩と出会ったあの頃を思い出し……というのが「夏服」
「キスとカレーパン」は、何度かキスをしたものの……という初々しい気持ち。
「クリスマスとアイスクリーム」初めてのクリスマス、そして初めてのお泊り。
「日なたとワイシャツ」仲直り後の二人のお話。
「卒業」あと少しで先輩が卒業して東京に行ってしまう…そんな気持ちが詰まってるお話。
ただ読んでて、ちょっとムズムズするというか、飽きてくるというか。
受けはとにかく先輩しか目に入らないワンコなんですね。
そして本当に些細なことで拗ねたりするんだけど、なんというか視野が狭いというか幼い。
だけど、考えてみれば受けは15歳。
幼くて当然なんです。
人生経験が圧倒的に不足してるヒヨコ。
初めての恋を前に、些細なことですぐ心配になってピーピーしちゃうヒヨコ。
その幼いヒヨコによる一人称の「僕」視点で全ての話が進むところが、ちょっと飽きがきてしまう原因かと思います。
同じ一組のCPの、短編連作的な作品。5編が収録されています。
「夏服」
社会人1年x大学4年、一緒に住み始めて4年の2人が喧嘩して、大学生の茅原が出会いの時の自分たちをつらつらと思い出す…
自転車通学の途中道にあるコンビニでいつも見かけるかっこいい先輩。目で追っているうちにドキドキを感じるようになって。視線はやはり物を言うのだろうか、先輩・坂江も茅原を気にかけて、2人は一緒に学校に行ったり、距離を縮めていく。
…と馴れ初め、というか2人の始まりが語られるんだけど、茅原のグルグル具合がなんとももどかしい。ここを胸キュンと素直に捉えられるかどうかが萌えの分かれ目かな、と。
「キスとカレーパン」
先輩は割とストレートに好意を口にし、スキンシップをはかってくるけど、茅原は超ぎこちない。
ここを「わかる〜!」と素直に捉えられるかどうかが萌えの分かれ目。
「クリスマスとアイスクリーム」
付き合ってはじめて迎えるクリスマス。茅原は先輩と過ごしたいけどそんな我儘言えない、とグルグル。先輩も何も言ってこない。先輩はどうしたいのだろう、とまたグルグル。その上、先輩の元カノが先輩の友達グループとイブに集まると聞いて…
この一編では、2人の初Hあり。クリスマスイブに初Hって、もう王道すぎて気恥ずかしいよ…
「日なたとワイシャツ」
時系列は、1作目「夏服」の3日後。
今大学4年の茅原が就職したら洗濯物がいっぱい干せる部屋に引っ越そうか、という話。先輩の未来に自分がいる事が嬉しい茅原です。
「卒業」
時系列はまた戻って、先輩が大学受験して卒業する時のお話。
茅原は、先輩が卒業して東京の大学に行くことになったら自分は、自分たちはどうなるんだろう、と遠距離への不安を抱いてる、でも受験生の先輩に心配かけるような我儘は言えない、とグルグル。
先輩が第一志望の東京の大学に合格して、言うまいとしていた不安をついに言ってしまう。でも先輩は大丈夫だよ、と言ってくれて。
ラストシーンは卒業式。晴れやかな先輩。ちゃんとおめでとうを言える茅原。
ここで冒頭の表題作を思い出す。そうだ、ちゃんと続いてるんだこの2人は。だからすっきりと読み終える事ができます。
イラストはテクノサマタさん。茅原のお目目が大っきい〜!少女漫画的、ですね。
キュンキュン・きらきらの青春モノでした。主人公を女の子にすればそのまま少女漫画になるタイプの作品で、私には向いていませんでした。青春モノ、好きなんだけどな…。
お話の本筋とは関係ないのですが、主人公(受)の一人称で書かれたモノローグは「ぼく」なのにセリフは「俺」なのが最後までモヤモヤしてしまいました。実はモノローグは別人でした!みたいなちょっぴりサイコなオチかと思ったのですが、勿論そんなことはなかったです。
朋紀は、就職活動真っ直中に、その上恋人とけんかしてしまい、今ひとつしっくりこない日々を送っています。朝の電車の中で、高校生を見た時から、朋紀の恋人である先輩との回想が始まります。
毎朝コンビニで見かけた先輩、本気で会えなくなると心配した日々、そして、後ろからずっと見つめていた背中、そして先輩の卒業…。
朋紀と、先輩で恋人でもある俊一は、もしかしたら倦怠期だったのかななんて思ってしまうのですが、永遠に超えることができない年齢と、後ろから後をついて行くことが精一杯だったもどかしさ、初恋の甘酸っぱさが印象に残りました。