表題作青い薔薇の男

ハンプウェルトン卿:伯爵家の放蕩息子:
アドレー・ポイズン:夭折の画家:14歳~27歳

あらすじ

ノベルス「愛を描く男」サイドストーリー。
「青い薔薇の男」を描いたアドレー・ポイズンと、そのパトロン・ハンプウェルトン卿の悲恋のお話。

作品情報

作品名
青い薔薇の男
著者
剛しいら 
媒体
小説
サークル
剛しいら組〈サークル〉
ジャンル
オリジナル
発売日
3

(2)

(0)

萌々

(0)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
6
評価数
2
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

たまには悲恋も読んで欲しい

先日発売されたノベルズ「愛を描く男」のサイドストーリーです。

本編は日本人の贋作師と鑑定士のお話ですが、こちらはその贋作の元になったイギリス人の夭折の画家、アドレー・ポイズンと、そのパトロン、ジョージ・ハンプウェルトン卿のお話。

恵まれない環境で育った14歳のアドレーが、得意な絵を生かせる仕事を探して教会に行った時、たまたま出会ったのがあちこちに浮名を流しているハンプウェルトン卿でした。

絵の勉強をさせてくれるとのことで一緒にパリに渡り、画家への一歩を踏み出すのですが、卿が絵のモデルとして連れて来るのは彼の恋人ばかりで・・・
自分も卿を慕い、抱かれている状況で、他の男との仲を見せつけられるという苦行。
しかし、コロコロ変わる恋人たちよりも、長い関係を保っている自分のことを、幸せだと思いながら日々を過ごすのです。
ところが、青い薔薇作りに散財したハンプウェルトン家は経済的危機に直面し、ある日卿に結婚の話が持ち上がります。
絶望の中、遺作「青い薔薇の男」を描きテムズ川へ身を投げたアドレー。

「私は愛を知らない・・・だったらアドレー、おまえが教えてくれればよかったんだ」という最後の卿のセリフに、すれ違ってばかりだったけれどお互い想い合っていたんだという、取り返しがつかない哀しさを感じました。

本編で多少書かれているので、このお話が悲劇で終わるのはわかっていましたが、「青い薔薇の男」が描かれた背景はやはりとっても哀しいものでした。
しかし、こういう男同士のお話がBLといわれる以前“お耽美”と言われたりしていた頃の耽美的懐かしさも感じました。

惜しむらくは、肝心なところに誤植が・・・赤を青にしちゃうと意味が通じなく・・・よく読みこめばわかるとは思いますが。

6

麗音

とても参考になりました。
本編の文庫を読んでからこの作品があることを知りました。
内容は本編内で語られていたのでだいたいはわかっていましたが、より一層雰囲気が伝わり手に入ることがあったら読んでみたいと思いました。
ありがとうございました。

懐かしの「耽美」

「描くのは愛」の関連作、でも本編未読の状態で読んでみました。
多分、本編とは全く独立しているようなので、これだけ読んでも問題なさそう。

BLっていうより、耽美小説でした。

舞台設定といい、ストーリー展開といい、ね
惜しむらくは、せっかくのネタ、こんな薄い同人誌に押し込まないで、ハードカバー、は無理だとしても、せめてノベルスサイズ、5倍の分量で、ガッツリ読みたかったなぁ。
作者さん的には、同人誌で出すって事は、お仕事としてのオファーはなくても、ご自分の中の設定を是非とも披露したい、ってお気持ちだったんだろうけど、なんだか、こんな風に、ぎゅうぎゅうに大筋だけぽんと渡されちゃうの、とってももったいない。
逆に言えば、長さが凝縮されている分、耽美成分を短時間で補給するにはうってつけです。

1

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