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アルクさんは短編もいい!!良すぎて長編で読みたい、続きが気になる~、もっと膨らませて是非とも長編で読みたいよぅ、、そんな作品ばかりでした。
中でも表題作がツボに入りまくりで、短い話なのにウルっと。この話が好き過ぎるので神評価。
『極東追憶博物館』
博物館で働く天涯孤独な康夫の手に恋をしたグレゴリー。
グレゴリーに断りの手紙を書く康夫の気持ちが切ない。
一言自分が男だと言えばいいのに、手紙を書くのは、愛されたままで居たかったからなんでしょうね。
グレゴリーが愛を説けば説くほど、、康夫は苦しくて、、。
グレゴリーを愛してしまう康夫の孤独さに胸が切なくなりました。
そしてラスト、康夫はグレゴリーに、、。
ハラハラしたけどラストはハッピー。ああ、ホッとした、、。
寂れた博物館の設定が効いています。童謡を歌うシーンとか、、ハッとさせるシーンを描くよね~、アルクさんは。
『ギャンブラー大竹』
イケメンで頭もいいのに自堕落な生活を送る大竹。
大竹の世話を焼く友人。バレバレなのに好きだと言えない恋に純な大竹が可愛い~。
『シュミジエ』
恋がわからないテーラーのクロード。
初めての恋にテンパリまくり!頬染めて泣き崩れるクロードに鬼萌え~。
『役に立たない人』
役に立つって、、そんなあんた!って思ったけど、嫁にするなら良し!
『恋蜘蛛』
かつての旧友に妾にされた雪也。だが、男は2年も何もしなかったのに、突然雪也を抱き、、。二人の思いは通じたのかも知れないが、悲劇的な未来が待ち受けてそう。
しっとりと切ない雰囲気が素敵。
『ウルトラマリン~』、『アクアマリン~』
仕事人間の深海の前に人魚と名乗る青年が現れた!ファンタジーです。
いろいろびっくりです。謎が多いので長編でじっくり読みたいよ~!!
金魚と話す人魚がツボりました。
この二人はどうなっちゃうのでしょう?一つになって海へ還るのかな?
『楽しい俳句教室』
カワユイ俳句の先生とちょっとチャラいサラリーマンの話。ラブコメ。
先生のカワイコちゃんぶりにドキューン!
どの話も面白かった!やっぱりアルクさんが好きです!もう、好き過ぎな位好きだ~!!
まだまだ、書籍化されてない短編があるので、本にしてほしいよ~!!
唯一無二のストーリーテラーARUKU(遥々アルク)先生の短編作品集。
「ギャンブラー大竹」
大竹と斉木って(シテイーボーイズ?)高校の同級生?の関係で、自堕落な大竹の身の回りのお世話をしに斉木がたまに来るという間柄。大竹は斉木が好きらしいよ。短編のせいか何の説明もなく、ニュアンス系で。でもこういうの好きです!
「シュミジエ」
フランス?のオーダーシャツ専門店の若き職人クロード。人間の中身に興味がなく、ただ体のサイズ・数値のみで認識している。そこに現れた完璧ボディサイズの新進実業家。採寸時に突然キスされ、生身の人間の血潮を知る。
「知らなくて…生きてる人間ってあんなに…」アタフタして泣いちゃうクロードがかわゆい。
「極東追憶博物館」
ロシアの街に一人ぼっちで暮らす日本人ヤスオ。彼は街の小さな博物館の入場券係。ある日、券の差出口で男に手を握られ「手に一目惚れしてしまった」とラブレターをもらう。どうやら女性と勘違いしているらしいと思い、断りの手紙を出すヤスオ。だがロシア男グレゴリーは諦めない。
日本に出す手紙が送り返されて自分には失うものはない、と自覚するヤスオ。モスクワに帰るというグレゴリーに自分の手首を捧げようと考える!
「あなたごともらっていけばいいんだ」ヤスオをさらってゆくグレゴリー。帰る場所のないヤスオの居場所になってくれるといいな。、
「役に立たない人」
切ない…何が切ないって、自分の存在が世の中の何物にも全く意味のない存在と思い知る事。営業マンの男が、広場の管理係優しい心のNさんと出逢う。ある朝鳴っていたことに気付く音楽のように。惹かれ合う心…
(しかしここで唐突にHシーン。Hはなくても素敵な話だと思うのに)
「恋蜘蛛」
親しくもない身分違いの同級生が親の借金を肩代わり。代わりに男妾になる雪也(肉体関係はない)。ある雪の夜、遂に躰を重ねてくる君嶋。「好きだ」とは言ってくれない。「本日満州に赴任するように命令が下った」「連れてってくれなきゃやだよ…」すがる雪也。本当は甘かった二人。軍服の君嶋と赤い振袖の雪也の対比が美しいです。
「ウルトラマリンブルーシテイー」
広告代理店のリーマン深海が地下鉄車内で人魚の男に会う。シュール!人魚は「お宝を返して」と深海に付きまとう。誰のことも好きになったことのない深海。それでも…「元がひとつの命であったなら もう離れては生きていけない気がするだけだ」
「アクアマリンブルーウォーター」
人魚続編。そして人魚脱皮!シュール!「ぬけがら」が粉々になるシーンの衝撃。愛なんて認めないけど、この気持ちはやっぱり愛。なんかこの二人、このまま日常生活送りそう。
「楽しい俳句教室一 春麗ら」
(また)広告代理店のリーマン加賀美。上司に情緒を学べと俳句教室に送り込まれる。講師は若き俳人忍田。女好きの加賀美だが、何故かかわゆい忍田が気になっちゃう。
「楽しい俳句教室二 夏来る」
はじめは反応が面白くてからかっていたのに、梅雨が明ける頃「俺はあれからずっと考えている 感情には何か名前をつけないと ダメなのかい」
加賀美さん、多分それを恋というんです。
短編集なんですが、短編で終わらせてしまうのがもったいない作品ばかりでした。
不思議なお話だったり、切ないお話だったり、本当に今まで読んだことないようなお話を描いてくれる作家さんです!
「極東追憶博物館」表題作です。
言うなれば"手"フェチなお話。博物館のチケット売り場の男と、その手に惹かれる男。
"手"は確かに綺麗だと見惚れちゃいますよね。
遠くへ行ってしまう男に手を切り取ってあげようとするのは切なくもありました。
「恋蜘蛛」とても短いお話でした。軍人に囲われているだけで、そこに愛とか恋とかないようなのに、一度も口にしていないのに、確かにそこには何かがありました。こんな短いお話なのに沢山のものが詰め込まれていたような気がしました。
「ウルトラマリンブルーシティー」人魚のお話。
一番不思議なお話ですけど、(言い方が悪いですが…)一番軽く読めました(笑)
次の作品も本当に楽しみな作家さんです!
萌か神かで迷ったんですが、この得がたい味わい深さゆえに神に。
正直皆さんが仰ってらっしゃるように絵自体は万人受けしにくい絵だと思われるのですが、読んでいるとものすごくかわいく魅力的に見えてくるこのミラクル具合。
特に表題作の『極東追憶博物館』は何度読んでもじんわり涙腺にくる名短編だと思います。
こんなに充実した短編集は少ないような気さえしてきます。
どのお話も大好きで、本当にアルクさんの魅力にすっかりはまりこんでしまいました。
短いお話しが沢山入っていたけれど、どれも本当に美しかったです。
アルクさんの絵が癖になってしまって魅力的に感じますし、
切ない雰囲気と少し変わっているけど可愛いキャラクター達に胸がキュンとしました。
中でも表題作が一番好きでした。
『手』から始まる恋。
ほんの一言言葉を交わせば、すぐに終わる恋。
でも、終わらせることができなくて、最後に取った行動には驚かされましたが
とても綺麗にハッピーエンドにしてしまうアルクさんに脱帽でした。
『恋蜘蛛』も好きでした。
何でしょうかあの色気は。
昔は友人同士だったという関係もそそられました。
どれも終わらせてしまうのが勿体ないと思うお話ばかりで、とても満足です。
ぜひお勧めしたい作品です。