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唐突に二巻からレビューです、理由はこの巻の冨樫が圧倒的にカッコ良過ぎでポーッとなってしまったからです。
一巻では進藤は冨樫に反発しながらも、身体では結ばれました。ヤクザの本部長である冨樫という男をどう捉えればいいのか、分からないながらもこの男のためにチーズを切った。でラスト。
二巻は冨樫の雄の魅力が炸裂!進藤は身体はもう陥落、心は後一息というところですね。そして冨樫の方も、進藤に完全に惚れてしまうまでもうちょっと、微妙な距離です。
男女を問わずメロメロにしてしまう魅力の冨樫は、超肉食で押しの強いタイプでも、容易く心まで相手に預けたりはしてないのですね。
進藤の顔が最初は気にいっただけでも、不遇な境遇に腐ることなく凛として生きている進藤に本当に惚れていきます。
さめさんが倒れたり、進藤と冨樫の過去が次第にみえてきて、大変読み応えのあった二巻はまたも、いい余韻を残してラストです。
追記。表紙の二人はちゃんと服着てますが、その先はあられもない全裸で喘ぐ進藤と、ややスケベ顔の冨樫のハイパーセクシーイラストがお出迎えしてくれます。
これから本屋さんで買うという方はご注意あれ!
二巻では一巻より踏み込んで各キャラの過去に触れていく。
この巻では、進藤の少年院入りの原因となった事件の真相を調べる人物が現れたり、さめさんが倒れたりした事でそれぞれ触れたくない過去に直面する事となる。
富樫の過去については最終巻まで引っ張られる訳だが、彼が変わりたがらない進藤の核心を突く一言ずつにははっとさせられるものが多い。
おそらく昔の因縁から犬猿の仲であるさめさんと富樫についても、この巻ではさめさんが単に彼を毛嫌いしているというより、富樫に対して真剣に怒っているからこそという一面が伺えるので馴れ合いで済まさない堅気な性格の表れなのだろうな…。
あと、読み続けていくうちに、この話はヤクザもの要素よりも登場人物の内面に重点を置いて読んでほうが良いというのを悟った。
一方で諏訪組内部でも明らかに内部抗争の火種がくすぶっているというのに、富樫の内心はなかなか自分の想い通りになびかない進藤の事で一杯なものだから、大丈夫なんかいな?と訝しくなってくる。
槙原がそんな富樫を諭す中で内心は苛ついているはずなのに、進藤が拒んでいるのを一人納得して会話が噛み合わない様子が何だかおかしくてコミカルさも感じる。
そんな二人の肝心の色恋沙汰のシーンのほうもじっくりと書かれていて、欲や願望が欠落している進藤が富樫の手によって強引ながらも確実に色香に染まっていく様子にはぞくぞくする。
富樫、進藤、槙原、そしてさめ
それぞれが抱えている過去が見えてきました。
自分にも過去があるから、相手の過去にも踏み込まない。
そんな進藤も、富樫の過去は気になって仕方ありません。
進藤の心がようやく富樫に傾いてきた証拠ですね。
この作品の登場人物は皆んな影があって感情表現がものすごく下手だけど、思いやりがあって優しくて魅力的です。
BL視点では富樫と進藤の展開が気になるけど、槙原の存在も目が離せません。
3巻が手元にあって本当によかった!
諏訪組の内部の揉め事が徐々に大きくなっている中、進藤がパチンコ屋のアパートから「さめ」の2階に引っ越したのを槙原が先に知ったことに拗ねる富樫が面白いけれども、槙原はますます大変そうになっていて気の毒でした。
進藤が起こしたとされる事件の真相が明らかになり、それに対する富樫の言葉が進藤を揺さぶります。
さめが心筋梗塞で倒れ手術が必要になったことで、さめの家族や過去を知る進藤は、それまで、さめの苗字さえ知らなかったことに気づくのですが、過去を聞かれない心地よさは一定の距離感を保つことの裏返しで、富樫はその距離感を壊して強引に近づいてきたわけで、進藤が富樫の過去に興味を持ったのは、無意識ながらも距離を縮めようとする、進藤の心の変化なのかなと…。このことで富樫との関係がどう変わるのかとても気になります。
諏訪組の揉め事も気になるし、ノンストップで最終巻を手にとっております。
ひとりぼっちで生きてきた進藤は、
思いがけない経緯でヤクザの富樫や槙原と関わり
さめさんの店で働くようになる。
そんな助けられ支えられる日々の中で、少しずつ変わって行く心。
裏側の世界、決して明るくもなければ穏やかでもない世界の男達の優しさ。
それはそれぞれが、痛みを持って生きているからだろう。
傍若無人な富樫が持つ、深いところでの相手を慈しみ大切にする心。
そんな彼のもつ両面に、いつしか進藤は彼の背中を抱き返すようになる。
『無伴奏チェロ組曲』は、バッハの器楽曲の中で
もっとも深い精神性を要求される作品の一つだが、
この曲が静かに流れているようなそんなイメージがある。
進藤が初めてこの曲に触れた、前巻の最後軽井沢での一夜。
単に強引な富樫が進藤を寄り切って肉体を繋げたのではなく
何か、とても深いところで、二人が結びついた……
でも、互いにそれはまだ意識出来ない……という感じだった。
この巻では、富樫の過去の事件、
そして進藤の過去の事件がそれぞれ明らかになってくる。
「優越感を味わっているのはお前のほうじゃないか」と
今まで周囲が優しく触れないようにしていた事に、鋭く深く切り込む富樫。
心の核心に迫られて、今までまるで音のない世界で生きて来たかのような
進藤の心に、音楽が鳴り始める……
一方、ただ甘やかし与える愛し方しか知らなかった富樫も
何か特別な響き合いを感じ、のめり込んでいく……
そんな二人のHシーンは、濃厚だがとても切ない。
抱き合うことによってのみ、相手の真実に迫るようなそんな交合。
とても気になる脇役槙原と富樫の出会いを描いた『邂逅』の後半も収録。
主役二人も魅力的なのだけれど、この槙原がいい。
シリアスなストーリーだが、心情がとても細やかに描き出されて
ぐいぐい惹き付けて読ませる、個性的で心を掴む作品。
様々に事態が動き始めているところで続くなので、
完結編になる次巻が楽しみだ!