愛しても、愛されてもいけない──

華の涙

hana no namida

華の涙
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神0
  • 萌×20
  • 萌1
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
1
得点
4
評価数
2件
平均
2.5 / 5
神率
0%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
シリーズ
プラチナ文庫(小説・プランタン出版)
発売日
価格
¥571(税抜)  ¥617(税込)
ISBN
9784829624609

あらすじ

震災で家族を亡くした乙也は、売られた奉公先で暴行されそうになったところを、家の跡取りである一威に助けられる。一威の計らいで病に伏せる次男・文紀の世話係となり、恩に報いようと懸命に仕えた。しかし兄に異様な愛着を示す文紀に、自分の身代わりとして一威に抱かれろと命じられる。誠実でいつも優しく見守ってくれる一威に心を寄せていた乙也だったが、文紀の情念に操られるかのように彼を誘惑しようとした。軽蔑の眼差しで拒絶されても、服を脱いで一威の前に跪き──。
(出版社より)

表題作華の涙

材木商の息子 一威
震災で家族を失った 乙也

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レビュー投稿数1

人生良いことと悪いことは半分づつ

パラパラっと見るだけだったつもりが、一気にいってしまった本作。
関東大震災を始まりに、身売りされてしまった少年の不幸から下剋上チックなラストまで、結構引き込まれてしまいました。

学校にいたために震災の難を逃れた乙矢ですが、浅草で小間物屋を営む家は火事で燃え尽き、家族も皆亡くなってしまいます。
そこへ現れた父の従兄という島田という男に騙されて、深川の材木商・森谷に売られてしまうのです。
危うく男たちに乱暴されそうになったところを救ってくれたのが、長男で帝大1年の一威。
そこで初めてときめきというものを覚える乙矢。
乙矢と歳も近いということで、彼の弟で、病気の為離れにこもっている身体の不自由な文紀の世話役をするよう命じられます。
そんなある日、一威に華族の令嬢との婚約話が持ち上がり、乙矢が文紀の振りをして列席することに、その夜初めて一威にキスをされます。
ままならない身体と兄を愛する気持ちが強い文紀のいいなりになるしかない乙矢は、婚約を破談にする工作を文紀に言いつけられ、それを主の弟にとがめられて性的暴行をうけそうになるところを再び一威に見つかり・・・
しかし、一威の続き乙矢に向ける目は冷めたものでした。
文紀の病状は良くならず、そのうち乙矢に自分の代わりに一威に抱かれてきて、そのありさまを逐一報告しろと言いだします。
命令とはいえ、乙矢も一威が好きになっていたのでそれを遂行する乙矢。
しかし、それはお互いの愛の告白になり、つかの間の恋人になる二人。
そして、文紀の病状が悪化して入院することになった時に二人にも別れが訪れます。
・・・そして5年後、乙矢は養子に行った先で成功を収め裕福な商家の跡継ぎとして商売を賄っていますが、一威は身内の裏切りにより家業の破産の危機にありました。
偶然再会した二人ですが、乙矢の出した条件は、あまりにむごい申し出だったのです。

乙矢の健気さ、文紀の苦悩は特にひしひしと伝わってきます。
しかし一威の気持ちの変遷が、ほとんど感じられないのが残念な部分です。
どうして乙矢を好きになったのか、それは乙矢の行動で理解しろと言うのでしょうか?
またあまりに真っ当な青年として描かれていますので、乙矢に執着する背景もわかりずらいです。
ただ、弟文紀の存在が二人の介在役として重要だったので、その辺りがポイントになるのでしょう。

文紀は一体どんな病気だったのでしょうか?
彼は親からも見放され、ただ兄のみに執着することで生きていたような節がありますが、乙矢が懸命の介護をすることで乙矢を好きになってしまったのだと、そして乙矢になりたかったのだと、二重の愛を持った少年だったのですが、そこの設定がとてもよかったと思います。

この小説、文紀の存在価値はとても大きかったので助演男優賞ものであります。

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