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表題作タナトスの双子 1917

副官ヴィクトール
軍人 ユーリ

同時収録作品タナトスの双子 1917

ミハイルの幼馴染アンドレイ
ユーリの双子 ミハイル

あらすじ

「欲しいのは憎悪だけか…?」
オルロフ公爵家の嗣子として、皇帝に仕える近衛師団の大尉として知られていたユーリだが、自らを犠牲にしながらも愛する者の裏切りに遭い、生きる意味を見失っていた。副官のヴィクトールはそんなユーリに屈辱と服従を与え、憎しみを糧に生きることを強要した。一方、生き別れていた双子の兄であり帝政派の敵であるミハイルは、幼馴染みのアンドレイと共に、ロシアを離れたユーリを追い詰めてゆく! 憎しみと裏切りが錯綜するなか、ふたりが手にしたものは……
(出版社より)

作品情報

作品名
タナトスの双子 1917
著者
和泉桂 
イラスト
高階佑 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
シリーズ
タナトスの双子 1912
発売日
ISBN
9784813012085
4.1

(37)

(21)

萌々

(5)

(8)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
12
得点
152
評価数
37
平均
4.1 / 5
神率
56.8%

レビュー投稿数12

主従、下剋上、敬語、眼鏡、調教、幼馴染み、軍服、貴族、年の差、年下攻などなどのキーワードでぴんとくるものがあれば、是非御手に取ってみてください。

というのが、和泉さんが店頭用POPに書かれている言葉なのですが。
ぴんとくるものがあればどころか、むしろ全て当てはまるぞ!!な勢いです。

下巻にあたるこの巻ですが非常に面白かったです!

冒頭でミハイルの記憶が戻って全てを思い出して。
昔のユーリとの温かな記憶も愛情も思い出して。
それまでのミハイルとは違ってきて。
そうして過ごしていくと献身的に世話をしてくれているアンドレイに改めて感じる感情が芽生えたりで。
なかなかそれを素直に伝えることはミハイルの性格上できないんだけれども、それを伝えてアンドレイのものになることのできたミハイルはとても幸せそうにも見えました。

一方でユーリはマクシムを失ったことで生きていく気力も何もかもを失って。
捕らえられても何も感じないような状態で。
そんなユーリに生きる意味を与えたのがヴィクトール。
そのやり方は卑劣ともいえるしユーリにとっては少しも喜ばしいものではなかったけれども。
憎悪を糧に生きることを植え付けたヴィクトール。
けれど、そうしてまでヴィクトールが望んでいたことはたった1つで。
そのためには自分の命を落とすことも厭わないし、自分が報われないことも少しも躊躇なくて。
どこまでもヴィクトールにとってはユーリが唯一で。
そのやり方想い方が屈折しているのは確かだけれども、それほどに深い想いを持っていて。
やがて、それをユーリに伝える機会も得て。
それでも、少しもそれ以上を望んでいないある種の献身的なまでの妄愛っぷりに感服です。
そして、ユーリは少しずつそうして本心をも混ぜられることによって変えられていくのですが、最後までそれで芽生えた本心を素直に口にすることが躊躇われるようで。
背中にそっと囁く程度なのがまたなんとも言えず。

上巻の時からヴィクトールがダントツで好きだったんですが、この巻でもやはりヴィクトールが好きです。
こういう屈折した男が好き。
そして、またユーリもそんなヴィクトールと在るうちにそれまでのような強気な態度が取れるようになったりで。
素直に心情を吐露しない分、2人の関係がせつなくもあり好きです。

ラストシーンはハッピーエンドの予感といった感じで幕が引かれていて。
はっきりとは描かれていない故に、もしかしたらそうではないのかも…という思いもあったりで。
それはそれでこの双子の物語としてしっくりいくような気もするのですが、個人的には是非ユーリの口からちゃんとヴィクトールに遠回しな言葉ではない愛のセリフを聞かせてあげて欲しいです。

2段書×上下巻で読みごたえ十分。
高階さんの挿絵も表紙もすごくキレイでもう大満足です。
これは本当に最後まで目が離せない展開で面白かったですv

6

サガン。

かにゃこさん、こんばんは~。
ホント、これだけキーワードあってツボらない人がいたら逆に会ってみたいくらいです(笑)
私はわりと和泉さんの作品て好きなのですんなり読めたのですが…。
キーワードにピンときたなら是非読んでみてください♪

サガン。

菊乃さん、こんばんは~!
私も作家さんが好きで気になってはいたんですが、表紙でかなりググってきて、この煽りで買っちゃいましたv
萌えツボ満載。
個人的にはやっぱ「下剋上」がかなりのツボですvv

菊乃

サガン。さ~ん、こんばんは~!
この作品、表紙だけでピンと来てたんですが
サガン。さんのタイトルでさらにピピピーンと来ちゃいましたw
私の萌えツボキーワード満載ですよ!!w
近々買っちゃいそうです^^;

5人の男たちの愛のカタチ。

双子を再びめぐり合わせた男 マクシム
双子に愛された男 マクシム
双子を引き裂き憎しみ合わせてしまった男 マクシム
マクシムーっ!!!

あれ・・・マクシムってそんなにいい男だった?(´д` )

マクシムへの気持ちを双子が“愛”と呼ぶけれど
私には“恋”だったような気がしました。

ミハイルをまっすぐな愛で支え続けた幼なじみのアンドレイ。
ユーリを歪んだ愛で支え続けたヴィクトール。
アンドレイもヴィクトールも、双子に魅了されながらも
ほかの男どもとは違い、全てが欲しいために
じっとそばにいて自分を見てくれるのを待っていたんですよね。
なんという欲張りさんw

ヴィクトールの愛情の歪みがどこからはじまったのかも
この巻であきらかになり、そのきっかけがものすごく子供っぽくてw
大人が拗ねると本当に大変なことになるんだなw
しかしヴィクトールは、本当にややこしい男で
主従、下剋上、敬語、眼鏡、調教、幼馴染み、軍服、貴族、年の差
というキーワードをすべて展開してくれましたよ。すげぇw
ヴィクトールあっぱれ!
大変読者を楽しませてくれました。大好きです。
この人の仮面が少しずつ剥がれたときちょっと泣いたよ。

双子はマクシムと決別し、愛される喜びを知ります。
無二の存在であった双子は互いへの想いよりも
自分を愛してくれる男を選ぶところは
やっと兄離れ、弟離れをしたんだなって思ったのに
ラストの運びは、どうにもすっきりしませんでした。

愛する人を抱かない愛 マクシム
青い鳥を見つけた愛 ミハイル
実はドMだった愛 ユーリ
愛されぬなら憎んでもらおう愛 ヴィクトール
愛されぬなら愛されるまで待とう愛 アンドレイ

5人の愛のカタチ。
ロシア革命前後の殺伐とした世界で
ミハイルとユーリが選んだ愛は多少生きるための打算もあったと思う。
自分を一番愛してくれて守ってくれる人を選んだんだもん。
最後は、もっとずるい道を選んでくれてもよかったよ。

どの愛のカタチに共感するか読者によってさまざまじゃないでしょうか?

5

詰め込みすぎた感はあるけど、凄まじい重厚さ

タナトス1912の下巻に当たる今巻。
読んでからだいぶ経ちまして、再読しました。
重くずっしりとしたお話。冷たいロシアの風景を感じるのは前巻同様。
1912にて飛び交っていたそれぞれの愛の形が、終結しました。

レビュアーの皆さまがおっしゃるように、いろんな要素が散りばめられている読み応えたっぷりな一冊です。↓ネタバレレビュー。

一番印象的だったのは、やはりヴィクトールの愛し方でした。
歪んだ愛情表現としてしまえば、そうなのですが、愛するがゆえに自分は憎まれても、ユーリに生きる意味を与えるという無償の愛。
自分が愛されなくともいいから、ただ愛する人に生きていて欲しい。
そう語るシーンで、その純粋な想いに涙しました。
恋愛は相手に好かれたいと思うものという概念をふっ飛ばされました。
ガツンと頭をやられた感じです。
どうしたって、好きな人に好きになってもらいたい。そう思うものだと思っていたし、いろんな作品を読んでいてそこをほじくることはほぼなかった。
でもヴィクトールの愛はそれすら飛び越える次元を超えた想いのような気がして、、、共感はできないキャラなのに、報われようとは欠片も思っていない孤独かつ強い彼に胸を撃たれました。
んー。やられました。そうくるかと。

そして双子特有の愛憎ストーリーも読ませてくれました!!
ユーリとミハイルのそれぞれの個性を活かした展開の素晴らしさ。
二人が絡まった過去の因縁から解き放たれるための選択肢は、まさにクライマックスで、ゾクゾクしました。

いろいろ語りたいところが満載すぎて書ききれないというのが感想でもあります。。。
ロシア革命下に生きるキャラたちの生き様を見届けるという感じでした。
時代的には難しそうなイメージがありますが、とてもわかりやすく読みやすく書かれていると思います。

すごいのは……
【双子もので踏んで欲しいポイント】
双子が離れ離れになってしまう。
双子の一人が記憶喪失。
双子で同じ人を愛してしまう。相手を寝取ってしまう。
双子が敵対してしまう。
双子であるがゆえに、味方から敵勢力のスパイだと誤解をうける。
双子で殺し合わなければならない。
双子が和解。

というポイントを2冊ですべて含んでいるところです。
そこにさらに、調教エロ。敬語言葉攻め。下剋上。幼馴染。主従。メガネ。などが入ってくるという詰め込み具合w
よくぞ詰め込めたというくらいのネタ量。
ずっしりお腹いっぱいになります。
重めのお話を頂きたいときにぜひに2冊を♪
ラストシーンは評価分かれるかなーと思いますが。
余韻の残し方が私は好きでした(>_<)
愛すべき美しき双子たちが幸せでありますように。

下巻の表紙も扉絵も挿絵も素晴らしかった!!!!!!!(*^_^*)
高階先生の絵…秀麗すぎます(ToT)
何回も魅入ってしまいます!!!!!好き過ぎる。

4

欲しいのは、憎悪だけか?

いやあー。もう切なかった。久しぶりに読み終わりたくないと思った作品だった。

ビクトール!!私の想像をはるかに超えるいい仕事っぷりだった。下巻は、上巻をはるかにしのぐエロさ。それもこれも、ビクトールの鬼畜っぷりが発揮されたおかげ。 そのせいといっちゃあ、なんだけど、その餌食にされるユーリが気の毒といっちゃあ、気の毒だった。「いかせてください」「口でしてください」というところなんか、もう鼻血もの。

それにしても、上巻とは打って変わって、ミハイルとアンドレイがラブラブあまあまなのは面食らった。ミハイルよ、マクシムのこと、忘れるの早すぎよ!!ユーリとビクトールのセックスが痛いから、ミハイルとアンドレイのセックスが甘すぎて、‥(゜Д゜;≡;゜Д゜)てなった。

ユーリは、ビクトールと二人で逃げられたはずなのに、どうして最後の最後でミハイルを呼び出したんだろう?生きていてほしかった。ユーリもミハイルも。ビクトールが必死になってユーリを生かそうとしていたのに、その思いがユーリには届いていなかったのかな?
読んだ後はすごく哀しくて切なくなった。

4

巻頭カラー!

美麗な表紙の本、前から気になってましたがやっと読むことができました。高階さんの絵が最高です。特に上巻の巻頭カラーのミハイルの表情が切なすぎる!でもストーリー的には好きなのにユーリの方が抱いてもらえなかったんだからユーリも切ない?私はあの可哀想な顔をしてる方がミハイルだと思い込んでしまいましたが。マックス、罪な男です。

その割に下巻では双子はお互い別の男といちゃいちゃしまくってましたが(笑)いいんですそれでこそBLです。運命に翻弄された双子ならではの愛憎うずまく感じがたまらない壮大なお話でしたが、なんといってもこの本は挿し絵が美しすぎます。高階佑さんはBL界の宝と言える人の一人だなとつくづく思いました。最近小説はイラスト買いより、作家買いの方が多いんですが、高階さんは自分の中では別格で持っている本の中でも一番多いイラストレーターさんです。(どの表紙も芸術的に美しすぎて手放せないのです)

3

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