好きじゃないのに、 あんなことしたの?

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表題作夜明けはまだか 下

元財務省勤務の議員秘書 小早川秀峰
評論作家 谷町胡太郎

あらすじ

伝説の官僚にして、二世議員・古館の秘書を務める小早川秀峰に己の乏しい恋愛遍歴を言い当てられた上、酔った勢いで貞操まで奪われてしまったコタこと谷町胡太郎。謝罪を約束されるも、合意していない相手の身体を悦んで受け入れてしまった心境は複雑で…。その後、駆け落ちした古館たちを探し出して小早川と北海道から戻ったコタを待っていたのは、妻と別居中の担当編集・杉浦と、居候・湯川の自称恋人、古館の婚約者とややこしい人物ばかり。そんな厄介事の合間に訪れる小早川の囁きや視線が熱いのは気のせい? それとも…。
(出版社より)

作品情報

作品名
夜明けはまだか 下
著者
谷崎泉 
イラスト
藤井咲耶 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576091716
3

(7)

(1)

萌々

(1)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
19
評価数
7
平均
3 / 5
神率
14.3%

レビュー投稿数2

2人だけのという意味では、夜明けはまだ遠そうです!

完結編!

前回、伝説の官僚とまで言われた小早川に、自分の恋愛歴の乏しさを指摘され、その上酔った勢いで関係を持ってしまったコタ。
その後の小早川の反応に納得いかないながらも、古舘と折原の件が落ち着いたら、コタの納得のいく方法で謝罪を約束するという小早川。
そして、駆け落ち同然で失踪した古舘と折原を捜す為、北海道の女満別に向かうことになります。

この旅で、小早川とコタの距離はどんどん縮まり始めます。
お互いに対する認識が変わっていくことでほだされていく2人。
小早川の存在がコタの中で膨れ上がるに連れ、長年片思いをしてきた折原に対する想いに、疑問を抱き始めるコタ。
2人の恋の行方は?
古舘と折原を連れ戻すことが出来るのか?
この他にも、コタの担当者の夫婦問題に、古舘の婚約者、居候人の女性問題に巻き込まれてしまい?
居候3人集を追い出すことは出来るのか?

下巻も、コタは周囲のドタバタ劇に振り回されながらも、持ち前の面倒見の良さと、人の良さで、何だかんだ文句を言いながらも一つ一つ解決へと導いていきます。
これがコタの性分というか…運命というか仕方が無いんですよね(笑)
でもそこに、これまた似た性分の小早川が加わり、運命共同体ごとく、2人で協力し合う内に愛が芽生え…展開は、初々しい2人の甘さにキュンとしました。
谷崎先生お馴染みの、無理矢理カラダから始まるパターンなんですけど、今回はちょっぴり事情が違っていた所は良かったかもしれません(笑)

仕事ができるけど、クールな嫌味な男のイメージが強かった小早川が、下巻の最後では、本当に普通にいい人に収まっていてビックリです。
ヘタレたという訳でなく、責任感あって、思いやりもあって、優しい人柄とコタの事を大切にする誠実さが良かったです。
この方も、恋するのはコタが初のようなので…テンパリ具合が可愛くて楽しめました。

お初同士としても、嫌な役回りばかり回ってくるような不幸な性分という意味でも、似たもの同士の2人は最高のカプなのでは?と思います。

お騒がせカプの古舘と折原さんも、厄介ごとばかり持ち込むご迷惑な他の人達の問題も、丸く収まったから一安心といった感じでした。
厄介ごとを持ち込む根本の原因は何も解決していないので、コタの受難はまだまだ続きそうですが(笑)

1年が経ちコタと小早川はまるで夫夫のようにいい雰囲気!
コタにとっての夜明けがやってきたんだと嬉しく感じたのも束の間⁉︎
居候3人集は、持ち前の要領の良さで⁉︎…ここの夜明けはまだそうです(笑)
賑やかだけど、ほのぼの楽しそうな日常の風景に、これはこれで幸せな大団円だったのではと思います。

折原に対する長かったコタの恋愛感情が、意外にもアッサリ終わった所は、少し腑に落ちなかったんですけど、その後のドタバタ劇にそんな事も何処へやら(笑)
明るいハッピーエンド読後もスッキリでした。

藤井先生の表紙のイラストはシリアス系に取れるんですけど、中のイラストはコメディ要素たっぷりで楽しめました。
特に居候3人のイラストは笑えました。

明るいアットホームなお話を読みたい方!
初々しい恋愛ものが好みの方にはオススメです。

1

夜は明けたようですよ

駆け落ちした国会議員の古館と、谷町の想い人で先輩の折原を追って北海道にやってきた秘書の小早川と谷町。
一緒に泊まるホテルでお互い意識しまくってきまずいものの、知床で目的の二人を発見!
親の逝去に伴い議員を継がなくてはならなく、また周りの圧力で不本意な結婚を勧められていた古館が、無理矢理別れさせられた折原と再会したことで今回の逃亡劇は行われたのでした。
本当は、折原が古館を説得するはずのものだったのですが、二人の気持ちはすでに離れがたいものになっていたのですが、議員である以上ケジメをつけなくてはならないと、連れだって東京へ戻ることに。

この二人が何だか、議員先生と、農水省というお堅い職であるにもかかわらず、天然というか、妖精さん入っていると言うか、恋に走る恋人そのもので・・・絶句ものなんですが・・・
ま、そんななんで小早川と谷町は振りまわされるわけですよ!

一緒に行動することで小早川は谷町といると居心地がよい→好きかも?と思えてくるようになるのです。
最初は酔った無意識で犯ってしまいましたが、それも無自覚の意識の表れなんですよね。
谷町も、折原をなぐさめる勢いで口説いてしまえと小早川に背を押されるものの、小早川と接していたことで折原を好きではあったけど、どうかしたいと思っていたわけでもなかったことに気づくのです。

北海道から戻っても、居候や杉浦のトラブルが待ち受けていて、谷町は女難の相があるかのようにへきえきすることばかり、ついには、古館の婚約者まで乗りこんで・・・
そこで小早川が出した決断に、小早川が秘書になったいきさつを知る。
そして、あとは駆け落ちした二人の決める態度次第で落ち着くとなった時、小早川から「好き」という言葉が・・・

甘いひと時も、居候のせいでお笑いモードになってしまうのですが、それは谷町の人柄であり、それが小早川の彼を気に行った点でもあるのでしょう。

騒動の元凶の二人にも、小早川にも、そして初恋と決別して愛する人を手に入れた谷町にも、新しい生活が訪れたということが、この題名の”夜明け”なのでしょう。

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