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表題作卒業式~答辞~

高校三年生・副会長 箕方祐司
高校三年生・生徒会長・志野友之

同時収録作品卒業式~送辞~

中道泰斗 陸上部員
遠野偲 新生徒会長

同時収録作品卒業式~記念品~

森崎祥文 バスケ部員・生徒会副会長(高1~2)
大野俊紀 バスケ部マネジャー(高2~3)

同時収録作品卒業式~記念品 その後~

森崎祥文 高3
大野俊紀 大学生

その他の収録作品

  • あとがき 水壬楓子 
  • あとがき 高久尚子

あらすじ

竹叡学院第37期生徒会長に就任した志野は、何かと噂の多い同級生・箕方を副会長に指名した。周囲が望む優等生でしかない自分と対象的な他者を意に介さない孤高の箕方に惹かれてやまず、1年間だけでも彼を近くに感じたかったから…。生徒会入りの代償として卒業まで箕方の言いなりになるという取引をした志野は、やがて身体をも奪われる。好きな男との時間に刹那の喜びと苦しさを募らせ―季節は巡り、迎えた卒業の日…。素行不良の副会長×品行方正な生徒会長ほか、卒業式に始まる新たな関係。
(出版社より)

作品情報

作品名
卒業式~答辞~
著者
水壬楓子 
イラスト
高久尚子 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
シリーズ
卒業式~答辞~
発売日
ISBN
9784796400367
3.6

(21)

(5)

萌々

(5)

(10)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
76
評価数
21
平均
3.6 / 5
神率
23.8%

レビュー投稿数7

水壬さん曰く水壬さんの中では最左翼(もっともセンシティブな部類)な作品。

確かに今まで読んだ水壬さんのお話とはちょっと雰囲気が違ってました。
悪いオヤジも出て来ないし、えちも濃くない、爽やかな高校生同士の恋って感じでどこか甘酸っぱい。

『卒業式~答辞~』
進路面談の帰りに偶然見てしまった箕方のヒミツ。
生徒会長に就任した志野は以前から気になっていた箕方を副会長に指名して。
箕方はその代償として志野自身を要求してくるのだが…。

無器用ゆえの回り道です。
志野が最初に知ってしまった箕方のヒミツがあるから、そんなふうな関係になってしまったとも言えるのだけれど。
自分は想っているのに、自分を想っていない相手に身を任せる。
そういう子ってすごく好物なんでやっぱり好きですv
自分の中だけで気持ちを完結させてしまってて、相手がどう想ってるかなんてある意味考えてない。
ま、元々、箕方がそういう意味で志野に手を出したのだって他に想う人がいての八つ当たりのような行為だったので。
実らないと思うのも当然だけども。
最初は確かに箕方にとっては気持ちの伴うものではなくストレス発散のような行為で。
しかし、そこから少しずつ芽生えてきたものを、それでも信じられない志野に見せつける最後の場面はちょっとびっくりでした。
やってくれるな、箕方!!っていうか。

『卒業式~送辞~』
先輩たちの卒業式の日、偲は幼馴染みの泰斗に告白される。
返事を急がない泰斗に偲は返事をうやむやのままにしてしまうのだが…。

幼馴染み同士の恋です。
ホントは好きなのに2人の関係性が変わってしまうのが怖くて素直に言えない偲。
1人どんどん成長していくような泰斗に並べるような存在になりたいと思う部分もあって生徒会長になる。
しかし、生徒会長の仕事は多忙でどんどん一緒にいる時間はなくなっていって。
ある意味、返事をしないことで泰斗を振り回すことになった偲が最初に決断した時の言葉ちょっと意外でもありました。
すんなり結ばれるかと思ったらそうはいかないのですね。

『卒業式~記念品~』
入学式の日、遅刻してきた新入生と出会った俊紀。
その新入生・森崎はその後、俊紀を追うようにバスケ部に入ってきて…。

今回の3CPの中ではこのCPが一番好きかも。
俊紀にはずっと片想いしてる幼馴染みがいて。
それを知った上で、森崎は俊紀を慕い続けるんだけども。
何かあるたびにさりげなく優しく森崎に助けられて守られて。
そうして少しずつ幼馴染みとの距離を取り戻していく俊紀。
失恋したその日に告白されてしまうけれど、それまでの関係を崩すことなく寄り添い続ける森崎。
2人ともなんだかせつない部分もあったり。
けれど、森崎がそんなのを感じさせない強さというか明るさがあって。
わざと頭がいい子だからそういうふうにしてる部分もあるんだろうけど、茶化したりおどけてみせたり。
そういう明るい部分が少しずつ俊紀を変えていったのだと思う。
クリスマスプレゼントのくだりがとてもステキで森崎に惚れました!
告白してから実るまでに2年近くかかってたりしますが、その間に育まれたものが大きく花開けばいいのにと思いました。

『記念品 その後』
俊紀が大学入学後のお話。

どこまでも俊紀の感情を汲み取ってしまうような森崎が男前。
やっぱいい子です。
俊紀に是非末永く幸せにしてもらえるでしょう。

1

生徒会ラブ、それも複数カプ!

高久先生のイラスト目当てもあって購入。
やっぱりアクがないイラストはどれも好きでした!
水任先生のお名前の読み方を知った初読作品になります^^

話は、生徒会絡みの3組のカップルだけど、どのカップルの攻めも受けの気持ちを思いやって大人な対応をしています^^
そこに“思いが焦れて・・”や“思い切っちゃったっ!”な行動があるんですが、キレイで爽やかな高校生達は何でも許せちゃいます♪

1組め、生徒会長と副生徒会長になった同級生同士。
2組め、有望な陸上部員と図書室通いの幼馴染みカプ。
3組め、キレイで有能な先輩と彼に憧れて入学したデキル後輩。

1組めの≪~答辞~≫のカップルは、誰にでもインパクトを与えたカップル!
【ネタバレ】生徒会室で繋がっている最中を見られちゃいますからっ!
見られちゃった蓑方(攻め)の的確なあしらいと、見ちゃった偲(2組めの受け)の思いやり(?)が、何とも良いさ~♪
受けてた志野のドッキドキが、紙面のこっちにも伝わってきてた~!
そんで、卒業式の仰天な伝説となる一瞬がっ!
2、3組めのカップルにも大影響を与えます・・・!
いつかこの近いカップル同士で集って、一杯やっちゃってよ~
そんで、勘違いしてたね~とか笑い合ってよ~
と、将来まで想像しちゃうくらい、微笑ましい3カプでした♪

BL率高いけど、変に尖っている所もない替わりに、キャーキャーした感じがない落ち着いた学園モノ枠だと思いました。
文章とイラストが合っていて、甘過ぎたり子供ぽかったりしてなかったのも良かったです♪

1

なんとも爽やか。

高校の生徒会を中心に、ある年の卒業式を軸にしたオムニバス。CP違いで3編+3編目のその後が収録されてます。いわゆるBLの『生徒会もの』とは一線を画する作品だと思います。

まずは1編目、表題作の『卒業式~答辞~』。
箕方(攻・副会長)×志野(受・会長)の同級生同士。このCPが全体通してのメインになります。『伝説のCP』ですね。

正直、キャラクターもストーリーも私の好みとは違いますが、でも悪くはないです。ラストの卒業式のキスシーンが、シリーズの他のCPにも影響を与える大きなエピソードになっています。

2編目、『卒業式~送辞~』。
泰斗(攻・陸上部員)×偲(受・次期生徒会長)の幼馴染同士。これかなり好きです。この本の中では一番。設定もキャラクタ―もいい。

偲は、高校1年の卒業式の帰り道に、泰斗に告白されます。『いつまででも待ってる』と言う泰斗に、偲は返事ができないまま。小さいころからお互いのことをよく知ってる幼馴染だからこそ、今までの関係も変わってしまうようで、一歩踏み出すのが難しいんですね。

偲は泰斗において行かれるような気がして、自分も生徒会長になることにしますが、そのためにどんどん忙しくなって、一緒にいる時間が取れなくなってしまう。すれ違いに拍車をかけるように、ともに行動することが多い次期副会長の森崎との仲を泰斗に誤解されたり、泰斗に告白した陸上部の後輩女生徒に、『ちゃんと別れてくれ』と言われたり・・・その結果、偲は卒業式(1編目のCPの卒業式)前日に決着をつけようとしますが・・・

卒業式当日、2人の背を押したのが、1編目の箕方×志野CPのキスシーンだったんですね。ああ、ホントに爽やかで素敵なストーリーでした。

3編目の『卒業式~記念品~』。
2編目に出てきた次期副会長の森崎(攻)×バスケット部の1年先輩・俊紀(受)。年下攻ですね。

入学式の日に出会った俊紀のあとを追うように、バスケット部に入部した森崎。俊紀はバスケット部のマネージャー(兼コーチ)なんですが、実は中学時代からの同じ部の同輩(キャプテン)の和久に片思いしてて・・・

本来は苦手な年下攻としてはかなり好きな部類です。1歳差ということもあるけど(でも高校生の1年って大きい。まして同じ学校・部の先輩後輩の間柄だし)。

さらに、最後ののSSが『記念品 その後』。俊紀が卒業・大学入学したあとのお話です。上の大学なのですぐ近くだし、俊紀は卒業後も時々バスケット部のコーチを続けていて、森崎も同じ大学に進むつもりでいるので、関係はちょっと変わったけど途切れてはいないんですね。
この2人は、このまま仲良く過ごして行くんだろうなって感じでした。

1

さわやかな高校生の話!

 竹叡学院第37期生徒会長に就任した志野は、同級生の箕方を副会長に指名した。
 志野と箕方は、優等生であると志野と決して周囲に迎合しようとしない箕方で、周囲には犬猿……とまではいかないものの、決して仲がよいとは思われていなかった。
 それもこれも、箕方のやることに、いちいち突っかからずにいられなかった志野自身のせい。
 どうして自分がそんなに箕方につっかかるのか、自分の本当の気持ちに気がついた時には、時すでに遅く、どうやって普通に箕方に接したらいいのかわからなくなってしまっていた。
 そんな志野が、最後に取った手段は、箕方に「なんでもする」というのを約束に、生徒会に引き込むこと。
 一年間、箕方を近くに感じる権利を得るために、取り引きをした志野は、やがて箕方に体を奪われる。
 志野にとっては、願ったとおりの結果だけれど、やがて自分たちの卒業の時期が近づき、その一年が終わろうとする……

 という話でした。
 他にも、送辞を読む側になった次期生徒会長が、幼馴染みの同級生から、強烈なインパクトを残した志野と箕方たちの学年の卒業式の後に、告白される話と。

 志野と同級生のバスケ部マネージャーが、同級生に失恋し、新たな恋をする話。

 どれもこれも甘酸っぱい、その時の少年の精一杯が詰まっていて、とっても胸がすっぱくなりました。
 その高校の時の初期衝動が本当に永遠だなんて思わないんですが、でもそれが永遠であってほしい! と、今はもうなくなってしまった青春を懐かしむ程度の年齢になってしまうと、どうしても思ってしまうんですよね。
 なんというか、キラキラした高校生の話が、さわやかに描かれていて、とってもいい話でした。

1

最後のカプはとても良かった!

3カプによるオムニバスで、舞台はとある高校の卒業式。
元は2000年発売の作品ということで、なんか時代を感じるところが多々ありました。

【~答辞~】
一匹狼の副会長×品行方正な美人生徒会長

卒業式の日、ようやく両思いであることが判明。
なかなか信じない受けに対して「証明してやるよ」と攻めが言うんですね。

証明ってなにかなー?と思ってたら、壇上で答辞を読み上げる受けにキスをし、二人で会場から逃げ去るというやつ…。

受けの了承も得てないのに、全校生徒&親たちの前でアウティングとかサイテーと思ってしまいました。
10代の頃だったら、きゃー素敵♡と思えたのかなぁ。

【~送辞~】
幼馴染同士。
攻めは幼い頃からなんでも先回りして手助けしてくれてきた存在なんですね。
そんな攻めに告白されて喜ぶどころか「攻めは親友でしかない」とうそぶいてきた自分を見透かされたようで悔しい!なんでもかんでも先回りするなよっ!!
となる子供じみた腹ただしさを覚える受け……

で、一年間もほったらかし。
「親友という関係から変わっていくのが怖い」とはいえ、酷い。

攻めがどんな気持ちでそばにいたのか、ライバル女子に指摘されるまで気づけないところが愚かだと思う。
まぁそこがいかにもガキな10代っぽくていいのかもしれないけど、好みじゃなかったです。

【卒業式~記念品~】
後輩×先輩
先述の2カプがしゅみじゃなくて、限りなく撃沈していましたが、このカプというより攻めが超好みだったので浮上。

先輩に一目惚れしてバスケ部に入部するも、先輩は他の男に片思い中。
それを知った上で、先輩をさりげなくフォローしたり慰めたりするんだけど決して押し付けがましくない。

きちんと周りの空気や細やかな配慮ができたうえで、あえてアホっぽくして場を和やかに明るくするようなキャラで、将来は、むーっちゃくちゃいい男になると思う。

このカプがいなければ「しゅみじゃない」評価にしようか……と迷ってましたが、このカプが良かったので2段階あげて「萌」で。



1

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