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表題作 COLD LIGHT

高久透 → 羽多野渉

藤島啓志 → 野島裕史

その他キャラ
藤島司郎[家中宏]/ 玉恵[鈴木れい子]/ 藤島靖秋[丹沢晃之]/ 藤島千栄子[滝沢ロコ]

あらすじ

複雑に絡み合う二人の過去と現在――COLDシリーズ連続ドラマCD第二巻!

透をかばって負った傷も癒え、藤島の退院の日がやってきた。再び二人の生活が始まり、恋人として暮らしたいと願う透だが、藤島は「君と恋愛するつもりはない」と拒絶する。透の記憶が戻れば今の関係を忘れられてしまうことだけでなく、過去の何かを藤島は恐れていて――。
(販売元より)

作品情報

作品名
COLD LIGHT
著者
木原音瀬 
イラスト
祭河ななを 
媒体
CD
作品演出・監督
西村智博
音楽
yukari
脚本
堀井明子
原画・イラスト
祭河ななを
オリジナル媒体
小説
メーカー
マリン・エンタテインメント
シリーズ
COLD SLEEP
収録時間
155 分
枚数
2 枚
ふろく
通販連動購入特典:ミニドラマCD ブックレット:SS「前夜」
発売日
JANコード
4996779016389
4.6

(58)

(46)

萌々

(7)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
12
得点
271
評価数
58
平均
4.6 / 5
神率
79.3%

レビュー投稿数12

良い意味で簡単に聴き返せない一枚…もとい二枚

息をひそめ、かたずを飲むようにして聴きました。

原作ではこのLIGHTが最も苦手で、特に前半は他の二冊に比べ読み返すことも少なかったです。
CD化にあたって一番気にかかっていたことが、その苦手だった部分、痛々しく陰鬱な藤島の過去がどのように脚本化されているのか?目を覆いたくなるような出来事の数々はやはり省略されてしまうのだろうか?ということでした。

結果は、ほとんどぼやかし無しでした…。すごい…。でもこの部分をソフトにしてしまうと、若き日の藤島の心情や行動に説得力が無くなり、透との因縁にまで響いてしまいますからこれで良かったのですが、ね…。
お母さんこえー、まじこえーと小声で(内容が聞こえなくならないように)何度呟いたか分かりません。藤島母役の方がとてもお上手なのでなおさら…。たおやかなのに修羅を飼っている恐ろしーいお母様を見事に表現されていて、けれどヒステリックな叫びも耳に不快なトーンではなく、素晴らしかったです。
また、父役が家中宏さんと知ったときはとても嬉しかったです。冷たくて厳しいお父さんの演技、やはり良かったです。この人も悲しい人なんですよね。

そして、今回の主役と言える藤島を演じる裕史さん。最初、中学生時代の演技にしばらく気付かなくてびっくりしました。別に子役の方がいるのかと。それだけ違和感が無かったです。欲目かな…?
モノローグは聴きやすかったですし(単純に私が野島さんの声を好きなせい?)、この方の泣く演技をこんなにたくさん聴けたのは初めてで、しかもそれがとても良いものだったので嬉しかったです。
うまく書けないのですが、思った以上に藤島にもドラマにも感情移入し、ずっと胸をしめつけられながら聴いてしまいました。原作を読んだ時は藤島にも話自体に対しても割と冷静な視線だったし、泣いたところも確かなかったように思います。それなのにCDでは、藤島が父に拒否されたところを発端に、何度も思わず涙が出てしまいました。

もちろん羽多野さんの演技も良かったです。一番印象に残ったのが、藤島に食事の相手が女性かと聞かれて「何でそんなこと聞くの」と言う部分です。(…微妙な場面だな)
あとは過去の透の場面ですね。いやーFEVERが楽しみだなぁ。羽多野さん頑張れ超頑張れ。

前回気になった、会話部分の音声の左右振り分けが解消されていて本当に安心しました。BGMも場面にそぐわないものも無く、また特に好きな一曲があったのでそれがFEVERでも使用されると良いなと思います。

ただ少し気になった点も。
透が藤島に「愛してるって言っちゃだめじゃないか」と言うセリフがあるのですが、一作目のSLEEPでその元になる部分はカットされているのです…だからこのセリフも省かなければならなかったはず。
もう一点、腕を掴むSEが何ヶ所かあるのですが、それが妙に「パシッ」とした音でハイタッチとは言わないまでも、やや違和感がありました。
細か過ぎるって話ですよね…気持ち悪いなー自分。


ブックレットの書き下ろし短編について。
CDを聴き終えてしばらくして読み始めてからタイトルに気付き、思わず「えー!」と声に出してしまいました。
木原先生…きちk…いえ…
後半に行くにしたがってなぜか目の前がぼやけてきて恐ろしく読みにくかったです。うぅ…。


CDもまた聴き返したいけど、聴き過ぎて飽きたらもったいないから次に聴くのは三作目(と特典CD)を聴いて気が済んで、一作目の頭から聴ける覚悟と時間ができたその時です。いつになることやら。

誰にもオススメできる作品ではないかもしれませんが、私は大好きです。

7

短いSSにゾクッとさせられました。甘い中に漂うこわさを感じるのは原作既読ゆえなのか。

シリーズ2作目です。
記憶のない透が知らない藤島との過去が藤島の視点で描かれています。
原作を読んでいるのでその過去の、母親の異常さとかも充分わかっているつもりでしたが音にして聞いてみると更にこわさが増したというか。
たぶん、自分の中で自分に耐えられる程度に制御されていたのではないかとも思ってみたり。
確かにそんなセリフあったなと思う部分も声色によって迫力が増すし、ただの名家の奥様といった風合いではなく異質なものを孕んだ母親だというのが本当に声色から伝わってきて。
とにかくこの母親のおかげで痛さが増したような気がしました。
叩くシーンとかまた然りです。
音になるとやっぱり違う。
そして、そんな母親の執着に雁字搦めになっていた藤島。
藤島は現在の藤島も幼い頃の藤島も全て裕史さんが演じられていて。
幼い声を演じる裕史さんを聞いたことなかったせいもあって「声優さんてスゲー!」と思ってしまったり。
今の全て何もかも透に尽くそうとする藤島を作り上げた過去がどんどん暴かれていって。
その母親との関係性はやっぱりこわかったです。
そんな中で唯一の救いのような存在になっていく透。
しかし、そこでまた藤島には葛藤が生まれ、やがて制御しきれずに…。
藤島が狂っていくというか透に傾いていく姿が声色からも見てとれて。
そうして裏切りが重なって離れていく2人。
高校生になった透との再会。
この辺りでは本来の透の気質というか乱暴さも垣間見えて。
次作への期待と不安というかこわさみたいなものを煽られたり。
現在へ時間軸が戻っても、また問題があったり。
気持ちはあるのに踏み出すことをしたくないと思う藤島がせつない。
透のために、透を思えばこそ、と偽り続ける藤島の想いは深くて。
それは過去への懺悔でもあるだろうし、そうだからこそただ単純に透の幸せを願いたいのだろうけれど。
最後の最後でようやく一歩踏み出す決意をする藤島。
この後の展開を知っているのに、どうか2人が幸せでありますように、と祈らずにはいられない。

「赤い花」
新装版書き下ろしストーリーのドラマ化。
こちらは藤島の誕生日のサプライズ。
本編より全然甘い展開。
藤島がお酒に助けられてなのかポツポツと話す自分の気持ちの吐露みたいなのが好き。
そんなに感情が溢れてるわけじゃないけど「忘れられてるのかと思った」みたいな言葉の中にどこか淋しさみたいなものが滲んでいるような気がして。
一方の透はもうとにかく一言一言というか口調がやわらかいというか藤島への愛しさに溢れていて。
ああ、ホントに藤島のこと大好きなんだなーと感じさせられます。

ブックレット「前夜」
「赤い花」より後の時間軸。
甘い話であるはずなのに、「あれ、もしかして?」と思わせられる部分があって。
ラスト2行でその不安が一気に煽られるというか。
タイトルもそういう意味だったのね…みたいな。
短いのにどこかゾクッとさせられるお話でした。

裕史さんも羽多野さんも本当にステキ。
これは本当に聞きがいのあるドラマだなーとじっくりどっぷり浸ってしまいます。
が、次作はいよいよ完結編。
ここから更に痛さは増すこと間違いなく、今回のCDで音声化の迫力というものも味わったことだし今から心の準備を始めたいと思います(苦笑)

4

嘘の罪をやさしい嘘で償う

COLDシリーズ2

記憶喪失になった高久透(羽多野)は
藤島啓志(野島)を愛し始める・・・

啓志(野島)は、なぜ透(羽多野)の気持ちを受け止められないのか
哀しい記憶を啓志(野島)が語り始めるシリーズ2である。

啓志(野島)の記憶は学生時代に遡ります。
自分の出生の秘密、歪んだ愛情に苛まれつづける日々のなか
透(羽多野)と出会うのです。

「ごめんね、ごめん・・・」

「うそつき!うそつき!」

何が悪かったのか、誰が悪かったのか・・・
聴いててせつなくて痛い。

啓志(野島)は、幼い透(羽多野)についた嘘の代償として
また嘘をつくわけですよ。
今度は、やさしくてかなしい嘘です。
啓志(野島)は、ずっと嘘の罪を嘘で償うんですよ。
でも嘘は、少しずつ崩れていくのです。
嘘が崩れた先に見えたのは啓志(野島)の本当の気持ちなんですよ。
なんというか償いとか、そんな言葉で嘘をついていたのは
啓志(野島)自身の心に、だったんだよねー(;へ:)

原作は、自分の速度で自分でページをめくり活字を読むドキドキ。
CDは、ただ、ただ受け身で聴くドキドキがありました。

野島さんのモノローグは、どこまでも繊細で
羽多野くんのセリフは、どこまでもやさしくて・・・ゆえに泣きそうになる。

「好き、好き、好き、愛してる、好き、好き、好き、好きだよ・・・大好き」

羽多野くんのこのセリフで涙腺がっ!


『赤い花』は、記憶喪失になって6年後のふたりの甘い夜の話。
本編には直接的なセックスシーンを収録してないですが
この『赤い花』では、直接的なセックスシーンが収録されてます。
甘い話なのに原作既読組にはどうしても
心に棘が刺さったような気分になってしまいます。
甘くて甘くて・・・せつねーっ。

ブックレットSS『前夜』は、『赤い花』のあとの話
何の前夜なのかは・・・

3

シリーズ第二弾

このcoldシリーズは、大好きなのに重すぎてなかなか聴き返せないです。
長いけど一気に聴きたい、しかも精神状態を整えてから聴きたい、そういう作品なもんで。
ただシリーズ二作目となるLIGHTは、シリーズの中では一番甘く(あくまでもシリーズ比での話ですが)、ラストが幸せなので、比較的聴きやすいんじゃないかなと思います。
過去話、とくに受けの母親が絡むエピソードは本当にキツイですけどね~。でもこの物語を説得力のあるものにするために、この母親の強烈なキャラクターは欠かせない。彼女はただ悪役を担わされたってだけじゃないんですよ。攻めと受けの両者、とくに受けに拭いがたいトラウマと贖罪意識を持たせるために、絶対にこの狂気は必要だと思いました。彼女のこの狂気なくして「若いときの受けが、折檻されてる幼い攻めを助けてやれなかったこと」に説得力が出ないのだ。
受けの持つトラウマによる歪みは、彼が生来持ってる従順な性格も一因となっている。従順でなければこの母の軛からもっと早く抜け出せただろうから。でも、その従順さがなければ、人生すべてを投げ出して攻めを守り贖罪しようとは考えなかっただろうとも思いました。彼は攻めとの出会いによって「変わった」んだけど、芯の部分はまったく「変わっていない」とも言えるのだ。木原音瀬さんのキャラ造形の秀逸さが光ってると思います。
野島さんにぴったりでした。
対する攻めは羽多野さんですが、ワンコも鬼畜も上手い声優さんだし、こちらもぴったり。ワンコであればあるほど、シリーズ第三弾でどうなるかを思い出して、つらくなったりもするんだけどさ…。先に何が待ち受けてるか知ってるがゆえの切なさ。こちらは受けとは対照的に「生育環境で人はどれだけ大きく変わるのか」を体現してるキャラクターだと思いました。

甘いラストに悲しい予感を孕ませつつ、最終章へと続きます。
これ以上キツイのはイヤだっていう方は、ここで聴くのをやめてもいいかもです。
最終章は「痛い木原節」が炸裂してますから。個人的には大好きな木原節なんですが、本当に痛いのよ…。

3

かわいい透…

あまりにも恐ろしい母像が描かれているためか
このCDだけは滅多に通して聴けませんが
SCENE7以降は擦り切れそうなほどリピートしました。
なんという神がかった透の口にする「好き」という言葉
こんなに胸をつかれた「好き」はありません。
これから先もないのじゃないかと思わせるような
素晴らしい、とっても切なくも甘い「好き」
何度聴いても「透~!」ってなります。
このセリフだけでこのCDは聴く価値があるとさえ
藤島さんの心だって動いちゃうよねって思えます。

それ以外にも素晴らしいところはいくらでもあるのですが
正直「好き」に全部持ってかれてしまって
うまい具合に言葉が出てきません。

藤島さんも素敵なんだよな。
一生懸命自分の中の気持ちに抗おうとする切なさったら
なんてかわいいんだろう藤島さん…。
胸がぎゅぎゅっとなります。
何回聴いても何回聴いても
泣きそうになっちゃいます。

原作があまりに地雷尽くし設計だったので
(名作だけど、それとこれとは別だと思う)
羽多野×野島兄とキャスト発表されたときに
購入するかどうか禿げそうに悩んだんですが
(正直もっと怖くない作品で共演してくれ!と)
でも結果的にはこの作品でこのキャストを味わえたことは
本当に幸せなことでした。

羽多野くんであの透の「好き」が聴けた至福。
そして藤島さんを野島さんで聴けた満足感。

順番バラバラで今頃真ん中のレビュー書いてる間抜けさですが
本当に素晴らしいシリーズ作品でございました。

でも、やっぱもっとほんわかした作品でも
このお二人の共演を聴きたいのも確か。
今度こそかわいい作品で是非!(まだ言うか!)

2

この作品が収納されている本棚

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