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表題作こめかみひょうひょう

クールな高校生・芳野憲二
臆病な高校生・橘高照佳

同時収録作品光る男

同時収録作品見えてるのかな

同時収録作品カドをとられた方が負け

同時収録作品めあたらしい日々

名前不明:サラリーマン
名前不明:学生

同時収録作品VS 幼馴じみ

同時収録作品スローライフスローブギー

同時収録作品本日はお疲れの御様子

西岡・地元の二つ下の後輩
塚原・サラリーマン

その他の収録作品

  • POSTSCRIPT

あらすじ

高校生の橘高照佳は、クラスメイトの芳野憲二に密かに想いを寄せていた。この気持ちはだれにも内緒……のはずだったのに、芳野本人にばれていた!?
大人も、高校生も、おじさんも恋をすれば誰もが自意識過剰になっていく!?
雁須磨子が綴るたったひとつの恋の作品集。

作品情報

作品名
こめかみひょうひょう
著者
雁須磨子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
ミリオンコミックス HertZ Series
発売日
ISBN
9784813052401
4.1

(87)

(45)

萌々

(15)

(24)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
20
得点
358
評価数
87
平均
4.1 / 5
神率
51.7%

レビュー投稿数20

短編集

雁先生作品にハマって8冊目です。うち2冊だけ個人的な好みと少しずれていまして本作もそうでした。高評価が多い中、大変書き辛いのですが、読んだBLは率直な感想を述べさせてもらおうと思っているので、すみませんが書かせて頂きます。

表題作
橘高はトラウマがあるからネガティブになっちゃうんですよね。
自分の思いは叶うはずないと思っているから盗撮する。
片思いの相手が自分を好きだと言ってくれてつき合うことになり、しあわせなはずなのにずっと浮かない顔なのも、初体験でうれしいのに悲しくて大号泣しちゃうのもトラウマがあるからなんですよね。
私はどうもこの心理が理解できませんで。
感受性、想像力がダメダメでお恥ずかしい。
つき合うようになってからも許可なく写真を撮ったりして。
全部ひっくるめて芳野は嫌じゃないのかな(嫌じゃないから一緒にいるんだろうけど)なんて考えてしまいました。そういうところもかわいいと思えるんですかね。

「よじのぼったりしたい」は私も思ったことあるので、わかる!!とめっちゃ共感できました。
芳野の言動はだいたい理解も共感できて好きでした。

理解や共感できないことでも物語としての良さをもっと感じられるようになりたいです。精進します。

0

必読の書?バイブル?とにかく良い!

どれもこれも好きな作品ばかりの作品集。

【こめかみひょうひょう】(3話) 神
中学時代、同級生男子を好きなことがバレたことで不登校→一家で引っ越しというつらい経験をした橘高。
高校2年生になった彼は、同じクラスの芳野に片思いをしていて…、という始まり。
橘高が可愛くて、思考回路が面白いので笑えて萌えます。
「欲しくても手に入らないもの」を手に入れたつもりになるという写真のエピソードが好き。
過去のことがあって、ついネガティブになってしまう橘高を、芳野が引き上げてくれる関係が素敵です。
芳野がほんとにイイ男で、落ち着いてるけど高校生らしさもあるときめきキャラ。
「うれしいの後に悲しいが来る」と言う橘高に、そこはまだ「うれしい」のてっぺんじゃないと示してくれる男らしさも良かった。
芳野のおかげで橘高も変わっていくのが見えて、これからも何かあっても絶対に別れてほしくない!と願掛けするほど好きなCP。

【光る男】 萌2
ファッションセンス抜群の欽ちゃんと、ボーボー眉毛を整えてもらってからどんどんイケメンになった栗りん。
そんな栗りんの存在が最近ちょっと疎ましい、という始まり。
疎ましい、傷付けばいい、泣かされればいい、という欽ちゃんの気持ちの正体が分かっていく流れの見せ方がほんっとうに素晴らしい!

【見えてるのかな】 萌2
3ページの小品ながら、眼鏡をかけないと見えない彼と、その眼鏡かけると見えなくなる自分という、「見えている世界の違い」みたいな絶妙な感じがうまく表現されてるのがいい。

【カドを取られた方の負け】(2話) 萌2
幼馴染の久と竜信。オセロに腕ずもう、勉強でも何でも久に勝てない竜信。
「参りました」という台詞を頑なに言わない竜信が「参った」と言った日の出来事や、最終的に「参りました」なのはどっち?という結末にときめきます。

【めあたらしい日々】 萌2
出会い方がどうであれ、好きになったら相手のことを知りたいと思うのが恋心。
出会い系で出会ったリーマンとDK。立場も年齢も違う。興味のあることは全然合わなそう。だけど、どうにか共通の話題が欲しくてがんばるDKも、リーマンのオチも可愛い。

【vs 幼馴染】 萌2
恋人の幼馴染に紹介されたリーマン。
心理戦が楽しい。
うっかり最初に読み違えて、「マーチン(幼馴染)もゆう君を好きだったのでは!?」と思ってしまったけど、蓋を開けたら、口は悪くても、何があっても変わらずに大事に思ってくれる幼馴染っていいねという話でした。

【スローライフスローブギー】 萌
1年前の告白が巡りめぐって…という話。
めっきり勃たないおじさんと、そんなおじさんをずっと好きで諦められなかった若者。
スローペースにも程があるというか、おじさんが言い出せるまでの1年の心理状態を読んでみたいと思わせる展開。

【本日はお疲れの御様子】(2話) 萌2
昔、告白されて盛大にフった後輩と4年越しの再会。
先輩の後悔をやり直せてよかった!
後輩が一途でよかった!

心理描写も、表情で魅せる表現もいいけれど、構成に痺れる作品ばかり。
超絶おすすめの1冊です。

2

臆病な気持ちを克服した先に

◆こめかみひょうひょう(表題作)
 やっぱりこれが一番お気に入り。好きな男子・芳野のことの写真をこっそり撮り溜めしている橘高ということで、いずれはバレて不穏な展開になるんだろうなぁと思っていました。実際、芳野にはバレるんです。橘高もすごく焦って思わず泣いてしまうのだけど、なんと芳野はいっぱい写真を撮られていたのが嬉しくて、自分もだんだん好きになっていたと明かしてくれる。微笑ましくて、すごく温かい気持ちになりました。同性に想われたら気持ち悪いと感じる人ばかりじゃない、好意を嬉しいと思う人もいるんだ、と。付き合い始めてからも、芳野の方が積極的だったりするのが萌えました。

◆カドをとられた方が負け
 幼馴染もの。何でも勝負する久と竜信。ほぼ竜信の負けなのですが、彼は絶対に参りましたと言わない。プライドじゃないんです。彼には降参という概念がないんです。好きな久には何度でも挑みたいんでしょうね。結局、相手のことが好きなら勝ち負けなんてどうでもいい。そんな2人が可愛かったです。

◆本日はお疲れのご様子
 先輩後輩の再会もの。振られたけど忘れられなかった先輩・塚原を追って、東京にまで出てきた西岡の一途過ぎるところがたまらなかったです。強引に塚原に近づいたりはしないので、ストーカーっぽさも感じさせません。それでも家に呼ばれた時は、お酒の力も借りて強引に。塚原と読者にいろいろインパクトを残してくれた、純情な後輩っぷりでした。

0

抱きしめたりよじのぼったり

◾︎表題
半分で終わっちゃったよ〜〜もっと見たいよ〜〜〜
後半の畳み掛ける短編たちも良いけれど!
初っ端の「誰かを抱きしめたりよじのぼったりしたい!」ってセリフにつかまれました。よじのぼったりしたいってすっごく分かるけど、漫画ではすっと出てこない気がするんです。雁須磨子先生はそういう、気取ってない生のセリフが多い。
幸せすぎて、先を考えて怖くなってしまう受けも大好きです。橘高は特に中学時代の沈み方が強かったせいか、より怯えていますね。そんな受けに対して攻めがどう動くかもBL読んでて楽しみなところの一つです。芳野は非常に良い!カッコつけたり綺麗な言葉を使うわけではなく、行動で受けを安心させにくる攻めって本当に良い!!
橘高目線ですすむので、橘高が芳野に惚れたストーリーのように見えますが、しっかり芳野が橘高に惚れているのがたまりません。

◾︎光る男
リバってくれ(心の叫び)

◾︎カドを取られた方が負け
攻め(竜信)が負けがちっていうのがたまらん。なんだかんだ最後の一文に尽きる。久は竜信になんでも勝てるけど、勝てたためしはない。

◾︎めあたらしい日々
表題作が純な高校生で、こういった作品も同時収録されているのが嬉しい。雁須磨子先生の幅広さ。

1

その臆病さ、不器用さが愛おしい

17歳の若さで「一生ひとりで 生きてくなんて そんなことだって もしかしたらあるかも」とふと思ってしまう高校生。
初めてできた彼氏と一緒に過ごせて、ラッキーでしあわせで、てっぺんにいる気分で嬉しいけどこれ以上のてっぺんはないんだな、と思うとかなしいと言う。

飲まなくちゃ家に行けないからと言って、わざわざ酔っ払って好きな相手の家へ行く。
一度は振られた相手を追うため地元を出たのに、二年間同じ路線を使いながらもただ陰から見ているだけだった男。

そんな彼らの臆病さ、不器用さが愛おしくて、何だか彼らを抱きしめたくなってしまう。
もちろん私なんかじゃなくて、彼らにはしっかりと受け止めて引き上げてくれる相手がいます。
男同士の恋愛を描いているけど、ああ人と人が付き合うっていいことだなぁってなんだかしみじみ思いました。
自分だけでは辿り着けないその先へと引き上げてくれる、これは男だろうが女だろうが、相手がいてくれてこそだなぁって。特に表題作のカップルはいい。

読んでいると心がこまかく揺れてふるふるしてしまう。
泣くほどの派手さはないと思ったのだけど、読んでいて泣いてしまいました。
(ちなみに泣けたのは【本日はお疲れの御様子で】「西岡」と呼びかけて「はい 先輩」と正座して涙浮かべて返事したところです。この返事にきました。)

良質の短編集という一言では片付けてはいけない気がするほどみっちり詰まっていて、最初読み終えた後、この本って少しぶ厚めの250ページくらいあるのかなぁ?とわざわざページ数を確認したほどです。
(電子書籍なので、本の厚さでページ数を推測できない)

私がトピ立てした「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#IndexNews

で教えていただいたのがこちらの一冊。
初読みの作家さんだったので最初は48時間の限定で読んだのですが、読後すぐに無期限に変更しました。
一度読んで終わり、ではなく何度も読みたい再読に耐えうる本だと思いました。
教えてくださり本当にありがとうございました。

4

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